第133回‐仕訳過去問(2013/2実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『決算振替仕訳』の仕訳。2013/2実施の第133回‐第1問の5問目。本問の決算振替仕訳は、仕訳問題ではそう出ません。が、このように、姿を現す可能性もあります。意外に手薄になる論点なので、しっかり押さえておきましょう。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第5問‐決算振替仕訳

 ◇問題◇

 5.損益勘定の記録によると、当期の収益総額は\3,780,000で費用総額は\2,986,000であった。この差額を資本金勘定に振り替える。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 めずらしい、決算振り替え仕訳です。

 こういう問題も出るので、しっかり押さえておきましょう。

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者のタイヤを換えるときの方です。

損益の振り替え

 まず、本問の前提段階にて、収益関係と費用関係のものは、『損益』に振り替えられていることを、思い出してください。

 たとえば、収益関係とは、ざっくり言えば、「売上」です。

 費用関係とは、これまたざっくり言うと、「仕入」です。

 「売上」は、貸方に計上されています。これを、『損益』に振り替えたので、仕訳は…、

 借方:売上 ○○○

 貸方:損益 ○○○

 …と相なります。

 次に、「仕入」ですが、これは、借方に計上されています。これを、『損益』に振り替えるので、仕訳は…、

 借方:損益 ×××

 貸方:仕入 ×××

 …と相なります。

 “この作業”で、「売上」と「仕入」が、からっぽになって、「損益」に、収益系と費用系が集まった、という寸法です。

損益のT字勘定

 問題文には、「当期の収益総額は\3,780,000で費用総額は\2,986,000であった」とあります。

 これは、つまり、収益総額\3,780,000は「損益」の貸方側に、費用総額\2,986,000は「損益」の借方側に、計上されている、ってな寸法です。

 T字勘定で見てみると…、

 

 …ってな寸法です。

 差額は、「3780000-2986000」の「794,000」で、当該「794,000」が、「損益」の「貸方」にある(残っている)ってな次第です。

 

 …ってな寸法です。

 本問は、当該差額「794,000」を、「資本金」に振り替えることができるかどうかを問うています。

 仕訳的にいえば、単に、「貸方」にある「損益」を、減らすだけです。

 貸方にあるものを減らすわけですから、仕訳は…、

 借方:損益 794,000

 貸方:資本金 794,000

 …ってな塩梅です。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 決算振替仕訳を苦手にしている人は、いったん、「普通の仕訳を切る」感覚から、離れてみてください。

 決算振替仕訳は、言うなれば、「会計的にそうしないといけない、機械的作業」「帳簿のつじつまを合わせるだけの、会計技術的な作業」であり、変な言い方ですが、意味は薄いのです。

 通常の仕訳は、物やお金が動いているので、現実的な動きがあります。対して、当該決算振替仕訳は、帳簿上の数字を動かしているだけです。

 要は、「利益」に当たる数字を、「資本金」に移動させるにはどうしたらいいか?から、導き出されたのが、決算振替仕訳の諸々の作業です。

 (こうしないと、「収益-費用」の「利益」が、「資本金」に行かないよね)という感じで、接してみてください。ホント、会計技術的なことです。


134回‐第1問:仕訳

 1問:改定のため削除

 2問:改定のため削除

 3問:自家消費・・・「ふつう」。

 4問:現金過不足・・・「ふつう」。

 5問:決算振替仕訳・・・「ふつう」。

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