本問は『当座借越』の仕訳。2013/11実施の第135回‐第1問の5問目。本問は、当座借越の処理を問う問題です。少しややこしいところもありますが、落ち着いて考えれば大丈夫。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。
◇問題◇
5.会津商店から商品\680,000を仕入れて、代金は小切手を振り出して支払った。なお、当座預金の残高は\520,000であるが、借り越し限度\2,000,000の当座借越契約を結んでいる。
◇勘定科目群◇
結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
注意するところは、「当座預金の残高は\520,000」のところです。
ここさえわかれば、後はカンタンです。
言うまでもありませんが…、
「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。
「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者を散歩に連れていくときの方です。
「当座借越」とは、口座にお金がなくても、ある一定額までは、銀行が立替払いをしてくれる制度です。
皆さんがお使いの銀行の「総合口座」も、同じような立替払いの仕組みがあります。高校生さんはピンと来ないかもしれませんが、社会人になれば、公共料金の引き落としでお世話になるはずです。
ピンと来ない人は、当座借越は、銀行からの“超”短期の借入と考えるといいでしょう。
引き落としに不足の分は、銀行から借りて支払っている、ってな寸法です。
たとえば、です。電気代\100,000の引き落としがあって、そのとき、口座残高は\20,000だったとします。
この場合、残高が不足してますから、引き落とし不可なわけです。
ここで、「当座借越=“超”短期の借入」として、1つ1つの仕訳を見てみましょう
まず、預金残高で、支払える分を支払います。費用の増加と、資産の減少なので、仕訳は…、
借方:水道光熱費 20,000
貸方:当座預金 20,000
…と相なります。で、水道光熱費は、\80,000が残っています。
預金残高はゼロなので、銀行から、“超”短期の借入をします。借入の科目は、通常の借入とは異なるので、「当座借越」勘定で処理します。
借方:当座預金 80,000
貸方:当座借越 80,000
これで、超短期の借り入れが終了です。これで、残る水道光熱費\80,000を支払うと…、
借方:水道光熱費 80,000
貸方:当座預金 80,000
…と相なります。
んで、先の仕訳を合体させると、借方は…、
借方:水道光熱費 20,000
借方:当座預金 80,000
借方:水道光熱費 80,000
…で、貸方は…、
貸方:当座預金 20,000
貸方:当座借越 80,000
貸方:当座預金 80,000
…と相なります。
重複する科目と数字を処理すると…、
借方:水道光熱費 100,000
貸方:当座預金 20,000
貸方:当座借越 80,000
…と相なります。
仕訳的には、単に、不足額を「当座借越」で処理すれば言いだけなのです。が、いまいちピンと来ない人は、「当座借越=“超”短期の借入」ってな感じで、理解してみてください。
さて、解答作業に入りましょう。まずは、仕入の処理から手を付けましょう。
問題文には、「会津商店から商品\680,000を仕入れて、代金は小切手を振り出して支払った。なお、当座預金の残高は\520,000」とあるように、仕入代金を「当座預金」で処理しようとしています。
しかし、預金残高は\520,000しかありません。んなもんで、「当座預金」で処理できるのは、当該\520,000までとなっています。
残るは、「680000-520000」の「160,000」です。
当該「160,000」を、先に見たように、超短期の借入的な「当座借越」で処理する、ってな塩梅です。
仕訳は、費用の増加と資産の減少と負債の増加ですから…、
借方:仕入 680,000
貸方:当座預金 520,000
貸方:当座借越 160,000
…と相なります。
答えは…、
…です。
一口コメントです。
本問のポイントは、「当座借越」の仕組みや意味を理解しているかどうかです。
間違えた人は、きっちり、テキストを読み込んでおきましょう。
1問:現金過不足・・・「ふつう」。
2問:改定のため削除
3問:固定資産売却・・・「ふつう」。
4問:固定資産税・・・「ふつう」。
5問:当座借越・・・「ふつう」。
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