本問は『手形割引』の仕訳。2015/11実施の第141回‐第1問の1問目。「この取引では、こういう処理をする」という“決まり事”を問う問題。知らないと解けない。よく出るので絶対に押さえること。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。
◇問題◇
1.得意先より受け取った約束手形\800,000を取引銀行で割引き、利息・手数料に相当する金額\4,000を差し引かれ、残額は当座預金に振り込まれた。
◇勘定科目群◇
結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
設問はシンプルなので普通に仕訳を切ってください。まずは、切りやすい「約束手形\800,000を取引銀行で割引き…略…残額は当座預金」から、手を付けて…、
借方:当座預金 ???
貸方:受取手形 ???
…と、ざっくり仕訳を切って、残る「利息・手数料に相当する金額\4,000を差し引かれ」をチョメチョメしていきましょう。
言うまでもありませんが、「得意先より受け取った約束手形」は、「受取手形」です。
「約束手形」なる勘定科目はないので、注意してください。
ここが???だと話にならないので、「手形」とはどういうものなのかを、テキストで熟読するか、バイト先の店長に聞いてみましょう。
先述したように、本問は、「この取引では、こういう処理をする」という“決まり事”を問う、知識問題です。
「手形を銀行で割り引く際に、利息・手数料が引かれたとき」は、「手形売却損」で処理します。
本問では、「手形売却損」は\4,000です。当該「手形売却損」は、費用の増加ですから、仕訳は…、
借方:手形売却損 4,000
…と相なります。
ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。
対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者にハーブをすり込むときの方です。
ほとんど答えは出ていますが、残る「当座預金」の入金額についてです。
「800000-4000」の「796000」が、入金額となります。
振り込まれたのですから、資産の増加の仕訳で…、
借方:当座預金 796,000
…と相なります。
後は、先の仕訳と合体して、ちょこちょこするだけです。
答えは…、
…です。
一口コメントです。
本問の「手形売却損」は、簿記試験に限らず、よくよく出ます。
頻出の理由は、まず、手形割引は、商売上で欠かせない資金繰りであるという「実務事項」なのと...、
「手形」を「割り引いた」のに、なぜか使用する語句には、「売却」が入っているという、「初学者泣かせ」だからです。
出題者にとっては、「手形売却損」の論点は、“1粒で2度おいしい”という寸法です。
配偶者なみに貪欲な出題者の裏を突いて、しっかり押さえておきましょう。
1問:手形割引・・・「ふつう」。
2問:口座開設・・・「ふつう」。
3問:償却債権・・・「ふつう」。
4問:仕入応用・・・「やや難」。
5問:固定資産税・・・「ふつう」。
簿記3級は格段に難化しているので、本格教材を使うのが一番、無難です。
詳細は「教材レビュー」で述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、
テキストは「合格テキスト 日商簿記3級」で…、
問題集は「合格トレーニング 日商簿記3級」で…、
過去問は「合格するための過去問題集 日商簿記3級」で揃えば、独学に支障ありません。どれも『ド定番教材』です。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、現在わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。全く支障ありません。
簿記3級の中で異色のメンドクサさを誇るのが為替手形です。当該論点についてはブログの方にまとめているので、「ブログ:簿記3級-為替手形」を参考ください。
仕訳問題は、「簿記3級の仕訳問題」を参考ください。
そのほか、簿記3級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。
また、電卓の打ち方についてを、「簿記のコツ-それは計算機」や「計算機打ち方例」で述べてます。お目汚しください
「検算のコツ」を知っておくと、計算ミスを結構防げます。
なお、お手持ちの電卓が、試験で使えるかどうか不安な方は、「簿記の電卓」を参考ください。
また、簿記3級の求人数等を、「簿記3級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。
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