プソイドエフェドリン塩酸塩は、「内服アレルギー用薬」の「アドレナリン作動成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「アドレナリン作動成分」
「鼻炎用内服薬では、交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることによって鼻粘膜 の充血や腫れを和らげることを目的として、」
「プソイドエフェドリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が配合されている場合がある。」
「内服薬として摂取されたアドレナリン作動成分は、吸収されて循環血流に入り全身的に作用する。」
「プソイドエフェドリン塩酸塩については、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用として不眠や神経過敏が現れることがある。」
「また、交感神経系に対する刺激作用によって心臓血管系や肝臓でのエネルギー代謝等への影響も生じやすく、」
「心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難 の症状がある人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要がある。」
「自律神経系を介した副作用として、めまいや頭痛、排尿困難が現れることがある。」
「パーキンソン病の治療のため医療機関でセレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素阻 害剤が処方されて治療を受けている人が、プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された鼻炎用 内服薬を使用した場合、体内でのプソイドエフェドリンの代謝が妨げられて、副作用が現れ やすくなるおそれが高く、使用を避ける必要がある。」
「一般用医薬品の販売に従事する専門家においては、プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された鼻炎用内服薬の購入者等に対して、その医薬品を使用しようとする人がモノアミン酸化酵素阻害剤で治療を受けている可能性が ある場合には、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に事前に確認するよ う説明がなされることが重要である。」
「なお、プソイドエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩については、依存性がある成分であり、長期間にわたって連用された場合、薬物依存につながるおそれがある。」
…と、相なります。
ご存じのように、「プソイドエフェドリン塩酸塩」は、「内服アレルギー用薬」の「アドレナリン作動成分」として登場します。
市販薬には、「鼻炎薬A「クニヒロ」 48錠 」などがあります。
「プソイドエフェドリン塩酸塩」は、独自論点(使用上の注意)がてんこ盛りなので、最も注意を要する成分です。
「鹿児島県 R4 第84問」や「東京都 R2 第83問」、「岡山県 R2 第89問」など、出題実績が多数あります。
つーか、ほぼ毎回、問われると想定しておくべき成分です。
また、「法規」でも登場します。
そして、「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。
優先順位は、「とても、高い」です。
何度もテキストに当たっておきましょう。
プソイドエフェドリン塩酸塩は…、
① プソイドエフェドリン塩酸塩は、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強い。
② プソイドエフェドリン塩酸塩 - 副作用:不眠、神経過敏
③ プソイドエフェドリン塩酸塩は、皮膚や粘膜の健康維持・回復に重要なビタミンを補給することを目的に配合される。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「プソイドエフェドリン塩酸塩は、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強い」ですが、正しい記述です。
そのとおりの記述です。
そのため、プソイドエフェドリン塩酸塩は、依存性があり、長期連用すると、薬物依存に繋がる恐れがあります。
ド定番の論点なので、ガチで押えておきましょう。
よって、①は、「○」となります。
②の「プソイドエフェドリン塩酸塩 - 副作用:不眠、神経過敏」ですが、正しい記述です。
先の手引きには…、
「プソイドエフェドリン塩酸塩については、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用として不眠や神経過敏が現れることがある。」
…とあります。
よって、②は、「○」となります。
当該プソイドエフェドリンですが、いろいろな論点やキーワードがあるため、本問のような“素朴”な副作用が盲点となります。
出題実績のあるところなので、確実に押えておきましょう。
また、そのほかの副作用として…、
「自律神経系を介した副作用として、めまいや頭痛、排尿困難が現れることがある。」
…も、あります。
併せて、押えておきましょう。
このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、「プソイドエフェドリン塩酸塩の副作用‐不眠・神経過敏・めまい・頭痛・排尿困難」と、憶え直してください。
よって、②は、「○」となります。
③の「プソイドエフェドリン塩酸塩は、皮膚や粘膜の健康維持・回復に重要なビタミンを補給することを目的に配合される」ですが、誤った記述です。
噴飯ものの誤りです。
「皮膚や粘膜の健康維持・回復に重要なビタミンを補給する」は、ビタミン成分の説明です。
プソイドエフェドリン塩酸塩は、「アドレナリン作動成分」であり、交感神経を刺激して美粘膜の血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血と腫れを和らげる作用があります。
よって、③は、「×」となります。
プソイドエフェドリン塩酸塩の超重要ポイントに、「適正使用」の「使用しない・使用を避ける」があります。
プソイドエフェドリン塩酸塩は、登録販売者に出てくる成分の中で、最も「使用を避ける」が多い成分です。
以下はガチ暗記です。
心臓病の診断を受けた人…徐脈または頻脈を引き起こし、心臓病を悪化させるおそれがあるので、使用を避けます。
高血圧の診断を受けた人…血圧が上がるため、高血圧を悪化させるおそれがあるので、使用を避けます。
糖尿病の診断を受けた人…血糖値が上がるため、糖尿病を悪化させるおそれがあるので、使用を避けます。
甲状腺機能障害の診断を受けた人…症状を悪化させるおそれがあるので、使用を避けます。
前立腺肥大による排尿困難の診断を受けた人…交換刺激を刺激するため、尿閉・尿の貯留を生じるおそれがあるので、使用を避けます。
このように、「使用を避ける」がたくさんあるので、テキストを10回以上、読んでおきましょう。
以下は、ややこしいので、時間をかけて憶えていってください。(深追いは、無用です。)
プソイドエフェドリン塩酸塩ですが、「医薬品」のところでは…、
「パーキンソン病の治療のため医療機関でセレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素阻 害剤が処方されて治療を受けている人が、プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された鼻炎用 内服薬を使用した場合、体内でのプソイドエフェドリンの代謝が妨げられて、副作用が現れ やすくなるおそれが高く、使用を避ける必要がある。」
