繰延税金資産(繰延税金負債)の仕分けに要する計算機・電卓操作は、ワンキーをはさむだけで、実に簡単にできます。重複入力と誤入力を劇的に回避できます。
繰延税金資産(繰延税金負債)の計算自体は、とても簡単です。実効税率を掛ける掛け算と引き算しかしません。
しかし、とはいえ、実際に計算機を打ち出すと、絶妙にめんどくさいものがあります。
たとえば、です。
その他有価証券の時価評価の結果、10,000円上がっていたとします。実効税率は40%とします。そうすると…
その他有価証券 10,000 | その他有価証券評価差額金 6,000 繰延税金負債 4,000 |
こんな風な、仕分けが切られることになります。
逆に、時価評価の結果、マイナス10000だった場合だと…
その他有価~差額金 6,000 繰延税金資産 4,000 |
その他有価証券 10,000 |
っとまあ、こんな風な仕分けが切られることになります。
読むだけなら、簡単なのです。
しかし、実際の数字を出そうと計算機・電卓を打つ算段となると、結構な手間を食うのであります。
上記の仕分けに必要な数字を計算機で普通に出そうとすると、以下のような操作をすることになります。
「10000」と入力します。
そして、実効税率の「40」と「%」を押して、繰延税金部分の「4000」を計算します。
次いで、当該「4000」をどこぞにメモします。
ほいで、再度「10000」を入力して「-」を押し、先ほどのメモを見つつ「4000」を入力。
最後は「=」キーで、「6000」を計算する、という塩梅であります。
メモリ機能を使うことも可能です。
「10000」と入力し、実効税率の「40」と「%」を押して、繰延税金部分の「4000」を計算します。
計算結果の「4000」を、「M+」キーを押してメモリに保存します。
そして、再度「10000」と入力し、「M-」を押し、計算機によっては「RM」か「MR」を押して、「6000」を算出します。
メモリ機能を使ったので、ちょびっとだけ楽になりましたが、それでもめんどくさいことには変わりがありません。
当該ページでは、「これ」を何とかしよう、という寸法です。
それでは、魔法のように簡単に、先ほどの計算を済ませてしまいましょう。
「10000」と入力し、実効税率の「40」と「%」を押して、繰延税金部分の「4000」を計算します。
ここまでは一緒です。次が、絶大に違います!!!
次に打つのは、「-」のみです。
そうすると、計算機の表示板には、なんと百分率の残りである60%分の「6000」が表示されていると思います。
そうなのです。「-」キーを1つ押すだけで、残りの計算機操作である「計算結果を元の大きな数から引き算する」のを「カット」できたという寸法です。
この操作は、魔法でも唐人手品でもなく、計算機には、「%」の計算をした後「-」を押すと、残りの百分率部分を自動的に計算する機能があるのでした。
2通りの人がいるように思います。
1つは、「すげえ」と感動して感嘆の言葉を吐いている人です。
もう1つは、「ふーん」で終わっている人です。
その気持ちはとてもわかりますが、それは例が「10000」なんていう、シンプルな数字だから、威力がピンと来ないのです。
評価差額が、たとえば「156,767,060」だったとしたらどうでしょうか。
「156,767,060」と入力するのが、まず第1の手間です。ほいで「40」「%」を掛けて出る「62,706,024」をどこぞにメモしないといけません。
ほいで、「156,767,060」から「62,706,024」を引き算して「94,059,036」を出すことになります。
まず間違いなく、打ち間違える人が続出することでしょう。
しかし、先の『「%」計算の後、「-」を打てば残りのパーセンテージが計算される機能』を使えば、打ち間違いのリスクを劇的に引き下げることができます。
メモする手間もかからないし、数字を重複して打たなくても済みます。
当該入力方法は、繰延税金資産(繰延税金負債)の計算のみならず、原価率の計算の一部、売価還元法の一部、原価計算の按分にも、使えます。
ホント、知っているだけで、かなり計算が楽になるので、ぜひとも使ってみてください。
なお、上記の操作方法は、カシオの「DF-120GT」での操作です。
シャープの「EL-339M」では、「10000」「40」「%」「-」の後に、「=」と押さないと、「6000」が計算されませんでした。
お使いの計算機の種類のよっては、操作方法が異なっていると思います。取扱説明書でご確認ください。
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