候補問題の第13問の難易度は「ふつう」であり、落ち着いて施工すれば合格できる問題である。本問は、「A(自動点滅器)」が固有部分だが、端子台で代用されるだろうから、問題ではない。本問の攻略、手順、注意事項を述べる。独学者向け。
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令和4年度(2022年度度)の、第2種電気工事士の技能試験の「候補問題13」の独学者向けポイントを見ていきます。
候補問題のNo.13の難易度は、「ふつう」です。本問は、受かる問題なので、遭遇したら確実に合格したいです。
さて、本問の固有部分は、上記画像で一目ですが、「A(自動点滅器)」のところです。
しかし、当該部分は、おおむね「端子台で代用」なので、そう難しくはありません。
その他の部分は、他の候補問題を消化するうちに、できるようになるものばかりなので、問題ではないでしょう。
複線図ですが、固有部分の「自動点滅器(A)」のところが、やや難しい程度です。
まあ、「1-黒(非接地側)」「2-白(接地側)・白(ロの施行省略)」「3-黒(ロの施行省略)」と、書き方(繋げ方)を暗記しましょう。それで、事が済みます。
「自動点滅器(A)」以外は、オーソドックスなものばかりなので、複線図で困ることはないはずです。
ところで、全「複線図」は、「複線図インデックス」にあります。出先で練習したい人は、参考にしてください。
ポイントをまとめると、上記画像のようになります。
ホント、手間取るのは「A(自動点滅機)」のところだけです。
結論から言うと、「A(自動点滅機)」は、作り方を「暗記」してしまいます。
「A(自動点滅機)」は、おおむね「端子台」で代用されるので、当該端子台への結線を丸暗記してください。
というのも、ここは、他の候補問題にはない、特殊な付け方をするからです。
それは、「1つの端子に2本の電線を挿し込む」で、慣れていないと、100%戸惑います。
んなもんで…、
端子台「1」には、本線の黒1本、
端子台「2」には、本線の白とVVR(ロ)の白の計2本、
端子台「3」には、VVR(ロ)の黒1本、
…と憶えてしまいます。
アレコレ考えるよりも、組み方を暗記するのが一番かと思います。
なお、端子台の数字は、問題の指定に従ってください。ときおり、変わるときがあるので、油断は禁物です。。
また、試験的には「暗記」ですが、CdS回路の理屈は、一通り、押さえておきます。
というのも、「施工条件」が変わる可能性があるからです。
思考なき丸暗記だと、問題を変えられただけで即落ちですので、“担保”として、端子台の背景と自動点滅器の理屈は理解しておいてください。
端子台ですが、そこそこ『欠陥』の取られるところなので、油断は禁物です。
大丈夫だと思いますが、「端子台」は…、
電線の被膜を剥き過ぎていると、『欠陥』で即落ちです。
ねじが、被膜を噛んでいると、『欠陥』で即落ちです。
言うまでもありませんが、「ねじを締め忘れている」「接続していない」「電線が外れている」でも、『欠陥』で即落ちです。
作業後は、必ず、テキストのお手本と比べて、遜色がないかどうかをチェックして、正確さを極めていってください。
本問でも、念のため、最低3回は、組む練習しておきましょう。
作業そのものはカンタンなので、使用済みケーブルを手に、晩酌しながら、練習しましょう。
本問では、馴染みのない「VVRケーブル(Aに接続)」が登場します。
大丈夫だと思いますが、フラットなVVFに比べると、外装剥ぎが厄介です。
2~3回は、練習しておくと、本試験では「ミスゼロ」です。
なお、VVRケーブルは、テキストや指導機関によっては、電工ナイフを使うところがあります。
しかし、わたしは、電工ナイフの取り扱いに不慣れなので、「ストリッパ」で作業しました。
ストリッパで、ぐにぐにと、切れ目を入れて、ペンチで引き抜き、んで、ビニールのゲバをストリッパの先で取り除きました。
VVRもストリッパで凌げるので、電工ナイフが苦手な人は、参考にしてみてください。
接続のリングスリーブは、「小」を使うはずです。
1種類しか使わないので、楽ですが、電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、さらに「もう一度、指差し確認」をして、がちゃんと接続します。
というのも、『リングスリーブを間違うと、その修正がクソ面倒だから』です。
間違った接続部分を切り取り、ケーブルの外装を剥いで、電線の被膜を取るという“時間ロス”の権化です。
おおむね3分は、下手をすると5分は時間を取られます。
本試験は『40分』ですので、当該ミスが、いかに危ないか、お分かりかと思います。
指差し確認の時間は、間違ったことを考えれば、『絶対に、あり』です。
本試験では、練習時には予想もしない『ミス』をします。
よって、練習のときから、「ミス」に備えておきましょう。
