第139回‐仕訳過去問(2015/2実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『貸倒れ』の仕訳。2015/2実施の第139回‐第1問の5問目。本問は、おなじみの論点で、本試験で本当によく出ます。貸倒の処理は100%できるようになっておきましょう。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第5問‐貸倒れ

 ◇問題◇

 5.前期の売上により生じた売掛金\300,000が貸し倒れた。なお、貸倒引当金の残額は\210,000である。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 普通に貸倒れの処理をするだけです。問題文を落ち着いて読んで解答しましょう。

 言うまでもありませんが…、

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者に焼肉のたれを塗るときの方です。

絶対注意事項

 貸倒の処理をする場合、問題文をしっかり読んでください。

 本問では、「前期の売上により生じた売掛金\300,000」と、「前期」という指定があります。

 んなもんで、計上されている「貸倒引当金」を充てることができるのです。

 対して、当期発生した売掛金には、既計上の貸倒引当金を充てることができません。前期は前期、当期は当期の理屈です。

 難化している簿記3級では、ここら辺が出ておかしくありません。しっかり、問題文を読んで、「前期」の債権かどうかを確かめてください。

ポイント‐貸倒引当金

 本問は前期の債権なので、貸倒引当金を取り崩す処理が可能です。

 貸倒額は\300,000で、既計上の貸倒引当金は\210,000なので、全額を取り崩すことになります。

 貸方に計上されている貸倒引当金を取り崩す(減らす)ので、仕訳は、負債の減少で…、

 借方:貸倒引当金 210,000

 …と相なります。

残額の処理

 貸倒引当金\210,000を取り崩しても、足りない分があります。

 「300,000-210,000」の「90,000」は、そっくり、「貸倒損失」で処理します。

 仕訳は、費用の増加なので…、

 借方:貸倒損失 90,000

 …と相なります。

売掛金の処理

 ダメになった売掛金\300,000を、減らします。

 仕訳は、資産の減少なので…、

 貸方:売掛金 300,000

 …と相なります。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 本問は、オーソドックスな、貸倒処理です。

 しかし、先述したように、卑しい出題者は、当期の債権を含めた問題を出す公算が大です。卑劣な問題に引っかからないようにして下さい。

 仕訳問題で貸倒に遭遇したときは、必ず「前期」とか「前期以降」といった文言を確かめて、貸倒引当金の処理に入ってください。


139回‐第1問:仕訳

 1問:手形振出の借入・・・「ふつう」。

 2問:固定資産の購入・・・「ふつう」。

 3問:修理・・・「ふつう」。

 4問:固定資産税・・・「やや難」。

 5問:貸倒れ・・・「ふつう」。

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