第138回‐仕訳過去問(2014/11実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『売上応用』の仕訳。2014/11実施の第138回‐第1問の4問目。本問は、売上の処理の応用問題です。言うなれば、本問は、「日本語」の問題です。仕訳そのものはカンタンですが、きっちり問題文の指示に従ってください。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第4問‐売上応用

 ◇問題◇

 4.長崎商店に商品\350,000を売り渡し、代金のうち\150,000は佐賀商店振り出し、同店受取の約束手形を裏書譲渡され、残額については掛にした。なお、運送会社に運賃\12,000を小切手で支払ったが、当店と長崎商店とで半額ずつ負担することになっていて、長崎商店の負担分は、売掛金勘定で処理する。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 仕訳そのものはカンタンですが、しかし、きちんと問題文の指示に従わないと行けません。

 きっちり、問題文の言うとおりに解答しましょう。ときおり、本問のような、暗記だけでは解けない問題も出ます。

 言うまでもありませんが…、

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者に香油を塗るときのほうです。

まずはざっくり

 みんなの嫌われ者の出題者が、こちゃこちゃ言っていますが、まずは無視して、ざっくり、大きなところから手を付けましょう。

 本問は、要は、物を売った、という塩梅です。んで、決済は、手形の裏書譲渡ですから、「受取手形」で処理し、残るを「売掛金」でアレ、という次第です。

 「売掛金」は、『なお書き』で出題者がクタクタいっているので「???」にします。んで、配偶者のような大雑把な仕訳を切ると…、

 借方:受取手形 150,000

 借方:売掛金 ???

 貸方:売上 350,000

 …と相なります。

細かいところの運賃

 大きな仕訳は切れたので、細かいところを見ていきましょう。

 さて、『なお書き』には、「運送会社に運賃\12,000を小切手で支払ったが、当店と長崎商店とで半額ずつ負担することになっていて、長崎商店の負担分は、売掛金勘定で処理する」とあります。

 まず、実際に、\12,000を小切手で支払っているので、この処理をします。

 んで、運賃の半分は、当方の負担です。半分とは、言うまでもなく、「12000/2」の「6,000」です。当該「6,000円」を、当方が負担することになります。

 使用勘定科目を見ると、「発送費」とあるので、運賃は当該科目で処理します。言うまでもなく、仕訳は、「費用の増加」に当たります。

 当該\6,000は、小切手で支払っているんで、仕訳は…、

 借方:発送費 6,000

 貸方:当座預金 12,000

 …と相なります。

 貸借が合わないので、気持ち悪いでしょうが、次に行きます。

運賃の残額処理

 次に、運賃の残額\6,000の処理です。

 『なお書き』には、「長崎商店の負担分は、売掛金勘定で処理する」とあります。この店はこうしているので、一介の経理職員は、そうするまでです。

 さて、「売掛金」ですが、先の“配偶者風大雑把な”仕訳を見てみます。

 借方:受取手形 150,000

 借方:売掛金 ???

 貸方:売上 350,000

 …との仕訳ですが、ここでの、「売掛金」の額を計算します。

 貸借差額で、「350000-150000」の「200,000」が、“一応の”売掛金の金額となります。

 問題文がヤイヤイ言っているのは、当該「200,000」に、運賃残額の「6,000」を加算せよ、という次第です。

 んなもんで、「200000+6000」の「206,000」が、最終的な「売掛金」の額となります。

仕訳のまとめ

 先の仕訳をまとめると…、

 借方:受取手形 150,000

 借方:売掛金 206,000

 借方:発送費 6,000

 貸方:売上 350,000

 貸方:当座預金 12,000

 …と相なります。

 貸借はそれぞれ「362,000」なので、合ってますね。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 本問は、1つ1つの処理はカンタンですが、きちんと、問題文の言うとおりに、処理しないと点になりません。

 補足です。

 運賃の負担がややこしいですが、運賃分を、このように考えるといいでしょう。

 つまり…、

 借方:売掛金 6,000

 借方:発送費 6,000

 貸方:当座預金 12,000

 …ってな寸法です。

 んで、最初に切った大雑把な仕訳の…、

 借方:受取手形 150,000

 借方:売掛金 200,000

 貸方:売上 350,000

 …と合体させます。

 そうすっと、増長ですが…、

 借方:受取手形 150,000

 借方:売掛金 200,000

 借方:売掛金 6,000

 借方:発送費 6,000

 貸方:売上 350,000

 貸方:当座預金 12,000

 …と相なります。

 「売掛金」がダブってますから、両者を足して、「206,000」にする、といった次第です。


138回‐第1問:仕訳

 1問:改定のため削除

 2問:固定資産の売却・・・「ふつう」。

 3問:手形割引・・・「ふつう」。

 4問:売上応用・・・「ふつう」。

 5問:商品券・・・「ふつう」。

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