3問‐令和4年度の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第3問は、「請負契約」を問う問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

3問‐請負契約

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢ア

 選択肢アの「Aは、Bとの別段の合意がない限り、Bに対し、仕事に着手した時に報酬の全額 を支払わなければならない。」ですが、誤った記述です。

 常識的に、んなーこたないと突っ込む出題です。

 第六百三十三条(報酬の支払時期)には…、

 「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。

 「ただし、物の引 渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。」

 …とあります。

 よって、選択肢のように、着手即全額払いとはなりません。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、条文の但し書きの「第六百二十四条第一項」ですが、これは、(報酬の支払時期)で…、

 「労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。」

 …となっています。

 併せて、押えておきましょう。

選択肢イ

 選択肢イの「Aは、仕事が完成した後でも、Bに生じた損害を賠償して請負契約を解除するこ とができる。」ですが、誤った記述です。

 第六百四十一条(注文者による契約の解除)には…、

 「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除を することができる

 …とあります。

 完成前なら請負契約を解除できますが、選択肢のように、「仕事が完成した後」となれば、解除できないです。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢ウ

 選択肢ウの「Bの行ったリフォーム工事に契約不適合がある場合、Aは、その不適合を知った 時から 1 年以内にその旨をBに対して通知しなければ、履行の追完の請求をするこ とができない。」ですが、正しい記述です。

 第六百三十七条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)には…、

 「前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内 にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬 の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない」

 …とあります。

 条文が正面から問われているため、疑心暗鬼になりやすいです。難しく考えないで、解答してください。

 テキストを精読しておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢エ

 選択肢エの「請負契約が仕事の完成前に解除された場合であっても、Bが既にしたリフォーム 工事によってAが利益を受けるときは、Bは、Aが受ける利益の割合に応じて報酬 を請求することができる。」ですが、正しい記述です。

 第六百三十四条(注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)には…、

 「次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付 によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、 注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。

 「一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。」

 「二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。」

 …とあります。

 選択肢の場合は、「二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。」に該当するので、Aが受け取る利益に応じて、報酬請求が可能となります。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「ア」は「誤」です。

 「イ」は「誤」です。

 「ウ」は「正」です。

 「エ」は「正」です。

 本問は、「正しいものはいくつるか?」ですので…

 正解:2

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 類似問題あります。テーマ別の問題演習は、「管業「民法」の過去問リスト」を、活用ください。

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、

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