32問‐令和3年度の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第32問は、「区分所有法‐共用部分及びその持分」の問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

32問‐区分所有法‐共用部分及びその持分

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 今後、問われる可能性があるので、シッカリ復習しておきましょう。

 本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。

解説

 類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢1

 選択肢1の「区分所有者が数個の専有部分を所有する場合の各敷地利用権の割合は、共用部分の 持分の割合と同一であり、規約で別段の定めをすることができない。」ですが、誤った記述です。

 間違っているのは、後半部分の「規約で別段の定めをすることができない」のところです。

 まずもって、条文の第二十二条(分離処分の禁止)の第2項には…、

 「2 前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用 権の割合は、第十四条第一項から第三項までに定める割合による。」

 「ただし、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。

 …とあります。

 下線部分は、おなじみの「第十四条(共用部分の持分の割合)」の規定で…、

 「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。

 …です。

 んなもんで、前半部分は正しいのです。

 しかし、二十二条の但し書きに、「規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。」と、あるように、規約で別の定めができることがわかります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢2

 選択肢2の「共用部分の管理に関する事項であっても、それが専有部分の使用に特別の影響を及 ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。」ですが、正しい記述です。

 第十八条(共用部分の管理)の条文知識を問う問題です。

 第十八条ですが、第三項に、「前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する」という、準用規定があります。

 んで、当該前条とは、第十七条(共用部分の変更)で、当該条文には…、

 「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議 決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過 半数まで減ずることができる。」

 「2 前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部 分の所有者の承諾を得なければならない。

 …とあります。

 このように、「共用部分の変更」の際に、専有部分の使用に特別の影響がある場合に所有者の承諾を得る規定は、「共用部分の管理」にも適用がある、ってな次第です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢3

 選択肢3の「共用部分の持分の割合と管理費等の負担割合は、一致しないこともある。」ですが、正しい記述です。

 条文知識を問う問題です。

 第十九条(共用部分の負担及び利益収取)には…、

 「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分 から生ずる利益を収取する。」

 …とあります。

 んなもんで、管理費等の負担は、規約で別の定めもすることも可能となります。

 たとえば、エレベーターを考えてみましょう。

 1階の住民は、エレベーターを使うことは、ほとんどないですが、それなのに、エレベーターのメンテナンス費用を負担するのは、公平ではないですね。

 よって、1階の人の管理費は、階上の人とは、少ない額にすることも可能、ってな次第です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢4

 選択肢4の「共用部分の共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有 部分と分離して共用部分の持分を処分することができない。」ですが、正しい記述です。

 そのとおりの記述です。

 第十五条(共用部分の持分の処分)には…、

 「共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。」

 「2 共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。

 …とあります。

 なお、「この法律に別段の定めがある場合」ですが、これは…、

 ・規約によって、共用部分を管理所有とする場合。

 ・規約によって、持ち分割合を変更する場合。

 …となっています。併せて、押えておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「ア」は「誤」です。

 「イ」は「正」です。

 「ウ」は「正」です。

 「エ」は「正」です。

 本問は、「最も不適切なものはどれか?」ですので…

 正解:1

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 類似問題あります。テーマ別の問題演習は、「管業「区分所有法」の過去問リスト」を、活用ください。

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 使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

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