管理業務主任者の合格率・挫折率と、合格基準点の推移について述べる。合格率は、例年「20%」前後。挫折率は、例年「15%」前後で、3,000人近くが試験放棄をしている。合格基準点は、おおむね「35点」前後と捉えておけば支障はない。
ざっくりいうと、管理業務主任者の合格率は、例年「20%強」といった次第です。
数字自体は、昔から大きな増減はありません。おおむね、「20~23%」の間で、推移しています。
ただ、試験の傾向ですが、令和1年度あたりから、かなりの早さで「難化」が進んでいます。
よって、合格率は、似たような数字が続いていますが、実質的な勉強負担は、かなり増しています。
逆を言えば、かつてのような過去問ぶん回しだけでは、受かり難くなっているってな塩梅です。
「合格率」という数字だけで、試験を考えるのは、危険です。
ちなみに、直近のR3の合格率は「19.4%」でした。
先ほど、合格率を、「20%強」と述べました。
また、下に過年度の合格率を挙げていますが、「数字」には、少しばかり注意が必要です。
「20%」もあるから、受かりやすいと、安易に考えてはいけません。
データがないので、正確なことは言えませんが、管理業務主任者の受験生には、宅建の合格者が多いと推測されます。
ご存じのように、管理業務主任者と宅建は、試験科目で被っているものが多く、また、管業は宅建に比べてやさしい問題が多いのです。
よって、宅建を持っていると、管業の試験勉強は、かなり、ラクになるのです。
有体に言うと、宅建合格者の分だけ、管業の合格率は、底上げされている、といった寸法です。
目の前の「20%」という数字は、こうした『宅建』という要素も含まれたものなので、少しだけ注意してください。
仮の話ですが、「宅建合格者」を除外した合格率を出したとしたら、数字はかなり落ちると思われます。
宅建なしで、すべてをゼロから勉強するとなると、高合格率を誇る管理業務主任者でも、相応に苦労します。数字に騙されず、試験勉強に臨んでください。
直近の合格率は、以下の通りです。
令和3年度は、受験者数は「16,538人」で、合格者数が「3,203人」で、合格率は「19.4%」と、相なりました。なお、合格点は、「35点」でした。
令和2年度は、受験者数は「15,667人」で、合格者数が「3,739人」で、合格率は「23.9%」と、相なりました。なお、合格点は、「37点」でした。
令和1年度は、受験者数は「15,591人」で、合格者数が「3,617人」で、合格率は「23.2%」と、相なりました。なお、合格点は、「34点」でした。
平成30年度は、合格者数が「3,531人」で、合格率は「21.7%」と、相なりました。なお、合格点は、「33点」でした。
平成29年度は、受験者数が「16,950人」で、合格者数が「3,679人」、よって、合格率は「21.7%」となっています。なお、合格点は、「36点」でした。
平成28年度は、受験者数が「16,952人」で、合格者数が「3,816人」、よって、合格率は「22.5%」となっています。なお、合格点は、「35点」でした。
平成27年度は、受験者数が「17,021人」で、合格者数が「4,053人」、よって、合格率は「23.8%」となっています。なお、合格点は、「34点」でした。
平成26年度は、受験者数が「17,444人」で、合格者数が「3,671人」、よって、合格率は「21.0%」となっています。なお、合格点は、「35点」でした。
平成25年度は、受験者数が「18,852人」で、合格者数が「4,241人」、よって、合格率は「22.5%」となっています。なお、合格点は、「32点」でした。
平成24年度は、受験者数が「19,460人」で、合格者数が「4,254人」、よって、合格率は「21.9%」となっています。なお、合格点は、「37点」でした。
平成23年度は、受験者数が「20,625人」で、合格者数が「4,278人」、よって、合格率は「20.7%」となっています。なお、合格点は、「35点」でした。
平成22年度は、受験者数が「20,620人」で、合格者数が「4,135人」、よって、合格率は「20.1%」となっています。なお、合格点は、「36点」でした。
まあ、数字はこんな次第で、大きく変化のない試験といえます。
挫折率とは、試験を申し込んだのに本試験を受けなかった人の割合(1-受験率)です。
平均すると、「15~16%」が、受けずじまいに終わっています。そう、100人に15~16人が受験料をドブに捨てた、といった寸法です。
数字の背景には、安易な受験があるように思います。
管理業務主任者は、確かに、宅建等の不動産資格と比べると、「やさしい」部類に入ります。
しかし、「やさしい」は、「カンタンに取れる」「勉強しなくても取れる」ではありません。
宅建を持っていたり、法学部卒であったりすれば、試験勉強の負担がかなり軽くなるため、「受かりやすくなる」のは、事実です。わたしもそうでした。
しかし、「ゼロから受験する人」は、取り違えてはいけません。
管理業務主任者は、試験科目に「民法」があるため、素養がゼロだと、そこそこ、手間と時間を食います。管業を「やさしい」と主張する人は、単に「民法」が学習済みだからです。
法律の初学者の人なら、それなりに苦労します。「民法」をそれなりに接してきたわたしですら、面倒なので「民法」を後回しにしています。そのくらい、「民法」は、配偶者なみの手間を食う、といった次第です。
管理業務主任者は、決して楽な試験ではありません。安易な受験は避け、ゼロから受けるのであれば、相応に腹を括ってからの申込としましょう。
令和3年度(2022年度)は、出願者数が「19,592人」で、受験者数は「16,538人」でした。
試験放棄をした人は、「3,054人」なので、挫折率は、「15.5%」と相なります。
令和2年度(2021年度)は、出願者数が「18,997人」で、受験者数は「15,667人」でした。
試験放棄をした人は、「3,330人」なので、挫折率は、「17.5%」と相なります。
令和1年度(2019年度)は、出願者数が「18,464人」で、受験者数は「15,591人」でした。
試験放棄をした人は、「2,873人」なので、挫折率は、「15.5%」と相なります。
平成30年度は、出願者数が「19,177人」で、受験者数は「16,249人」でした。
試験放棄をした人は、「2,928人」なので、挫折率は、「15.2%」と相なります。
平成29年度は、申込者数が「20,098人」で、受験者数が「16,950人」でした。放棄した人は「3,148人」なので、挫折率は、「16%」と相なります。
平成28年度は、申込者数が「20,255人」で、受験者数が「16,952人」でした。放棄した人は「3,303人」なので、挫折率は、「16%」と相なります。
平成27年度は、申込者数が「20,317人」で、受験者数が「17,021人」でした。放棄した人は「3,296人」なので、挫折率は、「16%」と相なります。
管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。
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