候補問題を組み終わって、採点(欠陥のチェック)が済んだら、回路をそのまま捨てるのではなくて、以下の箇所を、仮にミスったとして、再施行してみてください。
当該再施行の際は、ストップウオッチで、時間を計ります。
1つの「ミス」をカバーするのに、どれだけ時間を食うか、肌で体感しておきましょう。
再組み立てすべきは、上の赤丸の「白(接地側)の接続」です。
ここは、「1.6」を4本接続します。
「2+2+2+2」の「8mm2」で、「8mm2以内」となるので、「小」スリーブを使用することになります。
しかし、電線が4本もあることから、ついウッカリして、“無意識的に”、「中」で接続する可能性があるのです。
よって、「仮」に、「小なのに中で接続した」として、再作業してみてください。
他のページでも述べていますが、「ミス」のコストを踏まえれば、リングスリーブの接続は、「指差し確認」してから行うのが最も効率的なことがわかるはずです。
蛇足ですが、本試験では、「中」スリーブを使わない候補問題では、「中」スリーブそのものを支給しないのが常です。
とはいえ、試験の傾向が変わり、“受験生を混乱させる目的で”、使わなくても、「中」スリーブの支給される可能性があります。
こういう場合に備えて、先のスリーブミスに臨んでみてください。
次の「ミス対策」は、上の画像の赤丸の「A」の自動点滅器のところです。
「仮」に…、
・電線の接続を間違えた(1のところに、白・黒と接続してしまった等)。
・3のところの電線の被覆を剥き過ぎて、微妙に欠陥を取られそう。
…という「ミス」があったとして、再作業してみましょう。
「誤接続」は、単にねじを緩めて間違った電線を外して、付け直すだけです。
しかし、忘れてはいけないのが、「ねじの増し締め」ですね。
大丈夫と思っていても、端子台をいじったら、すべてのねじを増し締めしてください。
次に、被膜の修正作業ですが、これも、そう厳しくはないです。取り外して、採寸して、新たに被膜を取って、再度、接続するだけだからです。
しかし、先と同じで、「ねじの増し締め」を忘れてはいけません。
端子台をいじったら、ねじを増し締めです。
というのも、修正作業により、端子台には、要らぬ振動が加わっているからです。
ミスをしてないところが、ずれたりする可能性もあります。
ずれたところが気になるので、ねじを緩めて直したら、ねじを緩めたままだった、というケースは、十分に予想できます。
本試験という時間は、本当に独特で緊張します。
普段しないミスを、よりによって、本試験でやらかします。
その典型的なものが、「直したら、ねじを緩めたままだった」です。
「ねじの増し締め」は、癖づけておきましょう。
最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べています。
ところで、文系ド素人にとって、技能の練習時にあると便利なものは、以下のとおり、です。
「ホーザン 合格クリップ」や、
「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、
「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。
絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。
PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。
手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。
受験が終わっても、危険物や消防設備士等の過去問演習で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。
本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。
まず、問題文についでです。
だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。
「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。
次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。
当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。
「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。
先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。
第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。
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