7問‐4路スイッチ:平成30年度(2018年度)2電工候補問題解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 候補問題の第7問は、難関の1つ。兎にも角にも、4路スイッチが山場で、何回も練習していないと100%落ちる。アウトレットボックスは問題ないが、「180度曲げ」は知っておいて損はない。そのほか、難関の本問の練習の仕方や、攻略、要領、手順を説述する。独学者向け。技能試験が本問だったとしても、きちんと練習していれば、合格はできる。

第7問は難関

 

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 平成30年度(2018年度)の、第2種電気工事士の技能試験の「候補問題7」の独学者向けポイントを見ていきます。

 最初に大事なことを言うと、候補問題7は、「難しい部類」に入ります。

 本問には、上の画像を見てもらえばわかるように、「4路スイッチ」という「難易度の高い」固有論点があります。

 本問は、徹底して、当該「4路スイッチ」の練習をしておく必要があります。

 「40分」しかない本試験では、考える時間などありません。考えるよりも、先に手が動くまで、練習あるのみです。

 なお、本問には、「アウトレットボックス」が登場しますが、そう気に病む必要はありません。ケーブルを突っ込むだけだからです。

 しかし、接続の際に、ケーブルが思っている以上に、ごちゃごちゃするので、後述する「180度曲げ」に慣れておいてください。

7の難易度は「難」

 平成30年度(2018年度)の2電工・技能試験の候補問題7

 上記画像を見てもらえばよいように、本問のメイン論点は、「4路スイッチ」のみです。

 他の部分は、他の候補問題を解いていれば、問題ではありません。

 「4路スイッチ」のみ、何とかなったら、合格と相なります。

4路スイッチ攻略‐暗記する

 端的に言うと、「4路スイッチ」は、結線の手順を暗記します。

 本試験では、考えている時間はないので、「この線とこの線をつなぐ」と決めてかかってください。

 組み方を「そらんじる」のがベストです。

3路スイッチは黒0

 まず、3路スイッチの「0」には、黒を結線することを、頭に叩き込みます。

 要は、3心の黒の電線を、3路スイッチの「0」に差し込む、という寸法です。

 言うまでもありませんが、3路スイッチは2つあるので、両方とも、「0」に黒です。

 当該「0黒」の作業は、4路スイッチの作業の一番最初にやりましょう。

 というのも、当該「0黒」は、問題文にて、「極性指示」があるからです。

 おおむね、本試験の施工条件では、3路スイッチの「0」に、黒が指定されています。

 なので、「0」をいの1にやれば、採点部分の(接地極)はクリアできるので、気が楽になる、という次第です。

 なお、残る「1」と「3」は、色の指定がないのが通例です。

 とにかく、「0」に「黒」を最初にやるよう、『手順化』しましょう。

結線の色を決めておく

 さて、先述したように、3路スイッチの「1」と「3」は、例年、色の指定がありません。

 しかし、本試験で迷わないために、どの色にどの色を組むかを、練習時に決めておきます。

 わたしは、3路スイッチの「1」には白の電線を、「3」には赤をつなぐように、『手順化』していました。

 

 んで、上の画像の青の点線部分(『左』の3路スイッチとアウトレットボックスに向かう3心ケーブル)のところは…、

 赤と赤

 白と黒

 …をつなぐように、『手順化』していました。

 まずは、同色の赤を繋いで、んで、残った同士、ってな塩梅です。

 このように、『手順化』しておくと、試験の作業時に、迷いがなくなります。

番号を丸暗記

 うんざりしますが、取り合えず、言葉で述べます。

 3路の右側の「1」は4路の「1」で、3路の「3」は4路の「3」です。

 残りの、3路の左側の「3」は4路の「2」で、3路の「1」は4路の「4」です。

 文字にするとウンザリしますが、要は、右は「1-1、3-3」で、左は「3-2、1-4」と丸暗記して、スイッチ間を接続する、という塩梅です。

 右は同じ番号同士と憶えればすぐですが、左の方は「3・2、1・4」と無規則なので、ブツブツ唱えて憶えましょう。

 また、試験が始まったら、下の画像のような「絵」を書いておくと良いでしょう。

 

 こう憶えて「手順化」して憶えてしまえば、本試験では迷いなく作業できます。

 上記のように、1つ1つの作業を『手順化』して身体に憶えこませておけば、本試験では、まず失敗しません。

 とにかく、ここも「練習あるのみ」なので、4路スイッチ部分だけを、何回も何回も、最低3回は組む練習をしましょう。

アウトレットボックスの基本

 本問では、アウトレットボックスが出てきますが、本試験では、穴が既に空いている筈です。

 本試験では、向かって上が北として、北側に穴1、東に穴2、南に穴1、西に穴1の状態で、ボックスが配られるはずです。

 まず、当たり前なのですが、穴が空いている以上、ケーブルを入れるところが決まってしまうので、正確に、ボックスにケーブルを挿入します。

 反対に言うと、適当にケーブルを入れてはいけない、ってことです。繰り返しますが、ケーブルを入れる穴は決まっています。

 間違ったところに入れると、「誤接続」で即落ちします。

 また、ほとんどいないと思いますが、勝手に穴を開けると、欠陥の「損傷」で即落ちします。

 本試験では、まず穴が空いているので、余計なことはしないように!

