第2種電気工事士の技能試験の候補問題:No.8を解説するページ。No.8は、穏当に合格できる問題。まず、固有部分のリモコンリレーに習熟する。おおむね端子台で代用されるはず。ほかは、アウトレットボックスへの施工及び接続に慣れておく。180度曲げはここでも有効。VVR2.0は、何気に欠陥を取られやすいので、丁寧に練習しておく。本問に遭遇したら、確実に受かろう。
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第2種電気工事士の令和6年度(2024年度)技能試験の候補問題 No.8の独学者向けポイントを解説していきます。
候補問題のNo.8は、一口で言うと、「受かる問題」です。あまり難しくありません。
本問は、左側の方にくちゃくちゃと図記号が固まっていて、一見難しそうですが、施行省略なので、試験には影響はないです。
また、本問の固有部分の「リモコンリレー」は、端子台で代用されので、作業そのものは、難しくありません。といいますか、もはや「おなじみの作業」になっているはずです。
次に、アウトレットボックスですが、これも、単に、間違わないで組むだけなので、他の候補問題を消化していれば、ほぼ大丈夫なはずです。
本問に当たったなら、「落ち着いてやれば、まず合格だ」と思っていいでしょう。
最初は、「リレー」部分が難しいかもしれません。
しかし、点滅器(スイッチ)感覚で臨めば、OKです。
つまり、リレー部分(Rイ・Rロ・Rハ)の黒線は「非接地側電線」に、白線は「電気(負荷)」に繋げたらいい、ってな寸法です。
まあ、慣れてしまえば、どうってことはないです。
2~3回練習すれば、100%、書けるようになります。
複線図の書き方は、「複線図‐No.8:リモコンリレー」を参考にしてください。
本問のポイントと注意点は、上記画像のとおりです。
本問のメイン論点は、「リモコンリレー」の「端子台」くらいです。
ここを組む要領さえ掴んでおけば、後は、いつも通りの作業です。
ただ、本問は、アウトレットボックスに、ケーブルを都合「7本」、突っ込むことになるので、ごちゃごちゃするのが気がかりなところです。後述する「180度曲げ」は必須です。
あとは、リングスリーブで「中」を使うのと、「VVR 2.0-2c」の施工があるくらいが、留意点です。
まあでも、他の候補問題で、散々やる作業なので、大丈夫なはずです。
リモコンリレーは、本試験では、おおむね、端子台で代用されます。
ですから、「端子台」の作業の練習をしておけば、それで事が済みます。
端子台への結線を、使用済みケーブルで、最低3回は、組んでおくとよいでしょう。
なお、リモコンリレーの理屈は、念のため、テキストで確認しておいてください。万が一、試験問題を変えられると、暗記では対応できないからです。
“端子台の背景には、このような理屈があるのだなー、ふーん”程度でいいので、保険として、見ておきましょう。
大丈夫とは思いますが、念のため。
「アウトレットボックス」の「穴」に注意してください。
施行図や複線図をよく見て、“決められた穴”に、ケーブルを挿入してください。
敢えて言うと…、
図の上側は、ケーブルを入れないので、「穴」がないです。
左側は、電源線の「穴」です。
右側のうち、右上の「穴」は、「引掛けシーリング(丸形)」のケーブルです。
んで、右下の、「ランプレセクタプル」のケーブルを入れます。
最後の下側ですが、下左は、端子台からの「3本」ケーブルを入れます。
下右は、「施行省略」のケーブルです。
必ず、入れる「穴」を、確認してから、ケーブルを入れましょう。
本問の特徴は、リモコンリレー代用の端子台から、3本ものケーブルを、ボックスの「1つの穴」に挿入するところです。
文字だけならなんてことはないですが、実際にやると、かなりキツキツで、硬いケーブルが互いに干渉して、接続にかなり手間取ります。
ですから、恒例の必殺技「180度曲げ」をやってみてください。
たとえば…、
…こんな感じです。
上記の例のように、ケーブルを入れたら、“くっ”と180度曲げて、へんな言い方ですが、元に戻すみたいに、曲げてしまいます。
こうすると、電線を格段に把握しやすくなるので、接続間違いが、劇的に少なくなるはずです。
ところで、リモコンリレーからの3本のケーブルですが、狭い1つの穴に突っ込むことになるので、雑にやるとゴムブッシングが取れたりします。
ゴムブッシングが取れていると、「欠陥」で即落なので、注意しましょう。イライラするのはわかりますが、丁寧に施工してください。
本問の特徴は、先述したように、ボックス内で、「7本」ものケーブルを接続するところです。
かなりの量となるので、落ち着いて、指差し確認をしながら、1つ1つ、落ち着いて接続します。
何回も言いますが、あわてて接続を間違えると、修正には2~3分もの時間がかかります。
40分しかない本試験では、2~3分のロスが致命的なものとなります。
時間を節約したいのはわかりますが、ミスこそ、時間を最も食います。「ミスゼロ」の1回で終わらせられるよう、慎重に接続してください。
本問で、強いて難儀と言えるのは、「VVR 2.0-2c」ケーブルです。
VVRケーブルは、外装をはぐのに、結構神経を使います。慎重に作業してください。
まあ、大丈夫ですが、中の電線の絶縁被覆に大きな傷がつくと、『欠陥』を取られて即落ちです。
テキストでは電工ナイフを使っていますが、わたしは、ストリッパでギリギリっと裂け目を入れて、後はペンチで外装を引っ張っていました。
こうすると、中の絶縁被覆に傷がつきようがありません。
要は、絶縁被覆に傷がなければいいので、各自、自分がうまくいくようにやってみてください。
「リングスリーブ」ですが、本問では、あまり顔を見せない「中」が登場します。
つい、いつもの調子で、「小」で接続しないようにしましょう。
他のページでも言っていますが、電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、さらに「もう一度、指差し確認」をして、接続します。
『リングスリーブを間違うと、修正がクソ面倒。3~5分かかる。』です。
本試験でやらかすと、本当に、手が震えます。
最後に「端子台のねじ」です。
