第2種電気工事士の技能試験の候補問題:No.6を解説するページ。No.6は、難関の1つ。ここだけにしか登場しない「露出型コンセント」と「3路スイッチ」と、固有問題ばかりで、練習していないと100%落ちる。難関の本問の練習の仕方や、攻略、要領、手順を説述する。独学者向け。技能試験が本問だったとしても、きちんと練習していれば、合格はできる。
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第2種電気工事士の令和6年度(2024年度)技能試験の候補問題 NO.6の独学者向けポイントを解説していきます。
最初に大事なことを言うと、NO.6は、「難関の部類」に入ります。
本問には、上の画像を見てもらえばわかるように、「露出型コンセント」と「3路スイッチ」が固有部分です。
技能試験の多くの作業は、“被っています”。たとえば、ランプレセプタクルや引っ掛けシーリング、コンセント等の作業は、候補問題で共通しています。んなもんで、ある問題で「それ」を組むことは、他の問題の練習にもなっているわけです。
しかし、本問の固有部分は、他の候補問題では、まったく登場しません。
このため、本問だけは、独自に、しっかり練習しておかないと、合格は覚束なくなります。
まず、『欠陥ポイント』から見ていきます。
三路スイッチの電源側(右の方)ですが、「0」には、「黒」を接続します。
例年、問題文にて、このように指示されるので、必ず、守ってください。でないと、即落ちです。
さて、もう一方の左の三路スイッチですが、これは、別段、「0」を「黒」に繋げる必要はありません。
とはいえ、本試験では、何でも『確定』しておく方が賢明です。
「0は黒」とする方が憶えやすいので、左の方も、「0」を「黒」で接続しましょう。
さて、本問には、恒例の「色指定なし」があります。
しかし、先に見たように、『確定』しておく方が、ゼッタイに混乱しません。んなもんで…、
スイッチ1は、「赤(左)・赤(3心)・赤(右)」にする…、
スイッチ3は、「白(左)・黒(3心)・白(右)」にする…、
…といったように、練習時から、何色を繋げるか、決めておきましょう。
三路スイッチは、独特のものがあるので、テキストのやり方を、丸ごと覚えるのが「一手」としかいいようがないです。
さて、三路スイッチ以外の複線図は、基本的なものばかりなので、苦労はないはずです。
複線図の書き方は、「複線図‐NO.6:3路スイッチ」を参考にしてください。
ポイントと固有部分は、上記の画像のようになっています。
先述したように、「露出型コンセント」と「3路スイッチ」といった「難易度の高い」論点で構成されています。
「難関」であることを意識して、何回も何回も練習して、身体に憶えこませましょう。「第6問は最大の山場」と認識しておいてください。
本ページを「ブックマーク」にでも入れておいて、出先や、配偶者がリビングにいるときに、チェックしてみてください。
「露出型コンセント」は、本問しか登場しないため、致命的に練習量が不足する器具となっています。
一口で言えば、当該「露出型コンセント」は、費用対効果が悪いのです。
引っ掛けシーリングやランプレセプタクルなどは、大半の候補問題で出るので、個別的な練習はいらないのです。
しかし、当該器具は、ここだけしか出ないため、「独自の課題」として、練習しておく必要があります。
また、当該器具は、絶妙に寸法の取り方が異なっているので、ことさらに「独自の練習」が不可欠です。
なお、当該露出型コンセントは、『欠陥が5つ』も取られるところであり、下手をすれば、ここで即落ちします。
(採点者は、いの1に、露出型コンセントをチェックするはずです。なぜなら、ここでダメだったら残りを採点しなくていいからです。)
本問の「露出型コンセント」は、たかがコンセントではなく、命取りのコンセントです。
練習不足のまま、本試験に臨むと、その勝手の違いから、かなり手間取ります。
本試験は「40分」しかないため、「手間取り」は、即、命取りです。作業が押して見直し時間がなくなれば、“超”赤信号です。
こんな次第で、「露出型コンセント」は、厄介な論点です。
暇を見つけたら「露出型コンセント」を練習して、「不安ゼロ」状態にまで、自分を持っていってください。
少なくとも、「最低3回」は、使用済みケーブルで練習しておきます。不安があるなら、10回・20回と練習しましょう。わたしはそのくらいやりました。
次に、これまた難所の『3路スイッチ』です。
本作業も、作業に習熟していないと、必ず間違えるので、練習あるのみです。
3路スイッチの攻略で大事なことは、『複線図が完璧に書けるようになっておく』ことです。
複線図が不安だと、いざ接続やいざ結線となった時に、異様に焦ります。手が震えます。
(ここでいいはず・・・だけど・・・)といった、あやふやな状態では、接続を『100%』間違えます。
まず、「複線図」を、“自信”を持って書けるまで、書きまくります。回数は無制限です。できるまで、です。
反対に言うと、複線図を自信を持って書けないなら、回路を組まなくていいです。工具も持たなくていいです。
複線図がダメだと、全部ダメです。
兎にも角にも、テキストを見て、複線図を鉄壁にします。
3路スイッチの複線図で厄介なところは、「アバウト」なところです。
3路スイッチの「0番」は「黒」と決まっているのですが、それ以外は、「白でも赤でもいい」のです。
どう繋げてもいいので、一見すると楽なのですが、「本試験」という緊張するときだと、意外に神経質になって、(アレ、これでよかったけ?)といった感じに、不安になってしまうのです。
この種の不安をなくすには、ガチガチにテキストの“真似”をすることです。
テキストのお手本をガン見して、まずは、そっくりそのままを憶えましょう。
んで、テキストのお手本どおりに組めるようになって、自信が付いてから、『自分流』に変えて行けばいいです。
とにかく、最初は、「テキストそのまんま」を憶えて、その通りに組めるようになりましょう。
正直、アレコレ考えるより、お手本を丸暗記する方が手が早く動きます。
当該候補問題ですが、一度、ぜんぶを組んだら、それ以降は、すべてを組み立てる必要はありません。
毎回毎回、全組をするのは時間の無駄です。
本問の練習は、最も致命的な「3路スイッチ」と「露出型コンセント」の2つの練習で十分です。
回数は『無制限』です。とにかく、できるようになるまで、使用済みケーブルで練習してください。
慣れてくると、「3路スイッチ」は5分強で組めます。「露出型コンセント」は3~4分で作れるようになります。時間はそう食わないので、何回も何回も、徹底して、身体に憶えこませてください。
特に、三路スイッチは、何も見なくても組めるくらいに、頭よりも先に手が動くくらいに、なっておくのが無難です。
さて、接続ですが、3路スイッチというややこしい部分があるので、文系ド素人最強の技「指差し確認」が必須です。
接続の際は…、
複線図の接続しようとする箇所を、(これとこれをつなぐ、よろしいか?)といった感じで指でなぞり…、
