候補問題の第12問は、「PF管(合成樹脂性可とう電線管)」の施工が難。固有の『欠陥』が3つあるので、気を抜けない。また、文系ド素人だと、ウォーターポンププライヤの取り扱いに不慣れなので、ミスしやすい。要練習。そのほか、独自の色付きIV線を利用するが、注意さえすれば問題ではない。
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平成30年度(2018年度)の、第2種電気工事士の技能試験の「候補問題12」の独学者向けポイントを見ていきます。
候補問題のNo.12は、結論から言うと、「難」です。
本問で厄介なのは、言うまでもなく、固有部分の「PF管(合成樹脂性可とう電線管)」の施工です。
当該PF管は『欠陥』が「3つ」も取られる難所なので、慎重に作業する必要があります。
また、本工程では、「ウォーターポンププライヤ」を多用するのですが、職人や技術系の人なら問題ないですが、文系ド素人だと、当該道具の取扱いに、鉄工所並みに手を焼くことになります。
また、本問では、IV線を単独で使うため、普段と勝手が違います。施工に慣れておく必要があります。
まあ、PF管は、「第11問のねじなし管(E 19)」に比べたら、遥かに「作業数が少ない」ので、本問に当たったら、胸を撫で下ろしてもいいでしょう。
逆に言うと、本問は、PF管という難敵はいますが、それ以外は、“どうとでもなる”ものばかりなので、ここさえ練習しておけば、合格一直線です。
候補問題12のポイントをまとめると、上記画像のようになります。
固有部分の「PF管」さえ、攻略できれば、合格できます。
PF管の攻略には、その『欠陥』を、明白に把握することです。
PF管の『欠陥』は、先に述べたように、3つあって…、
1つ目の欠陥は、「ボックスコネクタの付け忘れ」です。
2つ目は、「ロックナットの付け忘れ」です。
3つ目は、「ロックナットの向きの間違い」です。
本試験という緊張する“時空”では、思いもよらないミスを犯します。
1つ目・2つ目の「ボックスコネクタ・ロックナットの付け忘れ」も、ふだんの練習ならやらないのですが、選りによって、本試験でやらかしてしまうのです。
練習のときには、PF管を手にしたら、丸っこいボックスコネクタを凝視して、「ここは欠陥・即落ち」と、“やばさ”を、頭に刻み付けてください。
3つ目の「ロックナットの向きの間違い」ですが、「つばのある側」をボックスの方に向けて、取り付けなくてはいけません。
必ず、要領を、テキストで確認してください。
間違えていると即落ちです。練習のときから、つばの有る無しを意識して、練習してください。
神経質になるくらいで丁度いいくらいです。
なお、本試験では、部品が余ることはありません。
ケーブルや予備部品とかは予備がありますが、主たる部品は、決して余りません。
ですから、候補問題を作り上げたときに、机の上に、ロックナット等が残っていたら、“付け忘れた”といった寸法です。
部品の付け忘れは、即落ちなので、日ごろから注意しておきます。
以下は、文系ド素人向けの内容です。
「ウォーターポンププライヤ」に慣れている人は、以下は、無視してもらって結構です。
文系ド素人の人は、ウォーターポンププライヤによる締めに慣れていないので、きっちり練習しておかねばならないのです。
1度2度の練習ではダメです。最低3回・推奨5回は、練習してください。
まず、「ロックナット」からですが…、
単にロックナットを手でくるくる回しただけでは、きちんと締められていません。
①ロックナットを、②ウォーターポンププライヤで押さえて、③ボックスコネクタを手で回す、という作業を経なくてはなりません。
締め付け不良だと、「欠陥」ですので、ゆめ、疎かにしてはなりません。
以下、文系ド素人へのアドバイスです。
力を入れて作業をするとロックナットの角を「なめて」しまい、ぐちゃぐちゃになり、欠陥の「部品損壊」を取られかねません。
そんなに力は要らないので、肩から力を抜いて作業してください。
逆を言うと、「力を入れないと回らないときは、何かが間違っている」と思いましょう。
馬鹿みたいに力を入れると、わたしのように、アウトレットボックスからロックナットが取れなくなります。
いいですか、ウォーターポンププライヤは、ロックナットを「押さえるだけ」です。
ウォーターポンププライヤで、ロックナットを回すのではありません。
回すのはボックスコネクタの方です。
回す『モノ』を間違えないでください。
ロックナットをプライヤでグイグイ回すと、ナットがバカになって、ボックスから取れなくなります。
ナットが馬鹿になると、最悪、「欠陥」で即落ちしかねません。
上のミスは、練習時にわたしもやってしまい、取れなくなってホント往生しました。今でも付いてます。
今後の練習にかなりの支障が発生します。テキストの手順を今一度確認してから、作業に臨んでください。
本問の難所は、先の「PF管」ですが、何気に戸惑うのは、「IV線が単独の、電線状態」になっているところです。
