ジフェニドール塩酸塩は、「精神神経に作用する薬」の「鎮暈薬」の「抗めまい成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「抗めまい成分」
「ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。」
「抗ヒスタミン成分と共通する類似の薬理作用を示し、海外では制吐薬やめまいの治療薬として使われてきた。」
「日本においては専ら抗めまい成分として用いられている。」
「副作用として、抗ヒスタミン成分や抗コリン成分と同様な頭痛、排尿困難、眠気、散瞳による異常な眩しさ、口渇のほか、浮動感や不安定感が現れることがある。」
「排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人では、その症状を悪化させるおそれがあり、」
「使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。」
…と、相なります。
ご存じのように、「ジフェニドール塩酸塩」は、「鎮暈薬」の「抗めまい成分」として登場します。
市販薬には、「トラベルミンR 6錠 」などがあります。
当該成分ですが、「鎮暈薬」では、トップクラスの出題率です。
「関西広域連合 R2 第30問」や「福岡県 R1 第70問」、「大阪府 H29 第27問」といった出題例があります。
「適正使用」の論点もあり、「愛知県 R4 第119問」といった感じで、よくよく問われています。
優先順位は、「とても高い」です。
ジフェニドール塩酸塩は…、
① ジフェニドール塩酸塩は、副作用として、頭痛、排尿困難、眠気、散瞳による異常な眩まぶしさ、口渇のほか、浮動感や不安定感が現れることがある。
② ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。
③ ジフェニドール塩酸塩は、脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として配合されている。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「ジフェニドール塩酸塩は、副作用として、頭痛、排尿困難、眠気、散瞳による異常な眩まぶしさ、口渇のほか、浮動感や不安定感が現れることがある」ですが、正しい記述です。
そのとおりの記述です。
先の手引きで見たように…、
「副作用として、抗ヒスタミン成分や抗コリン成分と同様な頭痛、排尿困難、眠気、散瞳による異常な眩しさ、口渇のほか、浮動感や不安定感が現れることがある。」
…となっています。
副作用は、ほぼ問われるようになっているので、ガチで押えておきましょう。
よって、①は、「○」となります。
さて、「ひっかけ」問題対策です。
例題を挙げると…、
「ジフェニドール塩酸塩は、副作用として、頭痛、排尿困難、眠気、縮瞳による異常な眩まぶしさ、口渇のほか、浮動感や不安定感が現れることがある」
…といった「ひっかけ」を想定しておきましょう。
おわかりでしょうか?
間違えているところは、「縮瞳」のところです。「ジフェニドール塩酸塩は…散瞳による異常な眩まぶしさ・・・」でしたね。
こういう問題も稀に出るので、1字1句に気をつけてください。
なお、ブログの「登録販売者の散瞳と縮瞳のまとめ」も参考にしてみてください。
②の「ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す」ですが、正しい記述です。
そのとおりの記述です。
先の手引きで挙げたように…、
「ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。」
…となっています。
テキストを精読しておきましょう。
よって、②は、「○」となります。
なお、当該論点も、「ひっかけ」のオンパレードです。
たとえば…、
「ジフェニドール塩酸塩は、外耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用…」とか…、
「ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある蝸牛と脳を結ぶ神経の調節・・・」といった感じで出されます。
試験科目の「身体」の「耳」のところを見ながら、テキストを精読してください。結構、この種の「ひっかけ」をよく見ます。
③の「ジフェニドール塩酸塩は、脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として配合されている」ですが、誤った記述です。
選択肢の言う「脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させる」ために配合されるのは、「キサンチン系成分」です。
ジフェニドール塩酸塩は、「抗めまい成分」で、「内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用」を示します。
よって、③は、「×」となります。
ジフェニドール塩酸塩の、その他のポイントです。
「排尿困難」な人、「緑内障」の診断を受けた人は、悪化のおそれがあるので、使用する前に医師などに相談します。
先に挙げた市販薬には、「■■相談すること■■」のところの「(5)次の症状のある人」に「排尿困難」が、「(6)次の診断を受けた人」に「緑内障」とあります。
また、「眠気を促す作用」があります。乗り物や機械の運転をするときは使用を避けます。
このあたりのことが頭に入っていれば、選択肢はおおむね判別できるはずです。
ジフェニドール塩酸塩ですが、「適正使用」の「相談すること」のみに登場します。
「排尿困難」と「緑内障」のところです。
そこそこ問われているので、押さえておいて損はありません。
さて、「理由」ですが、それぞれ…、
「排尿筋の弛緩と括約筋の収縮が起こり、尿の貯留を来すおそれがあるため。特に、前立腺肥大症を伴っている場合には、尿閉を引き起こすおそれがあるため」
「抗コリン作用によって房水流出路(房水通路)が狭くなり、眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがあるため。」
…となっています。「理由」は、余裕があれば、見ておきましょう。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「トラベルミンR 6錠 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「鎮暈薬」の「抗めまい成分」は、当該ジフェニドール塩酸塩しかありません。よって、リンクは「なし」です。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
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