候補問題の第11問は、「ねじなし管(E)」の作業が凶悪。欠陥のオンパレード。ボンド線も、出題の可能性があるため、要練習。また、独自の色付きIV線を利用するので、戸惑わないよう慣れておく必要がある。本問は「最難関」である。心して練習をする。
(クリックして拡大。)
令和4年度(2022年度度)の、第2種電気工事士の技能試験の「候補問題11」の独学者向けポイントを見ていきます。
候補問題のNo.11は、結論から言うと、「難」です。といいますか、全候補問題の中で、「最難関」です。
候補問題の中で、最も要注意で、最も練習しないといけないのが本問です。
心して、問題に当たってください。
難問の「NO.11」ですが、複線図的には、そう問題はありません。
メンドウなのは、色付きのIV線くらいですが、問題文の指示に従うだけです。
問題文の「色指定」を、念入りにチェックしてから、複線図を書きましょう。
後述するように、NO.11は、施工が難儀なので、複線図は、即効で書けるよう、練習しておきます。
ところで、全「複線図」は、「複線図インデックス」にあります。出先で練習したい人は、参考にしてください。
本問の注意点やポイントは、上記画像のとおりです。
本問は、独自論点のオンパレードで、「ねじなし電線管(E19)」や「色付きIV線」と、他では出ない作業があるため、しっかり練習して慣熟しておく必要があります。
とりわけ、凶悪なのは、「ねじなし電線管(E19)」です。ここだけで、欠陥の判定が「6つ」あり、ここができないだけで即落ちします。
加えて、アウトレットボックスに「ボンド線」を施工することも考えられるので、よりいっそう、凶悪な問題となっています。
繰り返しますが、当該「第11問」が最難関なので、心して、練習してください。
兎にも角にも、「ねじなし電線管(E19)」です。
ホントに、ここは、致命的なところです。
ねじなし電線管(E19)の欠陥ポイントを挙げると…、
「ボックスコネクタのロックナットの取り付け忘れ」と…、
「ボンド線の不適切な取り付け」と…、
「ロックナットの向きの間違い」と…、
「絶縁ブッシングの取り付け忘れ」と…、
「絶縁ブッシングが外れている」と…、
「ねじ切り忘れ」となっています。
まさに、『欠陥』だらけで、ここまで『欠陥』が濃縮しているのは、当該「ねじなし電線管(E19)」だけです。
まず、ねじなし電線管(E19)の攻略に当たっては、これらの「欠陥」を憶えることから始めます。
「欠陥」の存在を意識して憶えることで、ミスの発生を押さえることができるからです。
「ロックナット」は、落ちます。
「ボンド線」も、落ちます。
「絶縁ブッシング」も、落ちます。
「ねじ」でも、落ちます。
どこで『欠陥』がとられるかを明白にすることで、作業が慎重になるので、格段にミスを防げます。
「ねじなし電線管(E19)」は、本当に“やばい”ので、何回も何度も練習しておいてください。
回数は無制限で、「できるまで」繰り返しましょう。
「ねじなし管」の作業では、「5」という、ねじなし管の作業数を憶えておきます。
工程数を明白にしていると、「抜け落ち」に気づくので、劇的に欠陥を避けることができます。
「ねじなし管」の作業は…、
①金属管にボックスコネクタを差込んで、ねじ切り。
②ロックナット・絶縁ブッシングを取る。
③金属管をボックスに差し込み、ロックナットで固定。
④絶縁ブッシングの取り付け。
⑤ボンド線の取り付け。
…の、5作業です。
どれも、「やることを忘れていたり」、「作業が間違っていたり」すると、欠陥をとられます。
テキストやDVDを熟読熟視して、各工程を、イメージで頭に叩き込みましょう。
①のねじ切りですが、「電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイント」の改定事項です。
参考:「第2種電気工事士の「電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイント」の2019年度1月の改定について」
受験生がよく間違えるところ、つまり、欠陥を取られているところなので、注意に注意して、作業に臨んでください。
さて、「ねじ切り」ですが、おおむね「前と後の2つある」ので、注意してください。
金属管の“両端”にボックスコネクタを付けたのに、うっかりすると、どちらか「1つ」のねじ切りしかやってない場合があります。
“両端”の場合、「ねじ」は2つあるので、両方やるように、意識付けてください。ついつい、ウッカリします。
さて、日々の練習では、繰り返して練習するために、ねじ切りできないことでしょう。
しかし、ウォータポンププライヤを手に持ち、ねじをはさんで軽くねじを回し、『やったつもり』と一声だけ発しておきます。
