本問は『消耗品』の仕訳。2014/2実施の第136回‐第1問の5問目。本問は、応用問題で、消耗品の処理と、当座借越を併せて問う問題です。頭がウニになりそうですが、問題文をしっかり読めば、解答できます。落ち着いて解きましょう。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。
◇問題◇
5.消耗品\8,000を購入し、代金は小切手を振り出して支払った。ただし、当店の当座預金の残高は\5,000だったが、借入限度額\40,000の当座借越契約を結んでいる。また、当店は、消耗品の処理について、購入時にいったん資産として計上し、決算時に、消費した分を費用に振り返る処理をしている。
◇勘定科目群◇
結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
1つ1つはカンタンなので、問題文をしっかり読んで、落ち着いて解答しましょう。
ところで、言うまでもありませんが…、
「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。
「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者をコピペするときの方です。
問題文は長々して、うっとおしいですが、1つ1つ、手を付けて行きましょう。
まず、主たる取引の、「消耗品」からです。
当該処理は、問題文の「消耗品の処理について、購入時にいったん資産として計上し、決算時に、消費した分を費用に振り返る処理をしている」を無視してはいけません。
消耗品を買ったときは、指示通り、資産計上します。つまり、「消耗品」勘定で処理する、ってな塩梅です。
資産計上の指示があるので、ついうっかり、いつも通りの癖で「消耗品費」で仕訳を切らないようにしてください。
資産の増加なので、仕訳は…、
借方:消耗品 8,000
…と相なります。
問題文には、「当座借越」うんぬんとありますが、先にカンタンな方から処理しましょう。
先の「消耗品」の決済には、小切手を振り出しています。
小切手を振り出した際は、「当座預金」で処理します。
問題文には、「ただし、当店の当座預金の残高は\5,000だった」とあるので、当該\5,000しか払えなかったことになります。んなもんで、減らす「当座預金」は、当該\5,000のみと相なります。
資産の減少ですから、仕訳は…、
貸方:当座預金 5,000
…と相なります。
消耗品の代金は\8,000です。しかし、小切手で支払ったのは\5,000です。後は、残金の\3,000円をチョイチョイすれば、終わりとなります。
「当座借越」とは、口座にお金がなくても、ある一定額までは、銀行が立替払いをしてくれる制度です。
皆さんがお使いの銀行の「総合口座」も、同じような立替払いの仕組みがあります。高校生さんはピンと来ないかもしれませんが、社会人になれば、公共料金の引き落としでお世話になるはずです。
当該「当座借越」は、難しく考えず、銀行からの“超短期”の借入と考えると、すんなり行きます。
「当座借越」は、借入的なものですから、貸方のほうに計上します。
残金\3,000は、「当座借越」で処理し、これは、短期的な借入ですから、負債の増加となります。
んなもんで、仕訳は…、
貸方:当座借越 3,000
…と相なります。
さて、答えですが、先の3つの仕訳を合体すると…、
借方:消耗品 8,000
貸方:当座預金 5,000
貸方:当座借越 3,000
…と相なります。
答えは…、
…です。
一口コメントです。
本問は、読解力が必要な問題です。
問題の指示に従って、仕訳を切ってください。とりわけ、「消耗品」は、使用勘定科目に「消耗品費」があるので、間違えてはいけません。出題者が口を開けて待ってます。
1問:自家消費・・・「ふつう」。
2問:未収金・・・「ふつう」。
3問:仕入応用・・・「ふつう」。
4問:手形貸付金・・・「ふつう」。
5問:消耗品・・・「ふつう」。
簿記3級は格段に難化しているので、本格教材を使うのが一番、無難です。
詳細は「教材レビュー」で述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、
テキストは「合格テキスト 日商簿記3級」で…、
問題集は「合格トレーニング 日商簿記3級」で…、
過去問は「合格するための過去問題集 日商簿記3級」で揃えば、独学に支障ありません。どれも『ド定番教材』です。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、現在わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。全く支障ありません。
簿記3級の中で異色のメンドクサさを誇るのが為替手形です。当該論点についてはブログの方にまとめているので、「ブログ:簿記3級-為替手形」を参考ください。
仕訳問題は、「簿記3級の仕訳問題」を参考ください。
そのほか、簿記3級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。
また、電卓の打ち方についてを、「簿記のコツ-それは計算機」や「計算機打ち方例」で述べてます。お目汚しください
「検算のコツ」を知っておくと、計算ミスを結構防げます。
なお、お手持ちの電卓が、試験で使えるかどうか不安な方は、「簿記の電卓」を参考ください。
また、簿記3級の求人数等を、「簿記3級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。
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