第145回‐仕訳過去問（2017/2実施）

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

　本問は『商品券・他店商品券』の仕訳。2017/2実施の第145回‐第1問の2問目。商品券と他店商品券の意味を理解していないと解けない。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第2問‐商品券・他店商品券

　◇問題◇

　２．顧客に商品\12,000を売り渡し、代金のうち\10,000は他店発行の全国百貨店共通商品券で受取り、残額は当店発行の商品券で受け取った。

　◇勘定科目群◇

　

解説

　結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

　本問のレベルは「ふつう」です。

　仕訳問題は、まず第１に、「取引の大きな枠組み」を把握することから始めます。

　設問を見ていくと、「顧客に商品\12,000を売り渡し」うんぬんが、大枠ってな感じです。この時点で…、

　借方：???　???

　貸方：売上　12,000

　…的な仕訳が切れます。

　後は、決済部分の「代金のうち\10,000は他店発行の全国百貨店共通商品券で受取り、残額は当店発行の商品券」うんぬんをチョイチョイしていくだけです。

　言うまでもありませんが…、

　「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

　「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者を押すときの方です。

商品券・他店商品券の処理

　「商品券（自店商品券）と他店商品券‐簿記３級仕訳」で詳しく述べていますが、もう一度。

　「他店商品券」は、普段わたしたちが目にしたり使ったりしている“商品券”のことです。

　ご存じのように、普段使っている商品券は、現金の換わりになっています。んなもんで、「他店商品券」は、「資産」扱いとなります。（現金同等物と考えましょう。）

　対して、「商品券」は、わたしたちが発行した一種の債券、または、借入証書みたいなもので、支払義務のある「負債」扱いのものとなっています。

　ピンと来ない人は、「商品券」発行時の仕訳を考えてみてください。100円分の商品券を発行して現金100円で売った場合…、

　『現金100　/　商品券100』

　…このような、「負債の増加」の仕訳が切られるわけです。

　んで、回りまわって自分が発行した商品券が帰ってきたら、対価として100円を支払うことになります。

　つまり、決済時の処理は、「負債の減少」で…、

　『商品券100　/　現金100』

　…と相なる次第です。

　こうした、商品券と他店商品券の理解ができていないと、本問は解けません。

　できなかった人は、テキストの該当部分を、しっかり読んでおきましょう。

処理の方法１‐他店商品券

　「他店発行の全国百貨店共通商品券」は、「他店商品券」で処理します。金額は「\10,000」だったので…、

　借方：他店商品券　10,000

　…となります。

　先述したように、「他店商品券」を「現金同等物」的にとらえれば、仕訳が切りやすくなるでしょう。

処理の方法２‐商品券

　問題は、残額2,000円の「商品券」の扱いです。

　先に答えを言うと…、

　借方：商品券　2,000

　・・・と相なります。

　いまいち、ピンと来ない人は、こう考えてみてください。

　「仮に、一度、現金2000円で売上代金を受け取り、その直後に、商品券の決済を行なった」と。

　仮に、「現金2000円で売上代金を受け取り」したとすると…、

　他店商品券10,000/売上12,000
　現金2,000

　…っとこのように仕訳を切ることになります。んで、直後の商品券の決済では…、

　商品券2,000　/　現金2,000

　…という仕訳が切られることになります。

　で、この2つの仕訳を合体すれば、つまり、貸方と借方の「現金　2,000」を相殺消去すれば、答えの仕訳になる、といった次第です。

まとめとこたえ

　答えは…、

　

　…です。

　一口コメントです。

　本問の「商品券と他店商品券」は、簿記3級の固有の論点なので、狙われやすい論点です。

　仕訳問題以外の総合問題でも、狙われる論点です。きっちり、理解しておきましょう。

　なお、「商品券の精算‐簿記３級仕訳」のほうも、参考にしてみてください。


145回‐第1問：仕訳

　1問：自家消費・・・「やや難」。

　2問：商品券・他店商品券・・・「ふつう」。

　3問：手形割引・・・「ふつう」。

　4問：土地の取得原価・・・「やさしい」。

　5問：所得税預り金・・・「ふつう」。

　index

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　仕訳問題は、「簿記３級の仕訳問題」を参考ください。

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