危険物取扱者 甲種の公式過去問の第23問目の解説。第23問は、「純度」を問う問題です。文系にとっては、実に骨の折れる問題です。解けなくて仕方がないので、復習だけはしておきましょう。理系の人なら、まあ、大丈夫です。
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本問のレベルは「難」です。
本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。
「純度」の問題です。理系なら解けます。
しかし、文系なら、『捨て問』の筆頭となる難問です。
まず、文系にとっては、「炭化カルシウム」と「アセチレン」の分子式がわかりません。
んなもんで、最初の問題文を読んだ段階で、お手上げになります。
次に、反応式の計算があり、んで、mol計算があり、次に、そこからの純度の推定があり、十重二十重の文系包囲網となっています。
んなもんで、文系の人は、『捨て問』にして、他の問題に血眼になってください。
なお、勉強すれば、文系でも、解けなくはありません。
このレベルの問題が解けるようになっていたら、穏当に、本試験でも「物化」で合格点は取れるはずです。
実力の考査に解いてみてください。
「炭化カルシウム」は、「CaC2」です。
「アセチレン」は、「C2H2」です。
炭化カルシウムに水を入れた際の反応式?は…、
CaC2 + 2H2O → C2H2 + Ca(OH)2
…と相なります。
つまり、1molの炭化カルシウムに2molの水を入れると、1molのアセチレンができる、といった次第です。
さて、設問には、「アセチレンガスの量は、標準状態で30リットル」とあります。
当該30リットルですが、これが何molかを求めます。
1mol=22.4リットルですから…、
30/22.4
…で、約「1.34mol」であることがわかりました。
炭化カルシウムは、「CaC2」です。
問題文の但し書きには、「原子量はCa=40、H=1、C=12とする」とあります。
んなもんで…、
40+12+12
…の「64」となります。
つまり、炭化カルシウムは、「1mol=64g」になる、ってな次第です。
さて、おさらいです。
反応式は…、
CaC2 + 2H2O → C2H2 + Ca(OH)2
…でした。
つまり、1molの炭化カルシウムから、1molのアセチレンができるわけです。
んなもんで、アセチレンが「1.34mol」できているということは、炭化カルシウムも「1.34mol」分がある、ってなことになります。
炭化カルシウムは、「1mol=64g」でしたから、これに、「1.34」をかけるってな次第で…、
64*1.34
…の「85.76」となります。
つまり、1.34molの炭化カルシウムは、85.76gになる、ってな塩梅です。
さて、設問には、「不純物を含む炭化カルシウム100g」とあります。
アセチレンを1.34mol分を発生させるには、炭化カルシウムが1.34mol分の85.76gあればいいのです。
しかし、本問のケースでは、不純物を含んでいるので、「100g」も必要だったわけです。
で、問題では、純度を求めています。これは、単純に割り算すればいいだけで…、
85.76/100
…の「0.8576…」となります。
後は、選択肢から、近い数字を探すだけです。ご苦労様でした。
本問は、「純度として最も近いものはどれか?」の問題です。
よって…、
正解:5
…と相なります。
本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。
通勤・通学中にどうぞ。
1問:各類性質・・・「ふつう」。
2問:指定数量・・・「ふつう」。
3問:予防規定・・・「ふつう」。
4問:保有空地の幅・・・「ふつう」。
5問:消火器・・・「ふつう」。
6問:屋外タンク貯蔵所 防油堤・・・「ふつう」。
7問:給油取扱所の給油空地・・・「ふつう」。
8問:仮使用・・・「ふつう」。
9問:監督処分・・・「ふつう」。
10問:免状の記載内容・・・「やや難」。
11問:保安講習・・・「ふつう」。
12問:移動タンク貯蔵所・・・「ふつう」。
13問:貯蔵取扱・・・「ふつう」。
14問:定期点検・・・「ふつう」。
15問:運搬・・・「ふつう」。
16問:燃焼形態・・・「ふつう」。
17問:メタノール燃焼・・・「難」。
18問:燃焼・・・「ふつう」。
19問:帯電防止策・・・「ふつう」。
20問:二酸化炭素消火剤・・・「ふつう」。
21問:混合物・・・「ふつう」。
22問:起電力・・・「ふつう」。
23問:炭化カルシウム純度・・・「難」。
24問:芳香族化合物・・・「ふつう」。
25問:全圧・・・「ふつう」。
26問:性状・・・「ふつう」。
27問:第2類危険物・・・「ふつう」。
28問:危険物の性状・・・「ふつう」。
29問:5類危険物の貯蔵取扱・・・「ふつう」。
30問:保護液貯蔵・・・「ふつう」。
31問:3類消火・・・「ふつう」。
32問:鉄粉火災・・・「ふつう」。
33問:1類性状・・・「ふつう」。
34問:硝酸アンモニウム・・・「ふつう」。
35問:リン化カルシウム・・・「ふつう」。
36問:黄りん・・・「ふつう」。
37問:5類性状・・・「ふつう」。
38問:過酸化ベンゾイル・・・「ふつう」。
39問:硫黄・・・「ふつう」。
40問:有害気体・・・「ふつう」。
41問:アセトアルデヒド・・・「ふつう」。
42問:アニリン・・・「ふつう」。
43問:硝酸・・・「ふつう」。
44問:三フッ化臭素・・・「ふつう」。
45問:過酸化ナトリウム・・・「ふつう」。
まず、「理系」からです。
テキストは「 わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 第2版 」を…、
問題集は「 本試験によく出る!甲種危険物 第3版 」を利用します。
当該2冊は、「危険物取扱者試験」ではド定番のシリーズで、わたしが受けた試験会場では、半数以上の人が手にしており、あまりの利用率に驚いたくらいです。この2冊を使えば、大丈夫でしょう。
なお、過去問には、「 甲種危険物取扱者試験 令和6年版 」がありますが、理系の人は、買わなくていいでしょう。
次に、「文系」です。
詳細は、「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な人は…、
過去問は「 甲種危険物取扱者試験 令和6年版 」を…、
そして、物化が超絶苦手な人は「 甲種危険物受験の為のわかりやすい物理・化学」を使ってください。
「法令」と「性消」は、乙種のテキストと問題集を再利用します。十分に点が取れます。
おおむね、文系で甲種を受験する人は、わたしのように、受験資格が「4種類(※)」のはずです。テキストと問題集は、「お古」で十分です。わたしは、使い古しのテキストと問題集でざっくり復習し、ほいで、過去問を新たに買ったのですが、これで、9割取れてました。
ところで、乙4とかのテキストを捨ててしまった人は、ド定番の「 わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 第2版 」を使います。
問題集は、過去問で代用できるので、よほど不安な人でない限り、要らないです。
んで、過去問の「 甲種危険物取扱者試験 令和6年版 」は、文系の必須教材です。文系の人は、最新版を必ず購入ください。
PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
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危険物取扱者に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「危険物取扱者:ブログ記事」をばご参考ください。
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