それか、ねじ切りをする振りをして、『ねじ切り、よしっ!』と、指指し確認するのも一手です。
こう「意識付け」ておけば、本試験でも、「2つのねじ切り」を忘れないはずです。
なお、施工条件によっては、片方のボックスコネクタが「省略」されることもあります。
この場合、「どっちに、ボックスコネクタをつけるか」の指示があるはずなので、それに従って施工し、同時に、「ねじ切り」することになります。
まあ、おおむね、アウトレットボックス側の施工が大半です。
次に、②のロックナット・絶縁ブッシング取りですが、コツは、「両方とも取る」と「置き場所を決めておく」です。
時折、目立たないロックナットを取り忘れることがあり、「あれ、ない、ないぞ!」とあたふたする事があります。確実に、ねじなし管から取り外しましょう。
そして、両部品を取り外したら、あらかじめ決めておいた、『定位置』に置きます。
練習でも本試験でも、作業スペースは限られており、かなりごちゃごちゃしています。
両部品とも細かいので、適当なところに置くと見失って、「探す」という要らざる時間を費やす羽目になります。
あらかじめ、どこに置くかを、たとえば、色が濃くて太くて目立つ「電源線の近くに置く」などと、決めておきましょう。
金属管をアウトレットボックスに差し込んで、ロックナットで固定する作業です。
本作業は、「欠陥」ポイントなので、丁寧に行ないます。
ロックナットには『向き』があり、少し膨らんでいる方をボックスに向けて取り付けなくてはいけません。
最初は、時間がかかってもいいので、テキストで確かめながら、正確に作業しましょう。
④の絶縁ブッシング付けですが、気が急いていると、『付け忘れる』という大ポカをしかねません。
というのも、先の③のロックナット付けで、「なんだか管が固定されたような気分」になるためです。
このため、絶縁ブッシングの存在を綺麗さっぱり忘れてしまい、そのまま提出となりかねません。
わたしは練習時に、付け忘れという大ポカを、1度やっています。
絶縁ブッシングの付け忘れも『欠陥』で即落ちします。気をつけましょう。
最後の⑤のボンド線の取り付けは、かなり手間取るはずです。
ボンド線の取り付けは、輪作りもあり、「先端が出るように切る」といった細かい規定もあり、技能試験の中でも、最高ランクの難作業です。
まさに、「ボンド線」は、最難関の「災難」です。
最低5回は練習しておいて、スムーズに、手間取らず、短時間でできるレベルに到達しておきましょう。わたしも、本当に、手を焼きました。
昨今の本試験では、省略される事が多いです。
しかし、公式の欠陥基準では、ボンド線について言及されており、試験範囲であることはまちがいありません。
問題の傾向が変わって、「取り付ける」よう指示されても、全くおかしくないので、「できる」ようになっておきましょう。
わたしは、『保険の意味』で、5~6回、練習しておきました。
なお、ボンド線の練習は、市販のを買うのもアレなので、使用済みのケーブルから取り出した銅線で、代用するといいでしょう。少し硬いですが、練習には、不足ありません。
本問では、おおむね「黒」「赤」「白」「黄」のIV線が登場します。
電線“単独”が出るのはごく少数で、本問のほか1問だけです。
ですから、取扱いに手間取らないよう、意識して練習しておきます。
本試験では、色ごとに、どの器具と接続するか指定されるので、必ず、その通りにします。
本問に遭遇した場合は、問題文を「3回」読んで、当該指定について、把握してください。
本試験では、問題文を読む際は、色指定のところに大きく『丸』をするといいでしょう。
そして、接続するときは、文系ド素人最強の技「指差し確認」をして、色と部品とが合っていることを確認してから、ガッチャンコと接続します。
なお、テキストにもよりますが、電線管に電線を差し込む場合、寸法のとり方が微妙に違っていることがあるので、必ず、お使いのテキストのやり方に従ってください。
アウトレットボックスにケーブルを突っ込むと、ホント、ごちゃごちゃします。
んなもんで、差し込んだケーブルは、お馴染みの「180度曲げ」をします。
たとえば…、
…といった感じです。
上記の例のように、ケーブルを入れたら180度曲げて、ボックス上空をすっきりさせます。
こうすると、接続するケーブル・電線だけを選んで作業できるので、効率が格段にアップするはずです。
本問では、あまり顔を見せない「中」が登場します。
つい、いつもの調子で、「小」で接続しないようにしましょう。
他のページでも言っていますが、電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、さらに「もう一度、指差し確認」をして、がちゃんと接続します。
『リングスリーブを間違うと、修正がクソ面倒。3~5分かかる。』です。
本試験でやらかすと、本当に、手が震えます。
