管理業務主任者の難易度について。データはないが、受験生・合格者には、宅建合格者の受験生が多いと思われるので、「カンタン」という評価や批評を鵜呑みにしない。「ゼロ」からなら、国家資格なこともあって、苦戦することは必定。試験問題は基礎・基本のものが多いが、「建築・維持管理」などの科目で、確定的に「難問」が出る。難問の分だけ、点数が押されるので、取れる問題を取りこぼさないようにする。
管理業務主任者の難易度は、「管理業務主任者の独学」でも述べていますが、「過去問演習に加え、テキストの精読を行い、そして、予想問題集等で問題演習の数を確保する必要がある」です。
これまで、本試験では、基礎・基本的な問題や、定番・頻出問題が多かったので、過去問を機械的に回すだけでも、合格できる可能性がありました。
しかし、平成30年あたりから、過去問だけでは、対応できない新傾向の問題が登場するに至りました。
よって、テキストを精読して、問題の取りこぼしを防ぐ必要があったのです。
しかし、令和3年度試験の傾向を見るに、「テキスト・過去問だけでは、もう受からない」と、認識を改める必要があります。
宅建等と同じように、テキストの精読と過去問演習に加え、予想問題集等で問題演習の数を確保していないと、合格が危うくなっています。
管理業務主任者試験ですが、令和1年度あたりから、「難化」が進み、小難しい選択肢が多数、問われるようになっています。たとえば…、
選択肢にブラフ(ハッタリ)を紛れ込ませたり…、
法改正・改定を、正面から“大量に”問うてきたり…、
問題の趣旨がよくわからない問題を出して来たり…、
「いくつあるか?」の問題比重が増して来たり…、
統計問題が出たり…、
…といった塩梅です。
従来の問題とは異なる傾向の問題・出題が顕著となっており、いろんな問題を解いて、対応できる問題の数を増やしておく必要があるのです。
特に、令和3年度の「第43問:統計
」の登場によって、以前とは比較にならないほど、予想問題集や模試問題集の必要性が増しています。受験生が試験に出そうな数字を追うのは、実に費用対効果が悪いです。
よって、先の問題集で、プロが選んだ数字を追うのが一番かと思います。(受験生ができる統計対策は、これくらいでしょう。)
「難化」している管理業務主任者試験ですが、それでも、試験問題の多くは、テキストの内容がストレートに問われる、基礎・基本な問題がほとんどです。
たとえば、平成29年度の第35問「先取特権」ですが…、
…選択肢の1~3は、すべて、テキストの記述そのまんまになっています。
たとえば、平成30年度の第13問「標準管理規約 管理費等」ですが…、
…の選択肢は、過去問で出題されたものや、テキスト記載事項です。
試験問題の大半は、先の例題の如くで、きっちりテキストを精読し、過去問演習を繰り返した人なら、穏当に点数が取れるものとなっています。
反対を言えば、過去問演習やテキストの読み込みに手落ちがあれば、落ちる試験となっています。
管理業務主任者の受験に当たっては、難易度に対しては、そう神経質にならなくても結構です。
ちゃんと、やることさえやれば、穏当に受かります。
しかし、いくつか注意点があるので、以下を、ざっと一読ください。
以下は、管理業務主任者を「ゼロ」から勉強する人向けの内容です。宅建保有者の人は、無視してください。
管業の難易度を語るのに、欠かせない視点が、「宅建(宅地建物取引士)」の存在です。
一口で言うと、「管業の受験生・合格者には、宅建保有者が多くいるので、それらを差っぴいて考える必要がある」です。
公式がデータを出していないので、正確ではありませんが、管理業務主任者の受験生・合格者には、そこそこの数の宅建合格者がいるように思われます。
ちなみに、このわたしも宅建保有者であり、もし、宅建を取ってなかったら、管業も受けなかったように思います。
管業ですが、よく「カンタン」と、言われます。が、しかし、『管業がカンタン』と言われる背景には、受験生に宅建持ちが多いのも、その一因かと思われます。
宅建があると、メイン科目の民法等が終わっているため、物理的な負担がかなり減ります。
また、試験勉強の『要領』も、宅建とほぼ同じのため、「昔取った杵柄」で、実力がぐんぐん伸びていくのです。んなもんで、1~2ヶ月合格なぞ、ざらになってしまいます。
「管業はカンタン」と言われる一因は、「宅建」にあると“強く”思われます。
ここが、「ゼロ」から管理業務主任者を受ける人にとっては、落とし穴となっています。
