第130回‐仕訳過去問(2012/2実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『手形割引』の仕訳。2012/2実施の第130回‐第1問の5問目。本問は、手形を銀行で割り引いた際の処理を問うています。知らなければ解けない、一種の知識問題です。手形割引時の処理は“決まっている”ので、憶えるだけです。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第5問‐手形割引

 ◇問題◇

 5.神田商店は、得意先品川商店より受領した約束手形\438,000を取引銀行で割引き、利息相当額を差し引かれ、残額は当座預金とした。年利率は3%、割引き日数は80日分であった。なお、1年は365日とする。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 おなじみド定番論点「手形割引」です。本当によく出るので、100%できるようになっておきましょう。

 言うまでもありませんが…、

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者にポンカンアメをあげるときの方です。

処理そのものはカンタン

 要は、「手形割引時」の処理です。

 本問のように、「手形を割り引いた」ときに差し引かれる、「利息相当額」は、「手形売却損」で仕訳を切ります。

 知ってないと解けないので、使う勘定科目を暗記してください。「割引時」にかかる費用は、「手形売却損」と、何度もブツブツ唱えて、配偶者から白い目で見られてください。

 なお、問題によっては、本問の「利息相当額」という文言ではなく、「割引料」と表記されることもあります。

 当該「割引料」の場合も、同じ「手形売却損」で処理します。

利息相当額の計算

 問題文には、「年利率は3%、割引き日数は80日分であった。なお、1年は365日とする」とあります。

 そのまんま、算数をするだけです。元本は\438,000なので、「438000*0.03*80/365」の「2,880」が、利息相当額となります。

 先述したように、「手形売却損」で仕訳を切ります。費用の増加なので、仕訳は…、

 借方:手形売却損 2,880

 …と相なります。

 なお、「3%」を電卓で打つときは、「0.03」と打つよりも、「3」「%」と入力するほうが早いので、お試しください。

入金額

 「当座預金」には、先の「手形売却損」の\2,880が引かれた額が振り込まれます。

 「438,000-2,880」の「435,120」が入金額です。

 資産の増加なので、仕訳は…、

 借方:当座預金 435,120

 …と相なります。

手形

 問題文には、「約束手形\438,000を取引銀行で割引き」とあるので、さっくり「受取手形」を減らす処理をするだけです。

 資産の減少なので、仕訳は…、

 貸方:受取手形 438,000

 …と相なります。

仕訳の合体

 先の仕訳を合体したら答えとなります。

 借方:当座預金 435,120

 借方:手形売却損 2,880

 貸方:受取手形 438,000

 これが答えの仕訳です。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 本問の手形割引は、ド定番論点です。必ず解けるようになっておきましょう。

 手形割引時は、「手形売却損」を使用することを、絶対に忘れないでください。

 当該「手形売却損」は、建設業経理士2級とかでも、ド頻出の論点です。


130回‐第1問:仕訳

 1問:内容不明入金・・・「ふつう」。

 2問:仕入応用・・・「ふつう」。

 3問:賃金支払・・・「ふつう」。

 4問:売掛金回収応用・・・「やや難」。

 5問:手形割引・・・「ふつう」。

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