最後の最後に、端子台のねじを「増し締め」してください。
というのも、見直し時に、端子台をいじる可能性があるからです。
たとえば、接続した電線が少しずれていたので、ねじを緩めて修正したのはいいが、ねじを締め直すのを忘れてしまう、という寸法です。
本試験ではかなり緊張しているので、「わたしは、ねじを緩めたことを、間違いなく忘れる」と、断定しておくのが無難です。
ねじがきちんと締まっていないと「欠陥」で即落ちです。
ですから、念のため、最後の最後で、締まっているとは思うけれども、ねじを増し締めする、といった寸法です。
ここまで意を払えれば、まず、合格です。
本試験では、練習時には予想もしない『ミス』をします。
よって、練習のときから、「ミス」に備えておきましょう。
候補問題を組み終わって、採点(欠陥のチェック)が済んだら、回路をそのまま捨てるのではなくて、以下の箇所を、仮にミスったとして、再施行してみてください。
当該再施行の際は、ストップウオッチで、時間を計ります。
1つの「ミス」をカバーするのに、どれだけ時間を食うか、肌で体感しておきましょう。
さて、へんな言い方ですが、本問で、「間違っておくとよい」のは…、
…の、赤丸のところです。
ここは、アウトレットボックスの1つの穴に、「3本」ものケーブルを、“詰め込む”ところです。
ギッチギチなので、ゴムブッシングが外れるという「ミス」も生じやすいです。
よって、「ゴムブッシングが外れた」と仮定し、ゴムブッシングを敢えて取り外し、再度付け直してみましょう。
当該ギッチギチ・ゴムブッシングは、そこそこ盲点なので、一度くらいはやり直しておくと、本試験では、落ち着いて施行できるはずです。
次に、「間違っておくとよい」のは…、
…の赤丸のところです。
ここの接続は、VVR2.0が1本、VVF1.6が3本で、「4本」接続するところです。
よって、「中」スリーブに、「中」刻印をします。
当該「中」スリーブですが、候補問題であまり出てこないため、ついつい、ウッカリミスをしてしまうところです。
そこで、ここの接続を間違ったとして、たとえば、「小」スリーブで接続したとか、刻印を「小」にしてしまったと仮定して、接続作業のやり直しをしてください。
先述しましたが、修正作業の際は、ストップウオッチで時間を計測します。
4本もの電線の被覆剥ぎと再接続が、いかに時間を食うか、体感しておきましょう。
一度でも間違っていれば、本試験でスリーブミスを犯すことはないでしょう。
第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。
とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものもあるので、参考にしてください。
高評価だったのは、まず、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。
利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。
独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。
わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。
独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。
次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。
多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。
これは、独学に関係なく、有用かと思います。
さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、
・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用
…です。
クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。
んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。
なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。
独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。
教材にお金を惜しんではいけません。
なお、先の補助教材の使用感・レビュー等のある方、よろしければ、「当方のTwitter」や「メール」に、ご一報願います。
最後に、ASITAKAさん、情報提供ありがとうございました。
PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。
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本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。
まず、問題文についでです。
だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。
「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。
次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。
当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。
「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。
先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。
第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。
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