スコポラミン臭化水素酸塩‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 スコポラミン臭化水素酸塩は、「精神神経に作用する薬」の「鎮暈薬」の「抗コリン成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

傾向と優先順位

 ご存じのように、「スコポラミン臭化水素酸塩」は、「鎮暈薬」の「抗コリン成分」として登場します。

 市販薬には、「アネロン「ニスキャップ」 9カプセル」や「【第2類医薬品】トラベロップQQ S 8錠 」などがあります。

 ところで、「スコポラミン臭化水素酸塩」には、固有の論点がたくさんあるので、いの一に狙われる成分です。

 「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。

 優先順位は「高い」です。

過去問○×問題

 スコポラミン臭化水素酸塩は…、

 ① スコポラミン臭化水素酸塩は、肝臓で徐々に代謝されるため、抗ヒスタミン成分と比べて作用持続時間が長い。

 ② スコポラミン臭化水素酸塩は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である。

 ③ スコポラミン臭化水素酸塩水和物(スコポラミン臭化水素酸塩)は、抗ヒスタミン成分であるメクリジン塩酸塩と比べて作用の持続時間が短い。

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

 ③の正誤はこちらです。

例題解説

 先の○×問題の解説です。

 ①の「スコポラミン臭化水素酸塩は、肝臓で徐々に代謝されるため、抗ヒスタミン成分と比べて作用持続時間が長い」ですが、全くの誤りです。

 事情は全くの「逆」で、スコポラミン臭化水素酸塩は、肝臓で速やかに代謝されてしまうため、持続時間は、抗ヒスタミン成分より、“短い”です。

 よって、①は、「×」となります。

 当該時間の長短は、「鎮暈薬」の定番論点です。

 抗ヒスタミン成分の「メクリジン」ともども、実によく出るんで注意してください。

②は定番

 ②の「スコポラミン臭化水素酸塩は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である」ですが、明白に間違いです。

 ごぞんじのように、スコポラミン臭化水素酸塩は、「抗コリン成分」です。

 よって、②は、「×」となります。

 なお、「抗ヒスタミン成分」の憶え方として、「ミンの有無で判別」があります。

 参考:抗ヒスタミン成分の憶え方‐登録販売者

 しかし、当該スコポラミン臭化水素酸塩は、『例外』として、「ミンがあるけど抗ヒスタミンではない成分」となっています。注意して憶えてください。

③も基本

 ③の「スコポラミン臭化水素酸塩水和物(スコポラミン臭化水素酸塩)は、抗ヒスタミン成分であるメクリジン塩酸塩と比べて作用の持続時間が短い」ですが、その通りです。

 先述したように、スコポラミン臭化水素酸塩は、肝臓で速やかに代謝されてしまうため、持続時間は、抗ヒスタミン成分より、“短い”です。

 よって、③は、「○」となります。

試験ポイント

 スコポラミン臭化水素酸塩の、その他のポイントです。

 スコポラミン臭化水素酸塩は、消化管からよく吸収され、他のコリン成分より脳内に移行しやすいです。

 スコポラミン臭化水素酸塩は、中枢に作用して自律神経系の混乱を減少させます。ほいで、末梢では、消化管の緊張を緩和させます。

 「散瞳」による目のかすみや、異常なまぶしさを引き起こす作用があります。

 参考:登録販売者の散瞳と縮瞳のまとめ

 また、「眠気を促す作用」があります。乗り物や機械の運転をするときは使用を避けます。

 繰り返しますが、「スコポラミン臭化水素酸塩は、肝臓で速やかに代謝されてしまうため、持続時間は、抗ヒスタミン成分より、“短い”」です。ホントに出ます、出ています。

 このあたりのことが頭に入っていれば、選択肢はおおむね判別できるはずです。

「適正使用」対策

 先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。

 「スコポラミン臭化水素酸塩」ですが、「使用(服用)しない」の論点があります。

 それは、「運転操作をしない」です。

 「理由」は、「眠気、目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがあるため」となっています。

 「適正使用」にて、出題実績のある論点なので、押えておきましょう。

 なお、「相談すること」にも登場しますが、押えるのは「酷」なので、「捨て問」でよいでしょう。

 スコポラミン臭化水素酸塩は、先の「運転操作しない」だけ、押えておけばいいです。

 参考:適正使用対策‐運転操作しない

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「アネロン「ニスキャップ」 9カプセル」や「【第2類医薬品】トラベロップQQ S 8錠 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「鎮暈薬」の「抗コリン成分」へのリンクです。

 スコポラミン臭化水素酸塩

 ロートコン

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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