第134回‐仕訳過去問(2014/3実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、『売上応用』の問題である。2014/3実施の第134回‐第1問の2問目。本問は、売上の応用問題です。注文の多い仕訳です。出題者は、最後は食われたらいいでしょう。さて、混乱することなく、1つ1つ、落ち着いて処理すればOKでが、最後の立替の処理が、やや難です。仕訳を、勘定科目で判断する癖をつけておきましょう。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第2問‐売上応用

 ◇問題◇

 2.群馬商店に商品\330,000を売り渡し、代金のうち、\30,000は、注文時に受け取った内金と相殺し、\200,000は新潟商店振り出し、群馬商店受取の約束手形を裏書譲渡され、残額は掛とした。なお、群馬商店負担の発送運賃\15,000は現金で支払った。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問は、一口で言うと、『不親切』な問題です。最後の「立替払い」の処理で頭を抱えます。とはいえ、こういう処理もあるので、覚えておくしかありません。

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者に空気を入れるときの方です。

とりあえず売上の処理

 本問のような、注文の多い仕訳問題は、まず、ざっくり、大枠の仕訳を切るのがコツです。

 簡単に言えば、本問は、売上\330,000を巡る問題でしかありません。

 ざっくり仕訳を切れば…、

 借方:??? ???

 借方:??? ???

 貸方:売上 330,000

 …と相なります。

 後は、借り方の方をチョメチョメして、現金払いの発送運賃をアレコレするだけです。

内金相殺

 問題文には、「\30,000は、注文時に受け取った内金と相殺」とあります。

 つまり、本問の以前の段階で、売上代金の一部を、先に受け取っていた、という次第です。

 本問のような、商売上の内金は、「前受金」で処理されます。んなもんで、仕訳は…、

 借方:現金 30,000

 貸方:前受金 30,000

 …という仕訳が、『前提として切られている』といった次第です。

 先の「内金相殺」とは、既に貸方計上されている「前受金」を、取り崩すことを指します。

 負債の減少ですから、仕訳は…、

 借方:前受金 30,000

 …と相なります。

 これで、1つ、終了です。

裏書譲渡

 問題文には、「\200,000は新潟商店振り出し、群馬商店受取の約束手形を裏書譲渡」とあります。

 一口で言えば、「受取手形」を受け取った、という塩梅です。

 資産の増加ですから、仕訳は…、

 借方:受取手形 200,000

 …と相なります。

 ここは大丈夫ですね。

残額は売掛金

 問題文には、「残額は掛とした」とあります。

 売上代金は\330,000です。「前受金」は\30,000で、「受取手形」は\200,000です。「330000-30000-200000」で、残額は「100,000」となります。

 当該\100,000を、「売掛金」で処理する、ってな寸法です。

 資産の増加ですから、仕訳は…、

 借方:売掛金 100,000

 …と相なります。

不親切な、立替払い

 問題文の『なお書き』には、「群馬商店負担の発送運賃\15,000は現金で支払った」とあります。

 「群馬商店負担」の費用を、代わりに払っただけなので、普通に考えれば、ここは、「立替金」で処理します。

 しかし、なのです。使用勘定科目を見ると、「立替金」がありません。ですから、ここでは、「売掛金」に含めて、処理することになります。

 仕訳は、資産の増加と、資産の減少なので…、

 借方:売掛金 15,000

 貸方:現金 15,000

 …と、相なります。

 先も言ったように、個人的には、本問は「不親切」だと思います。問題文にて、一言、「立替分は、売掛金に含めて処理する」などの指示がないと、受験生は混乱するだけです。

 ただ、このように、立替分を「売掛金」に含めて処理することもあるので、頭の片隅に置いておきましょう。

仕訳の合体

 とりあえず、先に切った仕訳を合体させましょう。

 仕訳を合わせると…、

 借方:前受金 30,000

 借方:受取手形 200,000

 借方:売掛金 100,000

 借方:売掛金 15,000

 貸方:売上 330,000

 貸方:現金 15,000

 …と相なります。

重複処理

 借方で重複している「売掛金」を処理しましょう。なあに、足すだけです。

 最終的な「売掛金」の額は、「100,000+15,000」で「115,000」となります。

 最終的な仕訳は…、

 借方:前受金 30,000

 借方:受取手形 200,000

 借方:売掛金 115,000

 貸方:売上 330,000

 貸方:現金 15,000

 …と相なります。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 ひとくちコメントです。

 本問は、少々、言葉足らずのところがあるため、最後の「立替払い→売掛金処理」で、混乱した受験生も多いかと思います。

 簿記試験では、ときおり、こういう問題が出るので、出たら出たで、落ち着いて対処するようにしてください。

 個人的には、本問は悪問だと思います。


134回‐第1問:仕訳

 1問:固定資産売却・・・「ふつう」。

 2問:売上応用・・・「ふつう」。

 3問:当座借越・・・「ふつう」。

 4問:通信費・・・「ふつう」。

 5問:訂正仕訳・・・「ふつう」。

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