第140回‐仕訳過去問(2015/6実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、『旅費交通費』の問題である。2015/6実施の第140回‐第1問の2問目。本問は、ぶっちゃけいえば、普通の仕訳問題である。しかし、ICカードという実務上の動向が織り込まれているので、混乱さえしなければいい。一般常識的な問題でもある。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第2問‐旅費交通費

 ◇問題◇

 2.営業活動で利用する電車及びバスの料金支払用ICカードに現金\30,000を入金し、領収書の発行を受けた。なお、入金時に全額費用に計上している。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 仕訳問題は、まず第1に、「取引の大きな枠組み」を把握することから始めます。

 設問を見ていくと、「現金\30,000を入金し、領収書の発行を受けた」うんぬんが、大枠ってな感じです。この時点で…、

 借方:??? 30,000

 貸方:現金 30,000

 …的な仕訳が切れます。

 後は、前半の「電車及びバスの料金支払用ICカード」うんぬんをチョイチョイしていくだけです。

 言うまでもありませんが…、

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者に楯突くときの方です。

ポイント

 本問のポイントは、問題文の読解です。

 「営業活動で利用する電車及びバスの料金支払用ICカード」とありますが、最初の「営業活動」という文言があるので、簿記上の取引に該当します。

 んで、「ICカード」うんぬんですが、これは、出題者が「時事問題」風の出題にしたかったことが見受けられます。

 簿記は「実務試験」です。実務上、通勤等でICカードを使っている企業が多くなってきていますから、このような企業の実情を踏まえて、仕訳が切れるかどうかを試した、といった手合いです。

 まあ、試験技術的なことから言えば、「ICカード」うんぬんは、単なる『迷彩』でしかありません。

仕訳

 使用勘定科目を見ると、「旅費交通費」とあります。

 んなもんで、当該「旅費交通費」で仕訳を切ります。

 なお、こういうシンプルな問題ほど、勘定科目に注意してください。

 よし、解ける!簡単!と油断したためか、さくっと「旅費」やら「交通費」やらで仕訳を切りかねません。

 使用勘定科目を指差し確認して、指示通り、「旅費交通費」で仕訳を切ります。

 最終的な答えは、費用の増加に、先の現金支払の仕訳と合わせれば…、

 借方:旅費交通費 30,000

 貸方:現金 30,000

 …と相なります。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 ひとくちコメントです。

 あまり難しくはありません。今後、本問のような、『実務動向』をテーマにした出題は、一掃考えられます。

 しかし、要は、基礎基本の取引の延長線上でしかありません。

 本問のような「ICカード」といった文言に惑わされずに、普通に仕訳を切るようにしてください。

 出題者は、(ICカード?!なにそれ?!)的なパニックを見据えて、本問を出題しているのですから、向こうの手に乗らないようにしましょう。


140回‐第1問:仕訳

 1問:売上応用・・・「ふつう」。

 2問:旅費交通費・・・「ふつう」。

 3問:支払地代・・・「ふつう」。

 4問:所得税預り金・・・「ふつう」。

 5問:借入金・・・「ふつう」。

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