午後第1問‐広島県 令和4年度(2022年度)過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、「医薬品」の「かぜ薬」についての問題です。すべての選択肢が手ごわい問題です。これまでの試験の中でも有数の難しさです。ハイレベルな問題なので、できそうにない・時間がかかりそうなら、「後回し」を推奨します。過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、復習だけはしておきましょう。

午後第1問‐かぜ薬

 

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難易度コメント+こたえ

 本問の難易度は、「難」です。

 なお、本問の解答は、こちら(数字のみ)です。

選択肢a

 選択肢aの「一般の生活者にとって、かぜとインフルエンザとの識別は必ずしも容易ではないため、 インフルエンザの流行期には、本剤のように解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンのみか らなる製品の選択を提案すること等の対応を図ることが重要である。」ですが、正しい記述です。

 そのとおりの記述です。

 手引きには…、

 「サリチルアミド、エテンザミドについては、15歳未満の小児で水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっているときは使用を避ける必要があるが、

 「一般の生活者にとっては、かぜとインフルエンザとの識別は必ずしも容易でない。

 「医薬品の販売等に従事する専門家においては、インフルエンザ流行期等、必要に応じて購入者等に対して積極的に注意を促したり、」

 「解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンや生薬成分のみからなる製品の選択を提案したりする等の対応を図ることが重要である」

 …とあります。

 過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、テキストを精読しておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢b

 選択肢bの「本剤には、眠気を促す成分は含まれていない。」ですが、誤った記述です。

 この薬には、「抗ヒスタミン成分」の「クロルフェニラミンマレイン酸塩」が配合されています。

 手引きには…、

 「抗ヒスタミン成分によりヒスタミンの働きが抑えられると眠気が促される。」

 「重大な事故につながるおそれがあるため、抗ヒスタミン成分が配合された内服薬を服用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避けることとされている。」

 …となっています。

 「適正使用」の論点の「運転操作しない」も、思い出してください。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢c

 選択肢cの「本剤には、交感神経系への刺激作用により高血圧の症状を悪化させるおそれのある成 分が含まれている。」ですが、正しい記述です。

 「交感神経系への刺激作用」のところから、「アドレナリン作動成分」のことを言っているのがわかります。

 この薬には、「メチルエフェドリン塩酸塩」が入っているので、前半部分は、正しいことがわかります。

 んで、当該メチルエフェドリン塩酸塩ですが、手引きには…、

 「心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能亢進症の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがあり、」

 「使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべき である。」

 …となっています。

 「適正使用」の「相談すること」でも出るので、チェックしておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢d

 選択肢dの「トラネキサム酸は、血液を凝固しにくくさせる作用があり、血液凝固異常のある人で は、出血傾向を悪化させるおそれがあるので、治療を行っている医師等に相談するなど の対応が必要である。」ですが、誤った記述です。

 難しい選択肢です。

 間違っているのは、「血液を凝固しにくくさせる作用があり、血液凝固異常のある人で は、出血傾向を悪化させるおそれがある」のところです。

 正しくは、「凝固した血液を溶解されにくくする働きもあるため、血栓のある人(脳血栓、心筋 梗塞、血栓性静脈炎等)や血栓を起こすおそれがある」です。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、憶える必要はありませんが、選択肢の言う「血液を凝固しにくくさせる作用があり、血液凝固異常のある人で は、出血傾向を悪化させるおそれがある」の記述は、かつての「かぜ薬」の「抗炎症成分」にあった「セミアルカリプロティナーゼ」と「ブロメライン」の記述です。

 令和4年度の改正で、これら2成分は削除されています。

 さて、当該「トラネキサム酸」ですが、「相談すること」でも出ます。

 「基礎疾患3」も、参考にしてください。

答え

 「a」は「正」です。

 「b」は「誤」です。

 「c」は「正」です。

 「d」は「誤」です。

 「正しい組み合わせ」は、

 正解:2

 さて、最終解答でミスったのなら、必ず、「登録販売者の解答は2回念押し‐最終得点は2~3点上がる」に、目を通しておきましょう。選び方を変えるだけで、点が取れます。

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医薬品

 午後1問:かぜ薬

 午後2問:かぜ薬の配合成分

 午後3問:漢方処方製剤(かぜ)

 午後4問:解熱鎮痛成分の働きと副作用

 午後5問:解熱鎮痛成分

 午後6問:漢方処方製剤(鎮痛)

 午後7問:眠気を促す薬及び眠気を防ぐ薬

 午後8問:鎮暈薬

 午後9問:鎮咳去痰薬

 午後10問:漢方処方製剤(鎮咳去痰)

 午後11問:胃の薬

 午後12問:胃に作用する薬

 午後13問:腸の薬の配合成分

 午後14問:腸の薬

 午後15問:漢方処方製剤(腸の薬)

 午後16問:胃腸鎮痛鎮痙薬

 午後17問:浣腸薬及び駆虫薬

 午後18問:強心薬

 午後19問:高コレステロール改善薬

 午後20問:貧血用薬

 午後21問:痔の薬

 午後22問:漢方処方製剤(泌尿器用薬)

 午後23問:月経及び婦人薬の適用対象

 午後24問:婦人薬

 午後25問:漢方処方製剤(アレルギー)

 午後26問:点鼻薬

 午後27問:点鼻薬の成分

 午後28問:眼科用薬

 午後29問:眼科用薬の配合成分

 午後30問:皮膚に用いる薬

 午後31問:皮膚に用いる薬の成分

 午後32問:ステロイド性抗炎症成分

 午後33問:歯痛薬・歯槽膿漏薬

 午後34問:禁煙補助剤

 午後35問:滋養強壮保健薬

 午後36問:漢方処方製剤(肥満症又は肥胖症)

 午後37問:消毒薬

 午後38問:殺虫成分

 午後39問:一般用検査薬

 午後40問:尿糖・尿タンパク検査薬

令和4年度 広島県

 ・インデックス

 ・医薬品に共通する特性と基本的な知識(午前:第1~第20問)

 ・人体の働きと医薬品(午前:第21~第40問)

 ・薬事に関する法規と制度(午前:第41~第60問)

 ・主な医薬品とその作用(午後:第1~第40問)

 ・医薬品の適正使用と安全対策(午後:第41問~第60問)

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

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こまごましたもの

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