第136回‐仕訳過去問(2014/2実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『自家消費』の仕訳。2014/2実施の第136回‐第1問の1問目。本問は、自家消費を問う問題です。簿記3級の固有論点なので、よく出ます。仕訳の要領と、勘定科目に注意すれば大丈夫です。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第1問‐自家消費

 ◇問題◇

 1.電気代\30,000が当座預金口座から引き落とされた。なお、このうち30%は、店主の家事のために使われたものである。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 「自家消費」のオーソドックスな処理です。間違えたら、テキストを熟読しましょう。よく出ます。

 言うまでもありませんが…、

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者をスキャンするときのほうです。

自家消費

 本問のポイントは、『自家消費』の理解です。

 支払った電気代は\30,000です。しかし、問題文の『なお書き』には、「このうち30%は、店主の家事のために使われたものである。」とあります。

 ここをキチンと処理しないと、点数になりません。

 当該「このうち30%は、店主の家事のために使われたものである」は、言い換えれば、「お店の経営には関係ない」という塩梅です。

 「お店に関係ない」のですから、当該支払いは、「店主の個人的な使い込み」となります。

 「個人的な使い込み」は、「自家消費」として処理します。で、当該使い込みの額は、「30,000*0.3」の「9,000」となります。

 後は、当該\9,000の勘定科目の選択です。

自家消費の勘定科目

 大事なことを言います。

 自家消費の処理は、使う勘定科目に注意しなくてはいけません。

 自家消費の処理は、2系統あって、「引出金」か「資本金」の、どっちかの勘定科目で処理します。

 使う勘定科目は、指定勘定科目群にあります。んなもんで、どっちが使われているかを確認したうえで、処理します。

 自分勝手に仕訳を切ってはいけません。

 本問指定の勘定科目群には、「資本金」があって、「引出金」がありません。よって、本問は、「資本金」で処理します。

 今後、卑劣な出題者は、「引出金」で出してくる公算が大です。自家消費の処理は、指定勘定科目群で使い分けることを、しっかり憶えておきましょう。

 片方しか覚えていない受験生をたくさん狩れるので、ハンター出題者は、当該自家消費の論点をよくよく繰り出してくる、といった塩梅です。

 さて、自家消費の額は「9,000」です。勘定科目は「資本金」です。

 仕訳は、純資産(資本)の減少なので…、

 借方:資本金 9,000

 …と相なります。

電気代の勘定科目

 “お店”の費用(経費)となるのは、先の店主の自家消費(個人流用)の\9,000を除いた分となります。

 「30000-9000」の「21,000」が、お店の帳簿に、記載すべき電気代となります。

 電気代は、使用勘定科目にあるように、「水道光熱費」で処理します。

 費用の増加ですから、仕訳は…、

 借方:水道光熱費 21,000

 …と相なります。

支払い

 決済は、「当座預金から引き落とされた」と問題文にあるので、「当座預金」で処理します。

 支払額は\30,000なので、仕訳は、資産の減少で…、

 貸方:当座預金 30,000

 …と相なります。

考え方

 本問の自家消費が「???」な人は、問題文「電気代\30,000が当座預金口座から引き落とされた。なお、このうち30%は、店主の家事のために使われたものである。」を、以下のように、読み換えてみてください。

 「店の電気代として、\21,000を当座預金から支払った。

 「店主が、店の預金\9,000を盗んだ。店主は、その金銭で、自宅の電気代を払った。

 こんな風に考えると、整理がつくと思います。

 基本的に、「お店」と「店主個人」は、帳簿上、関係がありません。

 お店に関係のない、店主個人の費用を、お店の帳簿に計上することは、できません。あなたが、配偶者の肌着を着ないのと、同じ理屈です。

 電気代の支払いも、お店の帳簿に載せないといけないのは、お店の分だけです。

 電気代から考えると、頭がモヤモヤしますが、要は、店主の使い込みさえ押さえればよい、という次第です。店主がぱくったお金の使い道は、お店にとって関係ありません。本問では、たまたま、同じ電気代を払っただけ、という塩梅です。

 また、貸方の「当座預金 30,000」のほうにモヤモヤしている人もいるかもしれません。なんで、お店に関係ない支払いなのに当座預金を減らすの?!ってな寸法です。

 ここは、カンタンに考えます。

 現実上、銀行口座からは現金\30,000が無くなっているのだから、それをそのまま反映させるだけ、ってな次第です。あまり、深く考えなくていいです。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 自家消費は、簿記3級固有の論点のため、よく出ます。その意味と要領を、しっかり押さえておきましょう。

136回‐第1問:仕訳

 1問:自家消費・・・「ふつう」。

 2問:未収金・・・「ふつう」。

 3問:仕入応用・・・「ふつう」。

 4問:手形貸付金・・・「ふつう」。

 5問:消耗品・・・「ふつう」。

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