15問‐令和3年度の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 令和3年度(2021年度)管理業務主任者:第15問は、「会計‐経理」の問題です。例年通りの出題です。仕訳の知識がないと、本問はまず解けません。後段の「仕訳がまったくわからない人に」で述べているように、「無理なら無理」で、捨て問にします。

15問‐会計‐経理

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「やや難」です。

 本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。

解説

 定番の問題です。

 簿記があれば楽勝ですが、ないならないでも点は取れるので、過去問演習をがんばってください。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

解答①

 本問は、「令和3年3月」であり、かつ、「発生主義の原則」で処理されているので、この点だけは、注意してください。

 さて、①の「令和3年2月以前分」の「管理費収入」と「修繕積立金収入」ですが、これについては、以前にどういう仕訳が切られていたかを、把握することが肝要です。

 「令和3年3月」に、入金があったわけです。

 逆を言えば、「令和3年2月以前」には、入金がなかったことになります。

 つまり、両取引とも、過去に、いったん「管理費収入」と「修繕積立金収入」として計上されていたが、その金額を受け取っていなかった、と相なります。

 んで、選択肢をのぞくと、「未収入金」という勘定科目があるので、これで処理すればよいことがわかります。

 上述した事柄をまとめると、かつては…、

 借方:未収入金 280,000

 貸方:管理費収入 250,000

 貸方:修繕積立金収入 30,000

 …という仕訳が切られていたことになります。

 上述した仕訳ですが、これらが「令和3年3月」に、入金されたわけです。

 よって、その入金されていた分だけ、振替仕訳(相殺仕訳)をすればいいことになります。

 よって、「令和3年3月」の仕訳は…、

 借方:普通預金 280,000

 貸方:未収入金 280,000

 …となります。

解答②

 ②の「管理費収入」と「修繕積立金収入」ですが、これは、「令和3年3月」の通常の取引なので、普通に「収入」の仕訳を切ればいいだけです。

 よって、仕訳は…、

 借方:普通預金 300,000

 貸方:管理費収入 250,000

 貸方:修繕積立金収入 50,000

 …となります。

解答③

 最後の③の入金ですが、「令和3年4月分」となっています。

 これは、「令和3年4月分」の「管理費収入」と「修繕積立金収入」の入金です。

 ですから、「令和3年3月」の「管理費収入」と「修繕積立金収入」として、処理してはなりません。

 そして、これは、前もって受け取った金銭なので、「前受金」で処理すればいいことがわかります。

 よって、仕訳は…、

 借方:普通預金 3,000,000

 貸方:前受金 3,000,000

 …となります。

 なお、蛇足ですが、上記仕訳ですが、「4月」になれば、正式?な収入となるので、振替処理をすることになり…、

 借方:前受金 3,000,000

 貸方:管理費収入 2,500,000

 貸方:修繕積立金収入 500,000

 …という仕訳が切られることになります。

こたえ

 ①と②と③の仕訳をまとめます。

 借方:普通預金 280,000

 貸方:未収入金 280,000

 借方:普通預金 300,000

 貸方:管理費収入 250,000

 貸方:修繕積立金収入 50,000

 借方:普通預金 3,000,000

 貸方:前受金 3,000,000

 …です。

 借方と貸方をまとめると…、

 借方:普通預金 280,000

 借方:普通預金 300,000

 借方:普通預金 3,000,000

 貸方:未収入金 280,000

 貸方:管理費収入 250,000

 貸方:修繕積立金収入 50,000

 貸方:前受金 3,000,000

 …です。

 借方の「普通預金」を合計すると…、

 借方:普通預金 3,580,000

 貸方:未収入金 280,000

 貸方:管理費収入 250,000

 貸方:修繕積立金収入 50,000

 貸方:前受金 3,000,000

 …となります。

仕訳がまったくわからない人に

 正直言うと、管理業務主任者のテキストでは、仕訳は理解できません。

 管理業務主任者のテキストは、圧倒的に記述量が少ないです。また、練習問題がまったく足りないため、実力が付きません。わたしでも、“これだけ”なら、厳しかったはずです。

 本試験までに時間のある人は、たとえば、4月~9月にある人なら、いっそのこと、簿記3級の勉強をしてください。テキストで悪戦苦闘するより、絶対的に効率的です。

 簿記3級の勉強については「簿記3級の独学」を、テキスト・問題集は「スッキリわかる 日商簿記3級」を使えばいいでしょう。

 簿記3級の一通りの勉強が済めば、管理業務主任者の仕訳問題は、100%取れるようになります。

 簿記3級レベルなら、2~3週間もあれば、習得できます。勝手の悪い管理業務主任者のテキストで勉強するより、わずかなコストと多少の時間を割いて簿記3級の勉強するほうが賢明です。

 次に、本試験まで時間のない人です。

 テキストを3回読んで、そして、過去問を3回解いて、まったく要領がつかめないなら、捨てます。

 繰り返しますが、管理業務主任者のテキストで、仕訳を理解せよという方が無理です。

 過去問の解き方だけ押えて、後は、ざっくり捨ててしまい、他の問題で失点をカバーできるようになる方が合格に近づくでしょう。

 仕訳問題は、「無理なら無理」で、割り切って対処してください。

答え

 正解:1

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 類似問題あります。テーマ別の問題演習は、「管業「会計・仕訳」の過去問リスト」を、活用ください。

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、

 過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。

 予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。

民法入門

 民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。

 お勧めの入門本は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」と「民法はおもしろい」です。

会計・仕訳問題

 苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。

 時間があるなら、いっそのこと、簿記3級で勉強します。100%取れるようになります。簿記3級は、2週間あればマスターできます。

 独学向けの教材は、テキストと問題集が一緒になった「スッキリわかる 日商簿記3級」で勉強すれば、まず間違いなく「1点」取れるようになります。

PDF過去問演習

 また、公式の過去問は、PDFで配布されています。過去問演習は、「タブレット」が便利です。もってない人は、受験を機に、アマゾンの「Fire HD」を推奨します。最優秀のコスパです。

管理業務主任者のこまごましたもの

 管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。

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