次に、ケーブルの線と線とを指差しして…、
「スイッチの○色の電線→真ん中3心ケーブルの○色電線、ヨシッ!」と確かめて…、
さらにもう1度、指差し確認をして、合計2回確認してから、リングなりコネクタなりで、ガッチャンコと接続します。
こうすると、接続ミスを根絶できます。
なお、指差し確認を2回しても、ほとんどの練習では時間が余ったので、時間のロスにはならないはずです。
3路スイッチで失敗をしたことのある人は、ぜひ、「指差し確認」を導入してみてください。
「3路スイッチ」と「露出型コンセント」以外は、ふつうなので、問題はないかと思います。
強いて言うなら、「施工省略」のところを、ちょっとだけ注意しておきます。
テキストの指示通りの「施工省略」作業を徹底してください。
てきとーにやっていると、本試験の最中に(アレ、施工省略ってどうしてたっけ?!)と、軽くパニックに陥ります。
リングスリーブは、「小」を使うはずです。
1種類しかないので、迷うことはないでしょうが、怖いのは、“刻印ミス”です。
電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、さらに「もう一度、指差し確認」をして、ガチャンと接続します。
というのも、『リングスリーブを間違うと、その修正がクソ面倒だから』です。
間違った接続部分を切り取り、新たにケーブルの外装を剥いで、電線の被覆を取るという“時間ロス”の権化です。
おおむね3分は、下手をすると5分は時間を取られます。
本試験は『40分』ですので、当該ミスが、いかに危ないか、お分かりかと思います。
指差し確認の時間は、間違ったことを考えれば、『絶対に、あり』です。
本試験では、練習時には予想もしない『ミス』をします。
よって、練習のときから、「ミス」に備えておきましょう。
候補問題を組み終わって、採点(欠陥のチェック)が済んだら、回路をそのまま捨てるのではなくて、以下の箇所を、仮にミスったとして、再施行してみてください。
当該再施行の際は、ストップウオッチで、時間を計ります。
1つの「ミス」をカバーするのに、どれだけ時間を食うか、肌で体感しておきましょう。
さて、へんな言い方ですが、本問で、「間違っておくとよい」のは…、
…赤丸の「露出形コンセント」のところです。
まず、釘を刺しておきますが、本問は、「三路スイッチ」なわけですが、ここは、「ミス」を絶対にしなくなるまで練習しておいてください。
本番で、三路スイッチ部分を間違えたら、カバーできないと思って、練習しましょう。
さて、話を「露出形コンセント」に戻すと、ここは、本問しか出ないため、練習量が不足することから、「ミス」が起きやすいところです。
よって、「ケーブルが台座の下から入っていない」ミスを再現して、修正作業をしてください。
止めた2つのねじを緩め、輪作り部分を取り出し、再接続しましょう。
単にこれだけの作業でも、そこそこ時間を食います。
本試験では、手が震えるはずです。ミスの怖さを、肝に銘じておきましょう。
当該「露出形コンセント」も、油断せず練習しておきましょう。
第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。
とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものもあるので、参考にしてください。
高評価だったのは、まず、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。
利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。
独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。
わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。
独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。
次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。
多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。
これは、独学に関係なく、有用かと思います。
さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、
・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用
…です。
クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。
んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。
なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。
独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。
教材にお金を惜しんではいけません。
なお、先の補助教材の使用感・レビュー等のある方、よろしければ、「当方のTwitter」や「メール」に、ご一報願います。
最後に、ASITAKAさん、情報提供ありがとうございました。
PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。
手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。
受験が終わっても、危険物や消防設備士等の過去問演習で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。
本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。
まず、問題文についでです。
だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。
「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。
次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。
当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。
「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。
先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。
第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。
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