棚卸資産の評価の計算を計算機(電卓)上で行うには、どのように操作をすればいいかを見ていきます。使用するキーは、「M+」と「M-」と「MR(カシオ)」または「RM(シャープ)」です。
「棚卸資産の評価」は、商業簿記の中でも頻出問題です。
ただ、計算自体はそれほど難しくありません。しかし、細々した計算が多くて手間がかかる、というのが実感するところです。
そこで当ページでは、「棚卸資産の評価」を計算機(電卓)上だけで完結するキー入力と操作を見ていきます。
最初から結論を言うと、棚卸資産の評価の計算機(電卓)操作は、全く難しくはありません。
ですから、以下のように述べる打ち方をしたからといって、圧倒的な点差が生まれるわけじゃありません。
「棚卸資産の評価」で点数を取るためには、正確なBOX図を書き上げることが解答作業の「99%」部分です。この点、本末転倒にならないように、ご注意をば。
いくら計算機の操作がうまくなっても、計算機の知識が増えても、『間違って打てば意味がない』です。
で、「正確なBOX図」が書けるようになってから、当該ページの以下の内容を見ていってください。
以下のような、BOX図が書けたとします。ふらんすっぽい。
取得原価が「1,800円」で、時価が「1,700円」です。
期末帳簿有高が「1,200個」で、期末実地棚卸高が「1,050個」です。
当該ケースで計算機(電卓)操作を行います。
わたしの持つシャープとカシオの計算機ともに、同じ操作です。
ま、異なるのは、「MR:めもりーりこーる」か「RM:りこーるめもりー」の表記の差くらいでしょう。
「棚卸資産の評価」を計算機上で完結するには、まず、「P/L価額」から求めます。
当該ケースでは「1800円」×「1200個」で「P/L価額」を求めます。
入力は「1800*1200」で、次に「M+」を押して、掛け算の計算結果を計算機内部のメモリに保存します。
当該「2,160,000」が損益計算書(P/L)に計上される「期末棚卸資産」です。
次に、「棚卸減耗費」の計算に入ります。
「棚卸減耗費」は、「期末帳簿有高」から「期末実地棚卸高」を引き、それを「取得原価」で掛けて求めます。
当該ケースの計算機(電卓)入力では、「1200-1050*1800」となります。
ここが「肝」なのですが、先のように入力したら、次に「M-」を押します。
「M-」を押すと、液晶には先の「1200-1050*1800」の計算結果「270,000」が表示されるとともに、当該計算結果の数字がメモリに保存されたデータから引き算されます。
なお、一番最初の図の「赤い部分」が、当該棚卸減耗費です。
次に、「商品評価損」の計算に入ります。
「商品評価損」は、「取得原価」から「時価」を引いて、それを「期末実地棚卸高」で求めます。
当該ケースの計算機(電卓)入力では、「1800-1700*1050」となります。
ここが「肝」なのですが、先のように入力したら、次に「M-」を押します。
「M-」を押すと、液晶には先の「1800-1700*1050」の計算結果「105,000」が表示されるとともに、当該計算結果の数字がメモリに保存されたデータから引き算されます。
なお、一番最初の図の「青い部分」が、当該商品評価損です。
蛇足ながら、商品評価損は原則として売上原価の内訳科目です。
ここまで計算できたら、残りの「B/S価額」を求めます。
「B/S価額」の出し方は簡単で、「RM(シャープでは)」か「MR(カツオでは)」を押すだけです。
計算機のメモリに格納されたデータ「1,785,000」が、液晶部分に表示されるはずです。
これで、棚卸資産の計算は終了です。
このやり方だと、主要な数字だけをメモすればいいので、結構な手間が除かれるように思います。
計算機内部でどのような処理がなされたのか、図にまとめましたので、これを見て、あれこれ計算機をいじってみてください。
なお、先に言いましたが、棚卸資産の計算機操作は、実に簡単です。
しかし、重要なのは、BOX図上の、帳簿棚卸高とか実地棚卸高などの正確な数字を求めることです。
出題者側は、あの手この手でBOX図の作成を邪魔してくるでしょう。それに惑わされず、きっちり処理していきましょう。
棚卸資産の計算作業の大半は「それ」で、言うなれば、このページで述べたことは、「最後の〆」的なものです。
こういった塩梅ですので、作業の力点を間違えないでください。
以上、棚卸資産の計算を計算機(電卓)上で完結させる入力と操作でした。
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