…とあるのです。
これに対して、「適正使用」では、「相談すること」になっていて…、
「モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩など)で治療を受けている人は、医師などに相談します。」
「モノアミン酸化酵素阻害剤が、プソイドエフェドリン塩酸塩の代謝を妨げるため、副作用が現れやすくなるため。」
…となっています。
こんな次第で、「医薬品」だと「使用を避ける」という表現なのに、「適正使用」だと「相談すること」となっている、ってな塩梅です。
両方とも、試験に出るので、深追いは無用ですが、キーワードの「プソイドエフェドリン塩酸塩・・・モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩など)」は、押えておきましょう。
試験的なことを言うと、「モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩など)」は、ガチ暗記はしなくていいです。
(プソイドエフェドリンには、小難しいカタカナ語句が禁忌にあったなー)くらいに、認識していれば、問題を解く分には、有効かと思います。
プソイドエフェドリン塩酸塩には、「依存性」があります。
プソイドエフェドリン塩酸塩は、厚生労働大臣が指定する、「濫用の恐れのある医薬品」となっています。
「法規」で出るので、ガチ暗記です。
「適正使用」対策です。
プソイドエフェドリン塩酸塩は、「塩酸フェニルプロパミールアミン(PPA)」の切り替え成分になっています。
とういうのも、先の塩酸フェニルプロパミールアミン(PPA)は、出血性脳卒中のリスクが高いと、米国で報告されたためで、また、国内でも、一般用医薬品による脳出血の副作用が複数報告されたからです。
当該「塩酸フェニルプロパミールアミン(PPA)」と「プソイドエフェドリン塩酸塩」は、「適正使用」でガチで出るので、注意してください。
先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。
「プソイドエフェドリン塩酸塩」ですが、「使用(服用)しない」の論点が一番多いです。
最も、警戒すべき成分です。
すべての論点を押えておきましょう。
まずは、「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人」です。
先の人は、プソイドエフェドリン塩酸塩の入った鼻炎用内服薬を、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「アレルギー症状の既往歴のある人が再度使用した場合、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群)等の重篤なアレルギー性の副作用を生じる危険性が高まるため。」です。
重大な副作用が起きる可能性があるので、出題される可能性が「大」です。チェックしておきましょう。
なお、試験の傾向的に、「鼻炎用内服薬」のところは問われないと思うので、ガチ暗記は無用だと思います。
シンプルに、「プソイドエフェドリン・・・アレルギーが出た人ダメ」くらいに、憶えておきましょう。
参考:アレルギー症状
次に、「前立腺肥大による排尿困難」です。
これに該当する人は、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「交感神経刺激作用により、尿の貯留・尿閉を生じるおそれがあるため。」です。
「医薬品」でも出るので、押えておきましょう。
参考:次の症状がある人
次に、「心臓病」です。
これに該当する人は、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「徐脈又は頻脈を引き起こし、心臓病の症状を悪化させるおそれがあるため」です。
キーワードの「徐脈・頻脈」も、押えておきましょう。
参考:基礎疾患
次に、「高血圧」です。
これに該当する人は、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「交感神経興奮作用により血圧を上昇させ、高血圧を悪化させるおそれがあるため」です。
キーワードの「交感神経」は、押えておきましょう。
また、「高血圧」でダメなのは、当該プソイドエフェドリンのみなので、問題文に「高血圧」とあれば、即、プソイドエフェドリンを選びましょう。
参考:基礎疾患
次に、「甲状腺機能障害」です。
これに該当する人は、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「甲状腺機能亢進症の主症状は、交感神経系の緊張等によってもたらされおり、交感神経系を興奮させる成分は、症状を悪化させるおそれがあるため。」です。
先も述べたように、キーワードの「交感神経」は、要チェックです。
んで、先の高血圧同様、「甲状腺機能障害」でダメなのは、当該プソイドエフェドリンのみです。きっちり憶えてしまってください。
参考:基礎疾患
次に、「糖尿病」です。
これに該当する人は、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「肝臓でグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させる作用があり、糖尿病を悪化させるおそれがあるため」です。
これまた、先の2つと同様に、「糖尿病」でダメなのは、当該プソイドエフェドリンのみです。
「糖尿病ダメ・・・プソイドエフェドリンだけ」と、意識して憶えましょう。
参考:基礎疾患
次に、「授乳中の人」です。
授乳中の人は、「使用(服用)しない」となっています。
「理由」は、「乳汁中に成分が移行するから」です。
「医薬品」でも出るので、押えておきましょう。
参考:女性系
「プソイドエフェドリン塩酸塩」の「相談すること」ですが、頻出の成分なので、押さえておきましょう。
次に、「高齢者」です。
高齢者は、「相談すること」となっています。
「理由」は、「心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいため」です。
念のため、押えておきましょう。
参考:高齢者
次に、「腎臓病」です。
これに該当する人は、「相談すること」となっています。
「理由」は、「腎臓における排泄が円滑に行われず、副作用が現れやすくなるため。」です。
「医薬品」でも出るので、押えておきましょう。
参考:基礎疾患2
次に、「「モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)で治療を受けている人」」です。
これに該当する人は、「相談すること」となっています。
「理由」は、「モノアミン酸化酵素阻害剤との相互作用によって、血圧を上昇させるおそれがあるため。」です。
モノアミンやセレギリンうんぬんの難しい語句は、暗記無用ですが、一応、頭に残しておきましょう。
参考:基礎疾患3
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「鼻炎薬A「クニヒロ」 48錠 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「内服アレルギー用薬」の他の「アドレナリン作動成分」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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