第2種電気工事士 技能試験 候補問題:No.4‐三相3線式200V:令和6年度(2024年度)2電工候補問題解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第2種電気工事士の技能試験の候補問題:No.4「三相3線式200V」を解説するページ。No.4は、ぱっと見で、固有部分の「三相3線式200V」のところが難しそうだが、難易度は「ふつう」。「配線用遮断機」と「漏電遮断機」は端子台で代用。最終的な組み上げが面倒なくらいで、受かる問題である。本問の練習の仕方や、攻略、要領、手順を説述する。独学者向け。技能試験が本問だったら、確実に合格したい。

No.4は受かる問題

 

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 第2種電気工事士の令和6年度(2024年度)技能試験の候補問題 No.4の独学者向けポイントを解説していきます。

 No.4は、上の画像を見てもらえばわかるように、「三相3線式200V」が固有部分です。

 とはいえ、ここは、“普通に組むだけで、独特の作業はなく”、ほとんど問題はありません。

 次に、「配線用遮断機」と「漏電遮断機」ですが、ここは端子台で代用するので、カンタンです。要は、「端子台に、電線をねじ止めするだけ」だからです。

 本問は、先に述べたように、「受かる問題」です。

 きちんと練習していれば、まず合格するはずです。

インデックス

  1. 候補問題 No.4複線図ポイント
  2. 難易度は「ふつう」
  3. 端子台作業
  4. 端子台は『欠陥』箇所
  5. 2つに分けて考える
  6. 最後に、2つを合体
  7. リングスリーブ
  8. 最後の最後に、ねじを締め直す
  9. 【重要】わざと間違える‐ミス対策
  10. 独学向け教材

候補問題 No.4複線図のポイント

 

 複線図ですが、特に、これといって難しいところはありません。

 唯一の注意点は、三相電源の色指定です。

 問題文で指定された色で、複線図を書いてください。

 複線図の書き方は、「複線図‐No.4:三相3線式200V」を参考にしてください。

難易度は「ふつう」

 