180度曲げ

 各ケーブル類を正確に差し込んだ後の、一工夫を述べておきます。

 「180度曲げろ」です。

 

 下手な図ですが、この画像のように、接続の際は、ケーブルを“くっ”と、180度、曲げてしまいます。

 アウトレットボックスにケーブルを、5本も入れると、まあもう、配線だらけで混乱のきわみです。

 ですから、先のひどい図のように、180度曲げて、へんな言い方ですが、元に戻すみたいに、曲げてしまいます。

 こうすると、ごちゃごちゃせず、電線を手で配線を追いやすくなるので、作業効率が上がります。

 別に、ケーブルを曲げたからといって、欠陥をとられるわけではないので、やりやすいようにやりましょう。

 最後に、ゴムブッシングの加工・取り付けですが、問題ないでしょう!

 電工ナイフは、普段の練習でもほとんど使わないので、十字線を割くときは、手を切らないよう気をつけてください。

 でもまあ、大丈夫でしょう。

指差し確認で確実正確

 4路スイッチでの接続は、文系ド素人最強の技「指差し確認」を2回した後で、行ないます。

 要領は、候補問題6の3路スイッチと同じです。

 複線図の接続しようとする箇所を、(これとこれをつなぐ、よござんすね?)といった感じで、指でなぞり…、

 次に、ケーブルの線と線とを指差しして…、

 「このスイッチの○色の電線→真ん中3心ケーブルの○色電線をつなぐ、ヨシッ!」という過程を、

 2回確認してから、リングなりコネクタなりで、ガッチャンコと接続します。

 こうすると、ミスをしなくなりました。

 なお、指差し確認を2回しても、ほとんどの練習では時間が余ったので、時間のロスにはならないはずです。

 接続で失敗をしたことのある人は、ぜひとも、「指差し確認」を導入してみてください。

その他の箇所

 4路スイッチ以外は、ふつうなので、問題はないかと思います。

 強いて言うと、「施工省略」のところは、ちょっとだけ注意しておきます。

 テキストの指示通りの「施工省略」作業を徹底してください。

 てきとーにやっていると、本試験の最中に(アレ、施工省略ってどうしてたっけ?!)と、軽くパニックに陥ります。

リングスリーブ

 接続のリングスリーブは、おおむね、「小」と「極小」を使うはずです。

 他のページでも言っていますが、電線を接続するときは、必ず、リングスリーブの大きさと刻印(圧着マーク)を「指差し確認」して、さらに「もう一度、指差し確認」をして、がちゃんと接続します。

 というのも、『リングスリーブを間違うと、その修正がクソ面倒だから』です。

 間違った接続部分を切り取り、ケーブルの外装を剥いで、電線の被膜を取るという“時間ロス”の権化です。

 おおむね3分は、下手をすると5分は時間を取られます。

 本試験は『40分』ですので、当該ミスが、いかに危ないか、お分かりかと思います。

 指差し確認の時間は、間違ったことを考えれば、『絶対に、あり』です。

独学向け教材

 最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べています。

 

 ところで、文系ド素人にとって、技能の練習時にあると便利なものは、以下のとおり、です。

 「ホーザン 合格クリップ」や、

 「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、

 「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。

 絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

平成30年技能・候補問題

 概要、難易度の整理・まとめ

 1問:位置表示灯

 2問:確認表示灯(常時点灯)

 3問:タイムスイッチ(TS)

 4問:三相3線式200V

 5問:200Vコンセント

 6問:3路スイッチ

 7問:4路スイッチ

 8問:リモコンリレー

 9問:EET

 10問:確認表示灯(同時点滅)

 11問:ねじなし管

 12問:PF管

 13問:自動点滅器(A)

PDFや動画の閲覧

 

 PDFや動画の閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

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技能試験の注意やヒント

 本試験での注意やヒント、コツは、以下のページです。読んでおくと、多少は有利になるかと思います。

 まず、問題文についでです。

 だいたいは「テキストどおり」なのですが、ごく稀に、テキストの指示とは少し変った出題も予想されます。

 「問題文は命取り‐絶対的注意事項」で、問題文を読むクセをつけておきましょう。

 次に、作業のヒントとして、「電源線で準備運動‐こころとゆびを慣らす」をば、お目汚しください。

 当方は、準備運動として、「まずは最初に電源線」をお勧めします。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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