登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」に登場する「生薬」の試験対策ページ。本ページで述べる「ま」の付く生薬は、「マオウ」。「マオウ」はそこそこ出ます。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きの説明文を抜粋しておきます。
『アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分として、マオウ(マオウ科のEphedra sinica Stapf、Ephedra intermedia Schrenk et C. A. Meyer 又はEphedra equisetina Bungeの地上茎を基原とする生薬)が配合されている場合もある。』
『マオウについては、気管支拡張のほか、発汗促進、尿量増加(利尿)等の作用も期待される。』
『アドレナリン作動成分及びマオウ(構成生薬にマオウを含む漢方処方製剤も同様。)については、気管支に対する作用のほか、交感神経系への刺激作用によって、心臓血管系や、肝臓でのエネルギー代謝等にも影響が生じることが考えられる。』
『心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。』
『高齢者では、心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、また、一般的に心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいので、使用する前にその適否を十分考慮し、』
『使用する場合にはそれらの初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされることが重要である。』
『これらのうちメチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウについては、中枢神経系に対する作用が他の成分に比べ強いとされ、依存性がある成分であることに留意する必要がある。』
…以上です。
重要論点がてんこもりです。
なお、英語基原は、押さえなくていいでしょう。ここが出たら諦めましょう。
ちなみに、基原のマオウは、こんなものです。
参考‐グーグル画像検索:マオウ
「マオウ」は、医薬品の頻出成分である「アドレナリン作動成分」と同じ作用があり、かつ、「依存性」があるため、“狙われやすい生薬”です。
出題実績はそこそこあるので、押さえておくべき生薬です。
また、漢方処方製剤の構成生薬の1つなので、漢方処方製剤の理解のためにも、押さえておくべきです。
しかも、「適正使用」の「医薬品的な問題」の論点もあります。
よって、優先順位は、「最も高い」です。
なお、当該生薬が配合された市販薬には、「 【第2類医薬品】ナイシトールZ 420錠 」などがあります。
生薬の効能・効果が頭に入らないときは、実物の説明書きや成分表で、頭に入れていきましょう。
当該生薬は…、
①「マオウ --- 抗炎症成分」
②「かぜ薬に配合される生薬成分であるマオウは、プソイドエフェドリン塩酸塩と同様の作用を示す。」
…といった感じに出題されています。
設問の「マオウ --- 抗炎症成分」ですが、誤った記述です。
「マオウ」は、医薬品でド頻出な「アドレナリン作動成分」です。「気管支拡張成分」とも言われます。
よって、本問は、思いっきり間違えている、といった寸法です。
問題文の言うような、「抗炎症成分」があるのは、おなじみの「カンゾウ」です。
こんな次第で、解答は、「×」と相なります。
②の「かぜ薬に配合される生薬成分であるマオウは、プソイドエフェドリン塩酸塩と同様の作用を示す。」ですが、正しい記述です。
「関西広域連合 R2 第21問:かぜ薬」の選択肢4で出題された論点です。
先に見たように、「マオウ」は、「アドレナリン作動成分」です。
選択肢の「プソイドエフェドリン」も、同じ「アドレナリン作動成分」です。
よって、「同様の作用を示す」で、正解となります。
こういう、間接的な表現をする出題もあるので、慣れておきましょう。
こんな次第で、解答は、「○」と相なります。
当該マオウは、「漢方処方製剤」の主たる論点の1つとなっています。
よって、実によく出題される生薬となっています。例題を挙げると…、
『次のa~dの漢方処方製剤のうち、かぜの症状の緩和に用いられ、構成生薬としてカンゾウ及びマオウを含む製剤の正しい組み合わせはどれか?』
a.葛根湯
b.小青竜湯
c.小柴胡湯
d.柴胡桂枝湯
…といったように、漢方処方製剤の配合生薬の有無を問われています。
昨今では、漢方処方製剤の出題が激増しているため、もはや、漢方処方製剤を無視できなくなっています。
「マオウ」の効能を知っておくと、漢方処方製剤の勉強に、少し有利になるので、シッカリと押えておきましょう。
なお、先の例題ですが、構成生薬に「カンゾウ・マオウ」を含むのは、「a.葛根湯」と「b.小青竜湯」で、「aとb」と相なります。
マオウですが、「適正使用」の論点があり、これも、無視できません。
「マオウ」ですが、「相談すること」だけに登場する生薬です。
「使用(服用)しない」には、出てきません。
“こういう”のは、出題者が試験に出しやすいので、押えておきましょう。
さて、「マオウ」が「相談すること」なのは、複数あって、試験に出そうなのは…、
心臓病
甲状腺機能障害、甲状腺機能亢進症
高血圧
糖尿病
…となっています。
どれも、「アドレナリン作動成分」に関するものばかりです。
本試験の直前あたりで、憶えてしまいましょう。
なお、試験的なことを言うと、「適正使用」で出てくる生薬は「マオウ」くらいです。
なので、もし、本試験にて、「○○××なため、相談することになっている“生薬”はどれか?」的な問題が出たなら、即断に、「マオウ」を選べばよい、と相なります。
まずもって、「マオウ」ですが、○×問題で見たように、「依存性」があります。
手引きには…、
『マオウについては、中枢神経系に対する作用が他の成分に比べ強いとされ、依存性がある成分であることに留意する必要がある。』
…と、明記されています。
アドレナリン作動成分で依存性があるのは、「メチルエフェドリン塩酸塩と、「メチルエフェドリンサッカリン塩」などです。
ところで、「医薬品」の「鎮咳去痰薬」での記述には…、
『メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウについては、中枢神経系に対する作用が他の成分に比べ強いとされ、依存性がある成分であることに留意する必要がある。』
…とあります。
当該記述が、「福岡県 R4 第71問」で、正面から問われています。
「依存性」の論点は、要注意なので、チェックしておきましょう。
「マオウ」ですが、「高齢者」に対する注意喚起がなされています。
手引きには…、
「高齢者は、心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、また、一般的に心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいので、」
「使用する前にその適否を十分考慮し、使用する場合にはそれらの初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされることが重要である。」
…とあります。
留意すべき「心臓病や高血圧、糖尿病」ですが、「相談すること」の「基礎疾患」と被っているので、併せて押えておきましょう。
「関西広域連合 R2 第56問」にて、先に見た「相談すること」の論点が出題されています。
本問は、漢方処方製剤の論点が合わさった「応用問題」です。
こういう出題も見られるようになっているので、傾向把握の一環としてください。
暗記用に、空白問題を出しておきます。
マオウ --- 「○○○○○○作動成分、○○促進、○○増加」
すらっと出るようなら、OKです。アレレなら、ページの上の方を見つめてください。
「ま行の生薬」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
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興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
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