本問は『土地の取得原価』の仕訳。2017/2実施の第145回‐第1問の4問目。一口で言えば、固定資産購入時の付随費用の処理を問うているだけである。後払いは、そう間違えることはないだろう。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。
◇問題◇
4.営業用の土地550㎡を、1㎡あたり\35,000で購入した。この土地の購入手数料\400,000は現金で業者に支払い、土地の代金は後日支払うことにした。
◇勘定科目群◇
結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
仕訳問題は、まず第1に、「取引の大きな枠組み」を把握することから始めます。
設問を見ていくと、「営業用の土地550㎡を、1㎡あたり\35,000で購入」うんぬんが、大枠ってな感じです。この時点で…、
借方:土地 ???
貸方:??? ???
…的な仕訳が切れます。
後は、手数料の処理「購入手数料\400,000は現金で業者に支払い」と、決済部分の「土地の代金は後日支払う」うんぬんをチョイチョイしていくだけです。
言うまでもありませんが…、
「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。
「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者に伏せを命じるときの方です。
ところで、蛇足ですが、設問の『営業用の』という文言には注意してください。この文言があるので、「土地購入」の仕訳を切れるのです。
これが、たとえば、「個人の自宅用途の土地」とあれば、本問は、「商売上の取引」ではなくなるので、「資本金の引き出し」で処理したり、問題のケースによっては、「仕訳なし」が正解になったりします。まあ、試験には出ないと思いますが、念のため、チェックすることをクセ付けおいて下さい。
「土地」は、「固定資産」です。
ですから、購入に付随する費用は、取得原価に含めて計算します。
んなもんで、購入手数料\400,000は、土地に加算することになります。
設問では、550㎡の土地で、1㎡あたり\35,000で購入したとあるので…、
550*35000+400,000
…で、「19650000」が土地の取得原価となり、仕訳は「資産の増加」なので…、
借方:土地 19,650,000
…と相なります。
なお、固定資産の付随費用ですが、本問の様な「業者に支払う手数料」のほか、「司法書士へ払う手数料」とか「登記料(登記印紙とか)」なども、付随費用です。これらも含めて計算することになります。
「この土地の購入手数料\400,000は現金で業者に支払い」とあるので、悩むことなく、現金が減る仕訳を切ります。つまり…、
貸方:現金 400,000
…ってな次第です。
設問では、「土地の代金は後日支払うことにした」とあります。
穏当に、「未払金」を使って…、
貸方:未払金 19250000
…という仕訳が切れます。
後は、先の仕訳群を合体すれば、答えとなります。
答えは…、
…です。
一口コメントです。
本問の「土地の付随費用」は、いろいろなバリエーションが想定できるので、狙われやすい論点です。
たとえば、本問では「土地」ですが、「機械装置」とかもよく出ます。この場合では、「据付費用」とか「輸送代」とかが付随費用となります。
仕訳問題以外の総合問題でも、狙われる論点です。きっちり、理解しておきましょう。
1問:自家消費・・・「やや難」。
2問:商品券・他店商品券・・・「ふつう」。
3問:手形割引・・・「ふつう」。
4問:土地の取得原価・・・「やさしい」。
5問:所得税預り金・・・「ふつう」。
簿記3級は格段に難化しているので、本格教材を使うのが一番、無難です。
詳細は「教材レビュー」で述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、
テキストは「合格テキスト 日商簿記3級」で…、
問題集は「合格トレーニング 日商簿記3級」で…、
過去問は「合格するための過去問題集 日商簿記3級」で揃えば、独学に支障ありません。どれも『ド定番教材』です。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、現在わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。全く支障ありません。
簿記3級の中で異色のメンドクサさを誇るのが為替手形です。当該論点についてはブログの方にまとめているので、「ブログ:簿記3級-為替手形」を参考ください。
仕訳問題は、「簿記3級の仕訳問題」を参考ください。
そのほか、簿記3級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。
また、電卓の打ち方についてを、「簿記のコツ-それは計算機」や「計算機打ち方例」で述べてます。お目汚しください
「検算のコツ」を知っておくと、計算ミスを結構防げます。
なお、お手持ちの電卓が、試験で使えるかどうか不安な方は、「簿記の電卓」を参考ください。
また、簿記3級の求人数等を、「簿記3級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。
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