第141回‐仕訳過去問(2015/11実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『仕入応用』の仕訳。2015/11実施の第141回‐第1問の4問目。問題文から取引を判断する問題。問題文をよく読むようにする。同じ車でも、常に「車両運搬具」になるとは限らない。場合によっては異なるときもなる。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第4問‐仕入応用

 ◇問題◇

 4.販売目的の中古自動車を\1,200,000で購入し、代金は後日支払うことにした。また、引き取り運賃として、\10,000を現金で支払った。なお、当店は、自動車販売業を営んでいる。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「やや難」です。

 本問のポイントは、問題文の「販売目的の中古自動車」と、但し書きの「なお、当店は、自動車販売業を営んでいる。」を読み取れたどうか、です。

 設問の主人公?は、「自動車販売業を営んでいる、車屋」です。

 当該車屋が、販売目的の車を買ったのですから、「商品の仕入」です。

 いつもどおりの“感覚”でいると、「車両運搬具」で仕訳を切りかねません。注意してください。

 おそらく、多数の受験生が、「車両運搬具」で仕訳を切って、貴重な点数を落としたはずです。

 今後もこういう問題がでかねないので、常日頃から、問題文をよく読む癖をつけておきましょう。

 言うまでもありませんが…、

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、臭う配偶者にオレガノを振るときの方です。

仕入処理

 先述したように、本問は、車屋が販売目的の車を買ったので、「仕入」で処理します。

 ここで注意すべきは、仕入の付随費用の処理です。付随費用は仕入に加算でした。

 設問には、「引き取り運賃として、\10,000を現金で支払った」とあります。当該引き取り運賃は、付随費用です。

 んなもんで、当該\10,000円は、車の購入代金\1,200,000に含めて処理します。

 仕入代金は、「10000+1200000」の「1210000」となるので…、

 借方:仕入 1,210,000

 …と相なります。

決済処理

 決済は、「(車の)代金は後日支払」なので、「未払金」で処理します。

 「未払金」は負債で、それが増加しているので…、

 貸方:未払金 1,200,000

 …と相なります。

 ほいで、運送費の\10,000は、現金で支払っているので、資産の減少で…、

 貸方:現金 10,000

 …と相なります。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 繰り返しますが、本問は、車屋が車を買っているので、「仕入」となります。

 問題文をよく読んでいないと、固定資産の購入と勘違いして、「車両運搬具」で仕訳を切ったはずです。

 簿記3級でも、こういう「判断を要する問題」が出ているので、丁寧に設問を読み取りましょう。


141回‐第1問:仕訳

 1問:手形割引・・・「ふつう」。

 2問:口座開設・・・「ふつう」。

 3問:償却債権・・・「ふつう」。

 4問:仕入応用・・・「やや難」。

 5問:固定資産税・・・「ふつう」。

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