第134回‐仕訳過去問(2013/6実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『当座借越』の仕訳。2013/6実施の第134回‐第1問の3問目。本問は、固定資産を売却したときの処理。おなじみ、減価償却の計算の問題です。本問は、難しいところはないので、正確に計算して得点にしましょう。難しく考える必要はない。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第3問‐当座借越

 ◇問題◇

 3.先週末に受け取った得意先福岡商店振り出しの小切手\180,000を当座預金に預け入れた。なお、当座預金出納帳の貸方残高は\150,000であり、取引銀行との間に、借り越し限度額\1,000,000の当座借越契約を結んでいる。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問は、難しく考えなければ、即解答できます。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者にワックスをかけるときの方です。

ポイント‐読解力

 本問のポイントは、問題文の「当座預金出納帳の貸方残高は\150,000」の理解です。

 「当座預金」の「貸方残高」は\150,000なわけですが、ここで「???」となった人が多いかと思います。

 ここは、T字勘定を書いてみれば、どういう状態か、わかります。

 

 ざっくり言えば、上記画像のようになっている、ってな次第です。

 「当座預金」は「資産」扱いですが、借方はプラスで、貸方はマイナスです。要は、「当座預金」勘定は、「マイナス」になっている、という塩梅です。

 んで、当該マイナス分は、当座借越契約があるので、「当座借越」で、処理されている、ってな次第です。

 「当座借越」は、「負債扱い」ですから、貸方に計上されます。んなもんで、本問の前提には…、

 貸方:当座借越 150,000

 …となっている、ってな寸法です。

小切手の受取り

 問題文には、「先週末に受け取った得意先福岡商店振り出しの小切手\180,000」とあります。

 ここも、『以前に、どういう仕訳が切られているか?』を求めます。

 小切手は通貨代用証券ですので、「現金」で仕訳が切られたはずです。

 資産の増加の仕訳で…、

 借方:現金 180,000

 貸方:何かてきとうなもの 180,000

 …という仕訳が、以前に、切られたってな寸法です。

小切手の当座預金入金

 本問では、受け取った小切手を「当座預金」に入金しています。

 んなもんで、小切手受取時に切られた、「借方:現金 180,000」の仕訳を、取り崩す処理を行ないます。

 資産の減少なので、仕訳は…、

 貸方:現金 180,000

 …と相なります。

当座預金の入金額

 さて、本問の前提には、「貸方:当座借越 150,000」がありました。

 当該「当座借越」は、「当座預金」に入金があった際に、相殺することになります。

 入金額は\180,000ですから、「当座借越」は、\150,000丸々を、取り崩すことになります。

 負債の減少ですから、仕訳は…、

 借方:当座借越 150,000

 …と相なります。

 んで、「当座預金」に入金されるのは、「180000-150000」の「30,000」です。

 資産の増加ですから、仕訳は…、

 借方:当座預金 30,000

 …と相なります。

仕訳の合体

 先の仕訳を合体すると、答えになります。

 借方:当座借越 150,000

 借方:当座預金 30,000

 貸方:現金 180,000

 …ってな寸法です。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 少々、異色の「当座借越」の処理です。

 問題文をしっかり読んで、解答してください。


134回‐第1問:仕訳

 1問:固定資産売却・・・「ふつう」。

 2問:売上応用・・・「ふつう」。

 3問:当座借越・・・「ふつう」。

 4問:通信費・・・「ふつう」。

 5問:訂正仕訳・・・「ふつう」。

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