登録販売者:排泄に関わる部位に作用する薬 痔の薬 総論・前文

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の第5章「排泄に関わる部位に作用する薬」の「痔の薬」の「総論・前文」を述べたページ。手引きの該当記述を挙げるほか、優先順位やポイントなどをコメント方式で説述する。独学者向けの内容。

インデックス

  1. 手引き抜粋‐総論・前文
  2. コメント・ポイント
  3. 成分以外へのリンク
  4. カタカナ成分へのリンク

手引き抜粋‐総論・前文

 「排泄に関わる部位に作用する薬」の「1:痔の薬」の総論・全文は、以下の通りです。

 「1 痔の薬

 「1)痔の発症と対処、痔疾用薬の働き

 「痔は、肛門付近の血管がうっ血し、肛門に負担がかかることによって生じる肛門の病気の総称で、その主な病態としては、痔核、裂肛、痔瘻がある。」

 「痔核は、肛門に存在する細かい血管群が部分的に拡張し、肛門内にいぼ状の腫れが生じたもので、一般に「いぼ痔」と呼ばれる。」

 「便秘や長時間同じ姿勢でいる等、肛門部に過度の圧迫をかけることが、痔核を生じる主な要因とされる。」

 「直腸粘膜と皮膚の境目となる歯状線より上部の、直腸粘膜にできた痔核を内痔核と呼ぶ。」

 「直腸粘膜には知覚神経が通っていないため、自覚症状が少ないことが特徴である。排便時に、肛門から成長した痔核がはみ出る脱肛、出血等の症状が現れる。」

 「一方、歯状線より下部の、肛門の出口側にできた痔核を外痔核と呼ぶ。」

 「内痔核と異なり、排便と関係なく、出血や患部の痛みを生じる。」

 「裂肛は、肛門の出口からやや内側の上皮に傷が生じた状態であり、一般に、「切れ痔」(又は「裂け痔」)と呼ばれる。」

 「裂肛は、便秘等により硬くなった糞便を排泄する際や、下痢の便に含まれる多量の水分が肛門の粘膜に浸透して炎症を起こしやすくなった状態で、勢いよく便が通過する際に粘膜が傷つけられることで生じる。」

 「痔瘻は、肛門内部に存在する肛門腺窩と呼ばれる小さなくぼみに糞便の滓が溜まって炎症・化膿を生じた状態で、体力低下等により抵抗力が弱まっているときに起こりやすい。」

 「炎症・化膿が進行すると、肛門周囲の皮膚部分から膿が溢れ、その膿により周辺部の皮膚がかぶれ、赤く腫れて激痛を生じる。」

 「痔は、肛門部に過度の負担をかけることやストレス等により生じる生活習慣病である。」

 「長時間座るのを避け、軽い運動によって血行を良くすることが痔の予防につながる。また、食物繊維の摂取を心がける等、便秘を避けることや香辛料などの刺激性のある食べ物を避けることなども痔の予防に効果的である。」

 「一般用医薬品の痔疾用薬には、肛門部又は直腸内に適用する外用薬(外用痔疾用薬)と内服して使用する内用薬(内用痔疾用薬)がある。」

 「いずれもその使用と併せて、痔を生じた要因となっている生活習慣の改善等が図られることが重要である。」

 「外用痔疾用薬は、痔核(いぼ痔)又は裂肛(切れ痔)による痛み、痒み、腫れ、出血等の緩和、患部の消毒を目的とする坐剤、軟膏剤(注入軟膏を含む。)又は外用液剤である。」

 「内用痔疾用薬は、比較的緩和な抗炎症作用、血行改善作用を目的とする成分のほか、瀉下・整腸成分等が配合されたもので、外用痔疾用薬と併せて用いると効果的なものである。」

 …となっています。

コメント・ポイント

 「痔の薬」の総論・全文は、有数の頻出ポイントで、丁寧の望まねばならないところです。

 ほぼほぼ全ての記述が出題対象です。代表的な出題例は、「香川県 R3 第86問」です。

 全てをまんべんなく読み込んでおくべきですが、特に、痔核・内痔核・外痔核・裂肛・痔瘻、いぼ痔・切れ痔・裂け痔等々の語句をきちんと整理して憶えてください。

 これらの語句は、「入れ替え」問題の多発地帯で、たとえば…、

 「痔核一般に「“裂け痔”」と呼ばれる。」

 「歯状線より下部の、肛門の出口側にできた痔核を“痔瘻”と呼ぶ」とか…、

 「“内痔核”は、排便と関係なく、出血や患部の痛みを生じる。」とか…、

 「外用痔疾用薬は、痔核“(切れ痔)”又は裂肛“(いぼ痔)”による痛み、痒み、腫れ、出血等の緩和、患部の消毒を目的とする坐剤、軟膏剤、外用液剤である」

 …とかです。

 似たような漢字なので、アレコレと入れ替えることができ、問題作成の手間がかからないため、よくよく問われています。

 何度も精読しておくべきです。配偶者に痔の性質を聞くのもいいでしょう。

 あと、少しだけ注意すべきが、「外用痔疾用薬」と「内用痔疾用薬」についてです。

 それぞれの薬の目的が問われることがあるので、読み込んでおきましょう。

 また、細かいところが問われそうです。たとえば…、

 「外用痔疾用薬は、坐剤、軟膏剤又は外用液剤があるが、“注入軟膏のものはない”。」とか…、

 「内用痔疾用薬は、抗炎症作用、血行改善成分等が配合されているため、“外用痔疾用薬と併用を避ける”。」

 …とかです。

 「痔の薬」は、イヤラシイ出題があるところなので、油断せず精読しておきましょう。

 「総論・前文」は、以上で終わります。

成分以外へのリンク

総論・前文

代表的な配合成分、主な副作用

相互作用

受診勧奨等

カタカナ成分へのリンク

痔の薬 成分以外

 総論・前文

 代表的な配合成分、主な副作用

 相互作用

 受診勧奨等

痔外用‐局所麻薬成分

 リドカイン・リドカイン塩酸塩

 アミノ安息香酸エチル

 ジブカイン塩酸塩

 プロカイン塩酸塩

痔外用‐鎮痒成分(抗ヒスタミン)

 ジフェンヒドラミン塩酸塩・ジフェンヒドラミン

 クロルフェニラミンマレイン酸塩

痔外用‐局所刺激成分

 クロタミトン

 カンフル

 ハッカ油

 メントール

痔外用‐抗炎症成分

 ヒドロコルチゾン酢酸エステル

 プレドニゾロン酢酸エステル

 グリチルレチン酸

 リゾチーム塩酸塩

痔外用‐組織修復成分

 アラントイン

 アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート(アルクロキサ)

痔外用‐止血成分(アドレナリン作動)

 テトラヒドロゾリン塩酸塩

 メチルエフェドリン塩酸塩

 エフェドリン塩酸塩

 ナファゾリン塩酸塩

痔外用‐収斂保護止血成分

 タンニン酸

 酸化亜鉛

 硫酸アルミニウムカリウム

 卵黄油

痔外用‐殺菌消毒成分

 クロルヘキシジン塩酸塩

 セチルピリジニウム塩化物

 ベンザルコニウム塩化物

 デカリニウム塩化物

 イソプロピルメチルフェノール

痔外用‐ビタミン成分

 ビタミンE(トコフェロール類)

 ビタミンA(レチノール類)

痔内用‐抗炎症成分

 リゾチーム塩酸塩

痔内用‐止血成分

 カルバゾクロム

痔内用‐ビタミン成分

 ビタミンE(トコフェロール類)

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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