 ポイントや注意事項は、上記画像のとおりです。

 基本的には、カンタンなのですが、「最後の合体」は、ゴチャゴチャするので、慎重に作業してください。

 本問で最も怖いのは、ケアレスミスです。

 受かる問題だからこそ、慎重に、丁寧に作業をしてください。

 では、本問のメイン作業である、「端子台」から、見ていきましょう。

端子台作業

 本問では、おそらく、「配線用遮断機」と「漏電遮断機」が、1つの端子台で代用されるはずです。

 試験で配布される端子台には、問題の「施工条件」で指示される、記号なり数字なりアルファベットが記載されています。

 ここが『肝』なので、端子台の記号(数字・アルファベット)と、該当するケーブルとを、取り違えないよう、慎重に接続します。

 間違えると、倍の時間をかけて直す羽目となります。

 一度、練習時に、意図的に間違えて接続してみてください。そして、修正作業をしてみてください。いかに時間を食うか、体感できるはずです。

 ド素人文系の最強のテクニック『指差し確認』を、2回した後で、接続することを推奨します。

端子台は『欠陥』箇所

 また、端子台への接続も、注意が必要です。

 端子台は、『欠陥』ポイントであり、ねじ止めが被覆を噛んでいる、被覆を剥き過ぎている(電線が5ミリ以上、はみ出ている)と、即落ちです。

 このため、端子台には、“独自の練習”が必要となります。

 晩酌をしながらでもいいので、使用済みケーブルで、正確かつ確実に、端子台へ接続できるよう、何回も練習しておきましょう。酔ってできるくらいでちょうど良いです。

 画像で言うように、5回は、使用済みケーブルで練習しておくと、まず、間違えなくなるでしょう。

2つに分けて考える

 本問のポイントは、「2つに分けて考える」です。

 いっしょくたに考えるのではなく、画像のように、①と②で切り分けて捉えます。

 「2つに分けて」考えると、余計なことに気を使わずに済み、精神的に楽になります。

 ①の右側のスイッチ等作業は、“普通”です。他の候補問題の練習を通じて何度もやる作業なので、問題ではないです。

 ここでとちるようなら、もっと練習をする必要があります。正直、やばいです。朝のお勤めと夜のお勤めをやめて、練習してください。

 ②の作業は、最初は、モーターやアースの表記があるので怖気立ちますが、作業自体は全然問題ではなく、見掛け倒しです。

 というのも、問題文の指示通りに、接続するだけだからです。

 ド素人文系の最強のテクニック『指差し確認』を駆使して、1本1本組む度に、「○○と○○、×色、ヨシッ!」ってな感じで進めていけば、まず、間違うことはありません。

最後に、2つを合体

 やり方はいろいろありますが、先に①と②の部分を作って、最後に両者を端子台で合体させるのが、穏当なやり方です。

 まず、深呼吸です。

 全体的に“大きい”ので、組む際は、何かをする度に、カチャカチャ音がして、イラつきます。また、ケーブルはそこそこ硬いので、思ったように、作業ができないです。

 慌てていると、接続部分がずれてイラっとしたり、果てには電線が抜けたりと、精神的に“ムカッ”とします。

 こうなると、ケアレスミスの温床となるので、深呼吸を1つ入れます。

 深呼吸をして、ゆっくり、ゆったりと、組み上げてください。

 なお、最後の組み上げに手を焼く人は、思い切って、各部分につながるケーブルを、“ぐいっ”と、90度くらい、折り曲げてください。

 こうすると、部品同士が干渉しないので、格段に組みやすくなります。もちろん、後で元に戻してください。

リングスリーブ

 リングスリーブは、「中」と「小」を使うはずです。

 刻印は、「中」と「小」と「□(極小)」の3つがあります。

 刻印が3つもあるので、格段に、間違えやすくなっています。

 電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさを「指差し確認」して、さらに、刻印(圧着マーク)が正しいかどうかを「指差し確認」し…、

 ほいで、もう一度だけ、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、「よしっ!」となったら、ガチャンと接続します。

 リングスリーブを間違うと、その修正がクソ面倒です。

 間違った接続部分を切り取り、ケーブルの外装を剥いで、電線の被覆を取るという“時間ロス”の権化です。

 おおむね3分は、下手をすると5分は時間を取られます。

 本試験は『40分』ですので、当該ミスが、いかに危ないか、お分かりかと思います。

 指差し確認の時間は、間違ったことを考えれば、『絶対に、あり』です。

最後の最後に、ねじを締め直す

 本試験では、試験の最後の最後で、必ず端子台のねじをもう一度締めてください。

 くっと、ドライバーを挿して回すだけでいいです。

 というのも、見直しのときに、ケーブルの被覆が食い込んでいたり、または、露出が長すぎたりで、『微調整』をする可能性が大だからです。

 この際、ねじを緩めて微調整するのですが、その際、100%ねじを締め忘れる!と思っていてください。

 ねじの締め忘れは、『欠陥』で即落ちです。

 最後の最後に、ぎゅっぎゅと、念のため、ねじを締め直しましょう。

 1個くらい、締め切っていないものが、あるはずです。

【重要】わざと間違える‐ミス対策

 本試験では、練習時には予想もしない『ミス』をします。

 よって、練習のときから、「ミス」に備えておきましょう。

 候補問題を組み終わって、採点(欠陥のチェック)が済んだら、回路をそのまま捨てるのではなくて、以下の箇所を、仮にミスったとして、再施行してみてください。

 当該再施行の際は、ストップウオッチで、時間を計ります。

 1つの「ミス」をカバーするのに、どれだけ時間を食うか、肌で体感しておきましょう。

 さて、へんな言い方ですが、本問で、「間違っておくとよい」のは…、

 

 …複線図の赤丸のところの「B(配線用遮断器)とBE(漏電遮断器)」です。

 ここは、最後の合体の際の振動で、電線がずれたり外れたりします。

 よって、「電線が1本外れた」と仮定して、わざと、電線を1本、端子台から外してください。

 修正作業は、単に、付け直すだけなので、カンタンです。

 しかし、忘れてならないのは、「ねじの増し締め」です。

 作業した「ねじ」のみならず、他のの「ねじ」も、“くっ”と軽くでよいので、ドライバで増し締めしましょう。

 『最後は、増し締め』を、癖にしましょう。

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 参考:第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものもあるので、参考にしてください。

 高評価だったのは、まず、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

 なお、先の補助教材の使用感・レビュー等のある方、よろしければ、「当方のTwitter」や「メール」に、ご一報願います。

 最後に、ASITAKAさん、情報提供ありがとうございました。

第2種電気工事士 技能試験・候補問題 令和6年度

 技能独学インデックス

 複線図書き方インデックス

 No.1:位置表示灯

 No.2:確認表示灯(常時点灯)

 No.3:タイムスイッチ(TS)

 No.4:三相3線式200V

 No.5:20A 250Vコンセント

 No.6:3路スイッチ

 No.7:4路スイッチ

 No.8:リモコンリレー

 No.9:EET

 No.10:確認表示灯(同時点滅)

 No.11:ねじなし管

 No.12:PF管

 No.13:自動点滅器(A)

PDFや動画の閲覧

 

 PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の過去問演習で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

技能試験の注意やヒント

 本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。

 まず、問題文についでです。

 だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。

 「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。

 次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。

 当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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