登録販売者:呼吸器官に作用する薬 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬) 受診勧奨等

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の第2章「呼吸器官に作用する薬」の「咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)」の「受診勧奨等」を述べたページ。手引きの該当記述を挙げるほか、優先順位やポイントなどをコメント方式で説述する。独学者向けの内容。

インデックス

  1. 手引き抜粋‐受診勧奨等
  2. コメント・ポイント
  3. 成分以外へのリンク
  4. カタカナ成分へのリンク

手引き抜粋‐受診勧奨等

 復習用に、手引きの【受診勧奨等】部分を抜粋すると…、

 【受診勧奨等

 「鎮咳去痰薬に解熱成分は配合されておらず、発熱を鎮める効果は期待できない。」

 「発熱を伴うときは、呼吸器に細菌やウイルス等の感染を生じている可能性がある。発熱を伴う場合における受診勧奨に関する出題については、Ⅰ-1(かぜ薬)を参照して作成のこと。」

 「咳がひどく痰に線状の血が混じることがある、又は黄色や緑色の膿性の痰を伴うような場合には、一般用医薬品の使用によって対処を図るのでなく、早めに医療機関を受診することが望ましい。」

 「痰を伴わない乾いた咳が続く場合には、間質性肺炎等の初期症状である可能性があり、また、その原因が医薬品の副作用によるものであることもある。」

 「咳や痰、息切れ等の症状が長期間にわたっている場合には、慢性気管支炎や肺気腫(※1)などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性があり、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。」

 「喫煙(当人の喫煙だけでなく、生活環境に喫煙者がいる場合の受動喫煙を含む。)は、咳や痰などの呼吸器症状を遷延化・慢性化させ、COPDのリスク要因の一つとして指摘されており、喫煙に伴う症状のため鎮咳去痰薬を漫然と長期間にわたって使用することは適当でない。」

 「喘息については、気管支粘膜の炎症が慢性化していると、一般用医薬品の鎮咳去痰薬で一時的に症状を抑えることができたとしても、しばらくすると発作が繰り返し現れる。」

 「喘息発作が重積すると生命に関わる呼吸困難につながることもあり、一般用医薬品の使用によって対処を図るのでなく、早期に医療機関での診療を受けるなどの対応が必要である。」

 「なお、ジヒドロコデインリン酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩等の反復摂取によって依存を生じている場合は、自己努力のみで依存からの離脱を図ることは困難であり、薬物依存は医療機関での診療が必要な病気である。」

 「医薬品を本来の目的以外の意図で使用する不適正な使用、又はその疑いがある場合における対応に関する出題については、第1章 Ⅱ-2)(不適正な使用と副作用)を参照して作成のこと。」

補足‐参照規定1

 「発熱を伴う場合における受診勧奨に関する出題については、Ⅰ-1(かぜ薬)を参照して作成のこと。」とあります。

 忘れかけている方は、「かぜ薬:受診勧奨等」を、参考にしてください。

補足‐参照規定2

 「医薬品を本来の目的以外の意図で使用する不適正な使用、又はその疑いがある場合における対応に関する出題については、第1章 Ⅱ-2)(不適正な使用と副作用)を参照」とあります。

 内容に不安のある方は、「不適正な使用と副作用 全記述」を、一読願います。

注記‐(※1)

 注記:肺気腫

 「何らかの原因によって次第に肺胞が壊れて、呼吸機能が低下する病気。」

 登録販売者は、医者ではないので、ざっくり読んでおけばいいでしょう。

コメント・ポイント

 「咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)」の「受診勧奨」ですが、まあまあ重要なところです。

 しかし、内容的には、他の「受診勧奨」とよく似た趣旨です。

 つまり、「長期連用ダメ」、「漫然使用ダメ」、「症状が長期間続く・・・一般用医薬品ダメ」といった次第です。

 最低限度、上記のところは、チェックしておきましょう。

 次に、薬の限界を示した…、

 「鎮咳去痰薬に解熱成分は配合されておらず、発熱を鎮める効果は期待できない。」

 …は、見ておくべきです。「大分県 R5 第69問」のような出題実績があります。

 また、ここは、問題を作りやすいです。

 たとえば、「鎮咳去痰薬には、解熱成分がされており、発熱にも使用できる」とかです。「×」です。チェックしておきましょう。

 最後に、超重要論点の「薬物依存」です。「ジヒドロコデインリン酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩」の枕詞になっているくらいです。

 「自己努力のみで依存からの離脱を図ることは困難であり、薬物依存は医療機関での診療が必要」の記述ともども、正確に押えておきましょう。

 なお、本文中の「慢性気管支炎や肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)」といった、小難しい語句は、無理に憶える必要はありません。ざっくり認識できていればいいでしょう。

 「受診勧奨等」は、以上で終わります。

成分以外へのリンク

インデックス

総論・前文

代表的な配合成分、主な副作用

相互作用

受診勧奨等

カタカナ成分へのリンク

麻薬性鎮咳成分

 コデインリン酸塩

 ジヒドロコデインリン酸塩

非麻薬性鎮咳成分

 ノスカピン

 ノスカピン塩酸塩

 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物

 チペピジンヒベンズ酸塩

 チペピジンクエン酸塩

 ジメモルファンリン酸塩

 クロペラスチン塩酸塩

 クロペラスチンフェンジゾ酸塩

 フェノールフタリン酸デキストロメトルファン

アドレナリン作動成分

 メチルエフェドリン塩酸塩

 メチルエフェドリンサッカリン塩

 トリメトキノール塩酸塩

 メトキシフェナミン塩酸塩

キサンチン成分

 ジプロフィリン

去痰成分

 グアイフェネシン

 グアヤコールスルホン酸カリウム

 クレゾールスルホン酸カリウム

 エチルシステイン塩酸塩

 メチルシステイン塩酸塩

 カルボシステイン

 ブロムヘキシン塩酸塩

抗炎症成分

 トラネキサム酸

 グリチルリチン酸二カリウム

抗ヒスタミン成分

 クロルフェニラミンマレイン酸塩

 クレマスチンフマル酸塩

 カルビノキサミンマレイン酸塩

殺菌消毒成分

 セチルピリジニウム塩化物

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

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