ヨウ素は、「呼吸器官に作用する薬」の「口腔咽喉薬」の「殺菌消毒成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「殺菌消毒成分」
「口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として、」
「セチルピリジニウム塩化物、デカリニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、ポビドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、チモール等が用いられる。」
「ヨウ素系殺菌消毒成分又はクロルヘキシジングルコン酸塩若しくはクロルヘキシジン塩酸塩が配合されたものでは、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。」
「これらの成分に対するアレルギーの既往歴がある人では、使用を避ける必要がある。」
「ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、結果的にヨウ素の摂取につながり、甲状腺におけるホルモン産生(※1)に影響を及ぼす可能性がある。」
「バセドウ病(※2)や橋本病(※3)などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、その治療に悪影響(治療薬の効果減弱など)を生じるおそれがあるため、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。」
「妊娠中に摂取されたヨウ素の一部は血液-胎盤関門を通過して胎児に移行するため、」
「長期間にわたって大量に使用された場合には、胎児にヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能障害を生じるおそれがある。」
「また、摂取されたヨウ素の一部が乳汁中に移行することも知られており、母乳を与える女性では、同様に留意される必要がある。」
「このほか、ヨウ素系殺菌消毒成分については、口腔粘膜の荒れ、しみる、灼熱感、悪心(吐きけ)、不快感の副作用が現れることがある。」
…と、相なります。
『甲状腺は、喉頭突起(のどぼとけ)の下方に位置する小さな分泌腺で、摂取されたヨウ素を取り込んでホルモン(甲状腺ホルモン)を産生する。』
選択肢の1つに、そのまんまが出るくらいかと思います。
ざっと目を通しておけばいいでしょう。
『甲状腺ホルモンの分泌が異常に亢進して、眼球突出、頻脈などの症状が現れる病気。』
登録販売者は医者ではないので、「バセドウ病」がガチで問われることは、ないと思います。
選択肢の1つに、出るくらいかと思いますが、一読しておきましょう。
『甲状腺ホルモンの分泌が低下して、倦怠感、むくみ、筋力低下などの症状が現れる病気。』
「橋本病」ですが、これも、一読しておけばいいでしょう。
当該ヨウ素ですが、Ⅹ(皮膚に用いる薬)への準用規定がありますが、当該皮膚に用いる薬には、出てこないです。
お友達の「皮膚に用いる薬:ポビドンヨード」で、感じをつかんでおいてください。
ご存じのように、「ヨウ素」は、「口腔咽喉薬」の「殺菌消毒成分」として登場します。
市販薬には、「【第3類医薬品】のどぬ~るスプレーEXクール 15mL 」などがあります。
当該成分ヨウ素は、あまり本試験で問われなかったのですが、最近では、禁忌が多々あることから、よく出るようになっています。
「宮城県 R3 第31問」や「香川県 R5 午後第10問」といったといった出題例があります。
優先順位は、「高い」です。
ヨウ素は…、
① ヨウ素 --- 殺菌消毒成分。
② ヨウ素は、妊娠した女性でも、安心して使用できる。
③ ヨウ素は、バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、その治療に悪影響(治療薬の効果減弱など)を生じるおそれがない。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「ヨウ素 --- 殺菌消毒成分」ですが、正しい記述です。
基本問題です。
当該ヨウ素は、「殺菌消毒成分」です。
よって、①は、「○」となります。
②の「ヨウ素は、妊娠した女性でも、安心して使用できる。」ですが、誤った記述です。
先の手引きでも見たように…、
「妊娠中に摂取されたヨウ素の一部は血液-胎盤関門を通過して胎児に移行するため、」
「長期間にわたって大量に使用された場合には、胎児にヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能障害を生じるおそれがある。」
…とあります。
よって、妊娠した女性は、安心して使用できません。
禁忌は、ほぼ出題されるようになっているので、押えておきましょう。
よって、「×」となります。
③の「ヨウ素は、バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、その治療に悪影響(治療薬の効果減弱など)を生じるおそれがない。」ですが、誤った記述です。
問題文を最後まで読んで、ずっこけてしまう選択肢です。
間違っているのは、「生じるおそれが“ない”」のところです。
先の手引きでも見たように…、
「バセドウ病(※2)や橋本病(※3)などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、その治療に悪影響(治療薬の効果減弱など)を生じるおそれがあるため、」
「使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。」
…とあります。
ヨウ素は、甲状腺疾患等の治療に悪影響(治療薬の効果減弱など)を生じるおそれが“ある”ので、「相談すること」となっています。
キーワードの「バセドウ病」や「橋本病」、「甲状腺疾患」は、チェックしておきましょう。
よって、「×」となります。
ヨウ素の「口腔咽喉薬」でのポイントを、おさらいのためにまとめておきます。
「殺菌消毒成分」は、口腔内や喉に付着した細菌などの微生物を死滅させたり、その繁殖を抑えたりするために配合されます。
ヨウ素系殺菌消毒成分は、まれに、ショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用が生じます。
最近は、当該「ショック(アナフィラキシー)」が単独で問われることがあるので、「登録販売者 医薬品 ショック(アナフィラキシー)の副作用のまとめ」で、横断的に押えておきましょう。
ヨウ素が乳汁中に移行するため、乳児に甲状腺機能障害の起きる可能性があります。
妊娠中に使用すると、ヨウ素が胎児に移行するため、胎児に甲状腺機能障害が生じるおそれがあります。
手引きには…、
「妊娠中に摂取されたヨウ素の一部は血液-胎盤関門を通過して胎児に移行するため、長期間にわたって大量に使用された場合には、」
「胎児にヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能障害を生じるおそれがある。」
「また、摂取されたヨウ素の一部が乳汁中に移行することも知られており、母乳を与える女性では、同様に留意される必要がある。」
…とあります。
女性系の禁忌は、どの成分でも定番論点なので、「ヨウ素」でも、押えておきましょう。
ヨウ素系殺菌消毒成分の問題で、「奈良県 R4 第68問」のような出題があったので、述べておきます。
先に見たように、「バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の診断を受けた人」は、使用前に「相談がなされるべき」となっています。
手引きには…、
「ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、結果的にヨウ素の摂取につながり、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある。」
「バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、その治療に悪影響(治療薬の効果減弱など)を生じるおそれがあるため、」
「使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。」
…とあります。
当該論点は、ポビドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素などの「ヨウ素系殺菌消毒成分」に共通する論点です。
追々で構いませんが、「バセドウ病」や「橋本病」、「甲状腺疾患」は、チェックしておきましょう。
当該キーワードを正面から問う問題の可能性があります。
たとえば、「バセドウ病や橋本病の診断を受けた人が相談すべき成分はどれか?」といった出題です。
答えには、ヨウ素系殺菌消毒成分のものを選ぶことになります。
このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、再確認してください。
「ヨウ素」ですが、「適正使用」の「相談すること」で、出題されることがあります。
「ヨウ素の体内摂取が増える可能性がある」ので、甲状腺疾患の診断を受けた人は、使用前に医師などに相談します。
注意すべきは、「甲状腺疾患」のところです。
似たような語句に「甲状腺機能障害」や「甲状腺機能亢進症」がありますが、別物です。
「ひっかけ」で出たことがあるので、整理して押えてください。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「【第3類医薬品】のどぬ~るスプレーEXクール 15mL 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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