次亜塩素酸ナトリウム‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 次亜塩素酸ナトリウムは、「公衆衛生用薬」の「消毒薬の成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

インデックス

  1. おさらい‐手引き抜粋
  2. 傾向と対策、優先順位
  3. 過去問○×問題
  4. 解説
  5. 試験ポイント
  6. 他のページ

おさらい‐手引き抜粋

 復習用に、手引きを抜粋すると…、

 「次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などの塩素系殺菌消毒成分は、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、」

 「皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。」

 「金属腐食性があるとともに、プラスチックやゴム製品を劣化させる。」

 「また、漂白作用があり、毛、絹、ナイロン、アセテート、ポリウレタン、色・柄物等には使用を避ける必要がある。」

 「酸性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するため、混ざらないように注意する必要がある。」

 「なお、吐瀉物や血液等が床等にこぼれたときの殺菌消毒にも適しているが、有機物の影響を受けやすいので、殺菌消毒の対象物を洗浄した後に使用した方が効果的である。」

 …と、相なります。

 太文字部分は、出題実績があるので、ぜんぶ押えておきましょう。

 なお、当該「次亜塩素酸ナトリウム」は、「“塩素”系殺菌消毒成分」です。

 ごくまれに、「ひっかけ」問題で、「“有機塩素”系殺菌消毒成分」で出題されることがあるので、注意してください。

 参考:香川県 R4 午後第37問・・・選択肢c

傾向と対策、優先順位

 ご存じのように、「次亜塩素酸ナトリウム」は、「公衆衛生用薬」の「消毒薬」に登場します。

 市販薬には、「塩素12%(次亜塩素酸ナトリウム)20kg 除菌・漂白剤 食品添加物 [02] NICHIGA(ニチガ) 」などがあります。

 当該成分は、かなり試験に顔を見せます。優先順位は「とても高い」です。

過去問○×問題

 次亜塩素酸ナトリウムは…、

 ① 次亜塩素酸ナトリウムには、金属腐食性がある。

 ② 次亜塩素酸ナトリウムは、アルカリ性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するため、混ざらないように注意する必要がある。

 ③ 次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。

 ④ 次亜塩素酸ナトリウムは、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示す。

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

 ③の正誤はこちらです。

 ④の正誤はこちらです。

解説

 先の○×問題の解説です。

 ①の「次亜塩素酸ナトリウムには、金属腐食性がある。」ですが、正しい記述です。

 まさに、そのとおりです。

 よって、①は、「○」となります。

 他の問題でも出ていますが、金属ですら腐食するから、「人体の消毒には用いない」のであります。

 また、次亜塩素酸ナトリウムは、プラスチック製品・ゴム製品を劣化させるので、併せて憶えておきましょう。

 ところで、次亜塩素酸ナトリウムですが、飲食店にお勤め等の方は、おなじみの「消毒薬」かと思います。まな板や包丁等の道具類を、これを使って殺菌消毒してます。

②は、よくあるひっかけ

 ②の「次亜塩素酸ナトリウムは、アルカリ性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するため、混ざらないように注意する必要がある」ですが、誤った記述です。

 登録販売者試験によくある「ひっかけ」問題です。

 間違っているのは、「アルカリ性」のところです。

 正しくは、「酸性」です。

 次亜塩素酸ナトリウムは、酸性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスを発生させます。

 よって、②は、「×」となります。

 テキストにて、酸性・アルカリ性・中性という語句に遭遇するたびに、本問のような出題を想定してください。

③は、定番

 ③の「次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない」ですが、正しい記述です。

 先述したように、金属ですら腐食するものを、人体に使うのは不適切です。

 よって、③は、「○」となります。

 なお、当該「次亜塩素酸ナトリウム」ですが、「専ら器具、設備等の殺菌・消毒に用いられる成分」に分類されているので、押えておきましょう。

 ところで、次亜塩素酸ナトリウムは、キッチンハイター等の漂白剤に配合されています。

 漂白剤を皮膚に塗ろうとは思わないはずです。

④もよく出る

 ④の「次亜塩素酸ナトリウムは、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示す」ですが、正しい記述です。

 後述するように、次亜塩素酸ナトリウムは、数少ない、ウイルスに効く成分です。

 よって、④は、「○」となります。

試験ポイント1

 最近では、「使用上の注意」がよくよく出るようになっています。

 先に挙げた…、

 「なお、吐瀉物や血液等が床等にこぼれたときの殺菌消毒にも適しているが、有機物の影響を受けやすいので、殺菌消毒の対象物を洗浄した後に使用した方が効果的である。」

 …も、出題実績のあるところなので、チェックしておきましょう。

試験ポイント2

 消毒薬は、「何に効いて、何に効かない」かが、ド定番論点です。個々をしっかり憶えていく必要があります。

 しかし、結構、量があるので、全部を押えるのは面倒です。んなもんで、まずは、「ウイルス」に絞って憶えます。

 ウイルスに、殺菌消毒効果があるのは、「エタノール」「イソプロパノール」「次亜塩素酸ナトリウム」「サラシ粉」です。

 また、公衆衛生用薬では出てきませんが、ついでに、「外皮用薬」に出てくるのも、一緒に押えてしまいましょう。

 「外皮用薬」の「ヨウ素系殺菌消毒成分」の「ポビドンヨード」と「ヨードチンキ」は、ウイルスに対し、殺菌消毒作用を示します。

 「エタノール」「イソプロパノール」「次亜塩素酸ナトリウム」「サラシ粉」「ポビドンヨード」と「ヨードチンキ」は、ウイルスに効きます。

 んなもんで、試験にて、「○○はウイルスに効く」などの選択肢と遭遇したら、先の6つの成分に該当するか否かで判断する、ってな塩梅です。

 この6つを憶えておけば、そこそこ、選択肢の判別ができるはずです。

 憶え方あります。「殺菌消毒成分等でウイルスに効くものの語呂合わせとまとめ」を、参考にしてください。

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「塩素12%(次亜塩素酸ナトリウム)20kg 除菌・漂白剤 食品添加物 [02] NICHIGA(ニチガ) 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「公衆衛生用薬」の「消毒薬の成分」へのリンクです。

 クレゾール石鹸液

 エタノール

 イソプロパノール

 クロルヘキシジングルコン酸塩

 次亜塩素酸ナトリウム

 サラシ粉

 ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム

 トリクロロイソシアヌル酸

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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