まず、「引掛けシーリング」ですが、これは「改定事項」となっています。大丈夫だとは思いますが、「電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイントの2019年度1月の改定について」方を、一読願います。
「ねじなし管」と「色付きIV線」以外は、至極普通の作業なので、手間取らないはずです。
言うなれば、その他の箇所は、ほぼ完璧にできるようになっておき、できるだけ、先の難関に時間を割けるようにしておきます。
先述したように、本問は、最難関です。固有部分は最低3回は練習しましょう。
また、本試験の1週間前には、必ず1度、通しで練習しておきましょう。
本試験では、練習時には予想もしない『ミス』をします。
よって、練習のときから、「ミス」に備えておきましょう。
候補問題を組み終わって、採点(欠陥のチェック)が済んだら、回路をそのまま捨てるのではなくて、以下の箇所を、仮にミスったとして、再施行してみてください。
当該再施行の際は、ストップウオッチで、時間を計ります。
1つの「ミス」をカバーするのに、どれだけ時間を食うか、肌で体感しておきましょう。
さて、へんな言い方ですが、本問で、「間違っておくとよい」のは…、
…の赤丸の「ボックスコネクタ」のところです。
ここでは、ミス対策を「2つ」行います。
まず、1つ目は、「ロックナット」です。
当該ロックナットですが、「表裏」があります。
先に見たように、「ロックナットは、膨らみのある方がボックスの方」にならないといけないわけですが、この規定を実によく忘れます。
よって、「仮」に、「当該ロックナットの表裏を間違えた」と仮定して、再施行しましょう。
ブッシングを外して、ロックナットを取り外し、再度、付け直してください。
当該やり直しを一度でも体感しておけば、本試験で、ロックナットの表裏を間違えることはないでしょう。
2つ目は、「ねじ切り」です。
先述したように、忘れやすいのは、ボックスコネクタのねじ切りです。
繰り返しますが、当該ねじ切りは、他の候補問題で出てこないため、作業の絶対数がもの凄く少ないのです。
また、練習時には、それ以降の練習のために、実際にねじ切ることをしないため、さらに、ついウッカリ忘れてしまいます。
そこで、「仮」に、「ねじ切りを忘れた」として、ねじを切る“ふり”をしてください。
本当に、ねじ切りは忘れやすいので、超絶なる意識を持って臨んでください。
本試験で、本問に当たったなら、即、問題用紙の余白に、『ねじ切り忘れるな』と、大書しておきましょう。
最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べています。
ところで、文系ド素人にとって、技能の練習時にあると便利なものは、以下のとおり、です。
「ホーザン 合格クリップ」や、
「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、
「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。
絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。
PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。
手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。
受験が終わっても、危険物や消防設備士等の過去問演習で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。
本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。
まず、問題文についでです。
だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。
「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。
次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。
当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。
「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。
先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。
第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。
★みんなとシェアする