本問は『手付金』の仕訳。2012/11実施の第132回‐第1問の5問目。本問は、「手付金」の応用問題です。「内容不明の入金」が判明したときの処理を行うのと、手付金の処理が問われています。ド定番です。きっちり物にしておきましょう。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。
◇問題◇
5.出張中の店員から当座預金口座に振込みがあった\60,000は、その詳細が不明であったが、本日、得意先鎌倉商店からの商品代金の手付金であることが判明した。
◇勘定科目群◇
結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
応用問題です。「内容不明の入金」と「手付金」の処理が、くんずほぐれつです。問題文を落ち着いて読んで、1つ1つ、処理していきましょう。
言うまでもありませんが…、
「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。
「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者にオイスターソースを塗るときの方です。
問題文には、「当座預金口座に振込みがあった\60,000は、その詳細が不明であった」とあります。
本問のような、内容不明の入金は、「仮受金」で処理します。つまり、「入金された\60,000は、仮受金で計上した」ってな塩梅です。
当座預金に入金があったわけですから、資産の増加の仕訳です。相手方勘定は「仮受金」で処理するので、仕訳は…、
借方:当座預金 60,000
貸方:仮受金 60,000
…といった体の仕訳が、「問題の前提として切られている」、つまりは、「当該\60,000が「仮受金」で、既に、貸方に、計上されている」、といった次第です。
貸方に計上されている「仮受金」は、その使途なり用途なり適用なりが判明したら、その分だけ、取り崩します。
「仮受金」は、貸方に計上されているので、判明した分を、借方のほうで仕訳を切る、ってな寸法です。
問題文には、「商品代金の手付金であることが判明」とあります。
「商品代金の手付金」は、ご存知のように、「前受金」で処理します。
当該「前受金」は、お店の帳簿に未記帳ですから、仕訳を切らなくてはなりません。
「前受金」は、お金を受け取ったときの相手方勘定なので、「貸方」に計上されます。
「現金 ○○ / 前受金 ○○」ってな寸法です。
んで、先述したように、「仮受金」の内容が判明したら、その分を取り崩すことになります。
「仮受金」は、貸方に計上されているので、判明した分を、借方のほうで仕訳を切る、ってな寸法です。
判明した金額は\60,000です。仕訳を切ると…、
借方:仮受金 60,000
貸方:前受金 60,000
…と相なります。
本問が???な人は、「本来あるべき仕訳」から、アプローチします。
本問は、単に、「前受金」を受け取って「当座預金」に振り込んだだけなのです。
要は、「当座預金 6万/前受金 6万」だけの話なのです。
しかし、お店の方では「前受金」であることがわからないので、“とりあえず”「仮受金」で処理した、ってな寸法です。仕訳は…、
「当座預金 6万/仮受金 6万」
…です。
んで、「前受金」と判明したので、「仮受金」を消すってな次第で、仕訳は…、
「仮受金 6万/前受金 6万」
…と相なる次第です。
当該2つの仕訳を並べます。
「当座預金 6万/仮受金 6万」
「仮受金 6万/前受金 6万」
重複している「仮受金」を、相殺消去すると…、
あるべき「当座預金 6万/前受金 6万」の仕訳となります。
難しく考えないで、「本来あるべき仕訳」を元に、考えてみてください。
答えは…、
…です。
一口コメントです。
「ほにゃらら金」が乱舞するので、混乱しがちです。
1つ1つの処理を落ち着いてみていけば大丈夫なので、冷静に解答してみてください。
1問:貸付金・・・「ふつう」。
2問:固定資産売却・・・「ふつう」。
3問:固定資産購入・・・「ふつう」。
4問:返品・・・「ふつう」。
5問:手付金・・・「ふつう」。
簿記3級は格段に難化しているので、本格教材を使うのが一番、無難です。
詳細は「教材レビュー」で述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、
テキストは「合格テキスト 日商簿記3級」で…、
問題集は「合格トレーニング 日商簿記3級」で…、
過去問は「合格するための過去問題集 日商簿記3級」で揃えば、独学に支障ありません。どれも『ド定番教材』です。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、現在わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。全く支障ありません。
簿記3級の中で異色のメンドクサさを誇るのが為替手形です。当該論点についてはブログの方にまとめているので、「ブログ:簿記3級-為替手形」を参考ください。
仕訳問題は、「簿記3級の仕訳問題」を参考ください。
そのほか、簿記3級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。
また、電卓の打ち方についてを、「簿記のコツ-それは計算機」や「計算機打ち方例」で述べてます。お目汚しください
「検算のコツ」を知っておくと、計算ミスを結構防げます。
なお、お手持ちの電卓が、試験で使えるかどうか不安な方は、「簿記の電卓」を参考ください。
また、簿記3級の求人数等を、「簿記3級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。
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