候補問題の大半はケーブルなのですが、本問では、物珍しくIV線で施工することになります。
要領的にはほとんど一緒なのですが、本試験で頭に血が上らないよう、こうするんだーと意識して練習してください。
なお、単独の電線トリオは、PF管に通すので、他の箇所に使ってはいけません。
まあ、1~2回練習しておけば大丈夫でしょう。
支給材料のうち、黒の電線だけ微妙に長い場合、そこから渡り線を取ります。
例年、黒の電線だけが長いのですが、いつ、問題の指定が変わって、赤なり白になるかわかりません。
2電工の技能試験では、試験の開始前に、部品が揃っているかどうか、調べる時間が与えられます。
当該試験開始前の部品チェックのときに、IV線の長さを確かめ、どの色から渡り線を取るのかを、確定させておきましょう。
ほぼ黒のIV線でしょうが、『他の色のIV線から取る』ようになったり、他の問題のように『ケーブルから取る』ことも、十分に考えられるので、そのために備えておきましょう。
リングスリーブは、おおむね、「小」と「極小」を使うはずです。
2種類しかないので、迷うことはないでしょうが、怖いのは、“うっかりミス”です。
電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、さらに「もう一度、指差し確認」をして、ガチャンと接続します。
というのも、『リングスリーブを間違うと、その修正がクソ面倒だから』です。
間違った接続部分を切り取り、新たにケーブルの外装を剥いで、電線の被膜を取るという“時間ロス”の権化です。
おおむね3分は、下手をすると5分は時間を取られます。
本試験は『40分』ですので、当該ミスが、いかに危ないか、お分かりかと思います。
指差し確認の時間は、間違ったことを考えれば、『絶対に、あり』です。
アウトレットボックスの接続の際は、お馴染みの「180度曲げ」で、凌いでください。
上記ひどい図のように、ケーブルを入れたら180度曲げて、ボックス上空をすっきりさせると、混乱しません。
そのほか、慣れておきたいのは、「管工事のケーブル採寸」です。
本問のPF管のように、『管』のある問題では、当該管部分のケーブルの寸法が、絶妙に異なる場合があります。
各自で、お使いのテキストなり先生なりの言うことに従って、寸法を取ってください。ちなみにわたしの使ったテキストでは、2~3センチほど、長めに採寸していました。
ケーブルの長さは、基本的に、「極端に短くなければよい」ので、神経質になる必要はありませんが、作業を「確定」しておくと、本試験で落ち着いて作業できます。テキストの指示に従って、採寸してください。
最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べています。
ところで、文系ド素人にとって、技能の練習時にあると便利なものは、以下のとおり、です。
「ホーザン 合格クリップ」や、
「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、
「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。
絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。
PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。
手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。
受験が終わっても、危険物や消防設備士等の過去問演習で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。
本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。
まず、問題文についでです。
だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。
「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。
次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。
当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。
「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。
先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。
第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。
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