スコポラミン臭化水素酸塩は、「精神神経に作用する薬」の「鎮暈薬」の「抗コリン成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「抗コリン成分」
「抗コリン作用を有する成分は、中枢に作用して自律神経系の混乱を軽減させるとともに、末梢では消化管の緊張を低下させる作用を示す。」
「スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗コリン成分で、」
「消化管からよく吸収され、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しやすいとされるが、」
「肝臓で速やかに代謝されてしまうため、抗ヒスタミン成分等と比べて作用の持続時間は短い。」
「スコポラミンを含む成分としてロートエキス(ロートコン(ナス科のハシリドコロ(略)を基原とする生薬)の抽出物)が配合されている場合もある。」
…と、相なります。
ご存じのように、「スコポラミン臭化水素酸塩」は、「鎮暈薬」の「抗コリン成分」として登場します。
市販薬には、「アネロン「ニスキャップ」 9カプセル」や「【第2類医薬品】トラベロップQQ S 8錠 」などがあります。
試験では、そこそこ出題される成分で、「関西広域連合 R2 第30問」や「大阪府 H29 第27問」といった出題例があります。
当該「スコポラミン臭化水素酸塩」には、固有の論点があるので、出題者からすると、出しやすい成分と言えます。
「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。「愛媛県 R2 第113問」といった出題実績があります。
優先順位は、「高い」です。
スコポラミン臭化水素酸塩は…、
① スコポラミン臭化水素酸塩は、肝臓で徐々に代謝されるため、抗ヒスタミン成分と比べて作用持続時間が長い。
② スコポラミン臭化水素酸塩は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である。
③ スコポラミン臭化水素酸塩水和物(スコポラミン臭化水素酸塩)は、抗ヒスタミン成分であるメクリジン塩酸塩と比べて作用の持続時間が短い。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「スコポラミン臭化水素酸塩は、肝臓で徐々に代謝されるため、抗ヒスタミン成分と比べて作用持続時間が長い」ですが、誤った記述です。
間違っているのは、「肝臓で徐々に代謝されるため、抗ヒスタミン成分と比べて作用持続時間が長い」のところです。
正しくは、「肝臓で“速やかに”代謝されてしまうため、抗ヒスタミン成分と比べて作用持続時間が“短い”」です。
よって、①は、「×」となります。
当該時間の長短は、「鎮暈薬」の定番論点です。
「スコポラミン臭化水素酸塩・・・短い!」と、ガチ暗記しておきましょう。
②の「スコポラミン臭化水素酸塩は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である」ですが、正しい記述です。
そのとおりの記述です。
先の手引きの記述で挙げたように…、
「スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗コリン成分で、」
…とあります。
こういう、何気ない記述も問われるようになっているので、テキストで確認しておきましょう。
よって、②は、「×」となります。
③の「スコポラミン臭化水素酸塩水和物(スコポラミン臭化水素酸塩)は、抗ヒスタミン成分であるメクリジン塩酸塩と比べて作用の持続時間が短い」ですが、正しい記述です。
少しだけ、応用の効いた問題です。
先の手引きで見たように…、
「(スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、)肝臓で速やかに代謝されてしまうため、抗ヒスタミン成分等と比べて作用の持続時間は短い。」
…となっています。
んで、選択肢にある「メクリジン塩酸塩」は、「抗ヒスタミン成分」です。
参考:メクリジン塩酸塩
選択肢の前半・後半ともに、正しいです。
よって、③は、「○」となります。
スコポラミン臭化水素酸塩の、その他のポイントです。
スコポラミン臭化水素酸塩は、消化管からよく吸収され、他のコリン成分より脳内に移行しやすいです。
スコポラミン臭化水素酸塩は、中枢に作用して自律神経系の混乱を減少させます。ほいで、末梢では、消化管の緊張を緩和させます。
鎮暈薬では、上記くらいが問われるのが関の山かと思われます。
「適正使用」用のまとめです。
「スコポラミン臭化水素酸塩」ですが、「使用(服用)しない」の論点があります。
それは、「運転操作をしない」です。
「理由」は、「眠気、目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがあるため」となっています。
「適正使用」にて、出題実績のある論点なので、押えておきましょう。
なお、「相談すること」にも登場しますが、押えるのは「酷」なので、「捨て問」でよいでしょう。
スコポラミン臭化水素酸塩は、先の「運転操作しない」だけ、押えておけばいいです。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「アネロン「ニスキャップ」 9カプセル」や「【第2類医薬品】トラベロップQQ S 8錠 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「鎮暈薬」の「抗コリン成分」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
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