宅建を持ってない、素養がまったく「ゼロ」の人の場合、管理業務主任者は、相応に勉強しなくては受からない資格であることを、肝に銘じてください。
管理業務主任者は、毎年、申込のうち約15%の3,000人弱の人が『試験放棄』をしています。
「宅建合格者」の存在を無視して、(管業ってカンタンなんだー)などと油断していると、本格的な勉強が始まってから、泡を食うことになります。
管理業務主任者も国家資格の1つです。まったく「ゼロ」からなら、カンタンには取れません。
「ゼロ」から受ける人は、合格率の高さや、試験勉強期間の短さ、ネット上の評価などに惑わされず、気を引き締めて受験する必要があります。
管理業務主任者の合格基準点は、例年、「35点」前後を推移しています。要は、「7割で合格」といった寸法です。
しかし、少しだけ、この数字には、注意すべきです。
というのも、本試験では、例年「5~8問前後」の難問が出題されるからです。
「難問」は、テキストの範疇を超えていたり、一般常識系の内容だったり、枝葉末節のものだったりと、“通常の勉強”では、対策が取れないものを言います。
よって、当該難問の「5~8問」をすべて落としたと仮定すると、途端に、合格が厳しくなるのです。
難問が5問だと、配点が「45点」になったも同然です。
ここから、7割得点ですから、「77%」の正解率が必要となります。
難問が8問だと、「42点」配点だから、「35/42」で「83%」の正解が要るようになります。
このように、難問の存在を踏まえると、「77~83%」の正解率が必要となる次第です。
問題の1つ1つは、「カンタン」かもしれませんが、その「カンタン」なものを、ほとんど間違えずに取らないといけないため、プレッシャーは、かなり「キツイ」ものがあります。
また、最近の試験傾向では、「難問」の増加が目立ち、ますます、「取れる問題」が落とせなくなっています。
こんな次第で、管理業務主任者は、“1問1問を間違えられない”ため、精神的に、格段に厳しい試験となっていることを、肝に銘じてください。
先に、管理業務主任者の試験問題は、その大半が「基礎・基本」だと述べましたが、例外もあります。
それが、試験科目の「建築・維持管理」で、毎年のごとく、難問が出題されています。
「建築・維持管理」は、毎年「12問前後」の出題数があり、このうち、最低でも「1問」が、下手をすれば「2~4問」は、ぶっ飛んだ問題が出ます。
たとえば、平成27年度の「第27問」ですが…、
…と、テキストで見たことのない文言のオンパレードで、通常の範疇を逸脱した内容となっています。まともに解けた人は、皆無でしょう。
たとえば、令和1年度の「第22問:建築士法」ですが…、
…テキストにて、1文字たりとも記載のない内容が出題されています。解けるわけがありません。
これらは、極端な例ですが、「建築・維持管理」では、これに近い問題が毎年あります。
「建築・維持管理」は、管理業務主任者試験で、最も「難」の試験科目となっています。
あの「民法」以上に手を焼くので、受験生が最も注意しないといけない科目となっています。
また、「建築・維持管理」は、その作業量の多さ・負担の大きさも、要注意となっています。
「建築・維持管理」ですが、論点は多岐にわたります。
「建築基準法」や「消防法」といった法律から、建物の構造、コンクリート、受水層といった設備関係から、マンションのメンテナンス等々、これらの細かい規定・数字を、膨大に憶えなくてはなりません。
そのうえ、試験戦術上、点数の勘定から、「建築・維持管理」は、「捨て問」にすることもできないのです。
「建築・維持管理」で、最低でも4~5問は取っておかないと、合格基準点から滑り落ちる公算が大です。
よって、どうしても、「建築・維持管理」を勉強して、ある程度の点数を確保しなくてはなりません。
あまりに勉強しにくいので、後手に回る受験生が多いと思いますが、それは、危険です。
毎日、少しずつでいいので、テキストや過去問を消化しないと、本試験に間に合いません。
忘れないでください。毎年3,000人前後が「受験放棄」していることを。
おそらく、「建築・維持管理」も、その要因となっているはずです。
管理業務主任者にて、最も注意すべきが、「建築・維持管理」です。
「建築・維持管理」には、時間に余裕を持って、取り組んでください。
管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。
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