上下1ケタ~3ケタを検算する

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 簡易かつ手間の要らない検算方法。足し算をして得られた計算結果の、下1ケタ~下3ケタを検算すると、おおまかな正否が判明する。反対に、上1ケタ~上3ケタを検算しても、おおまかにわかる。計算ミスのメカニズムもある。

下1ケタ~下3ケタを検算する

 下の画像のような足し算しなくてはならないとします。

 

 で、電卓を叩いたら、下のような結果が出たとします。

 

 合っているかどうか、検算してみましょう。

 一口で言うと、「下1ケタを計算すれば、おおまかにわかる」です。

 「4+7+3+8」で、「22」です。

 10の位は、桁上がりがあるので、数字が違ってきます。しかし、1の位は桁上がりがないのですから、下1ケタの検算のように、1の位は「2」にならないといけないはずです。

 ここで瞬時に、この計算が間違っているのがわかります。

 桁数を上げると精度がよくなります。

 下2ケタの計算をすると…

 「34+57+93+58」で、「242」です。

 100の位のところは、先と同様、桁上がりがあるので数字は違っていても、10の位は桁上がりがないので「42」にならないといけないはず。

 でも、画像では「31」なので、完全に間違っていると判明した次第です。

 ついでに、下3ケタもやってみましょう。

 「134+257+93+558」で、「1,042」。間違いですね。

 正しい計算結果は、「2,742,042」です。(わざわざ計算する必要はありません。)

 まとめます。

 下1ケタの計算で、1の位の正否が、

 下2ケタの計算で、10の位までの正否が、

 下3ケタの計算で、100の位までの正否がわかる、という塩梅です。

 全部を計算するのに比べたら、圧倒的に手間を減らして、計算結果を検算できると言う塩梅です。

 上の例では、見やすさという便宜上、4つの足し算ですが、売掛金のT字勘定のように、7個8個9個の足し算なら、かなりの威力を発揮します。

上1ケタ~上3ケタを検算する

 「下1ケタ~下3ケタ検算」の逆バージョンです。

 下の画像のような計算をしなくてはならず、で、電卓を叩いたら、下のような結果が出たとします。

 

 合っているかどうか?を、上1ケタを足し算して検算してみましょう。

 「7+7+6+3+9」で、「32」です。画像の計算結果も「32」です。

 合っているかもしれません。

 上2ケタを足し算してみます。

 「72+76+69+37+91」で、「345」です。画像は「324」です。アレレ。

 怪しくなってきました。

 上3ケタを足し算してみます。

 「729+769+691+371+910」で、「3470」です。画像は「3245」。うーむ。

 この時点で、この計算が間違っているのが、判明しました。

 ちなみに、正解は「3,471,535」です。(わざわざ計算する必要はありません。)

 このやり方も、“だいたいわかる”方式です。

 桁上がりがあるので、一番最後の数は違っていても、桁上がりのない位は、「同じ数字」にならないといけません。で…、

 上1ケタの計算で、最高位の正否が、

 上2ケタの計算で、次順位までの正否が、

 上3ケタの計算で、上3位までの正否が、検算できる塩梅です。

 全部を計算するのに比べたら、圧倒的な手間要らずで、計算結果を検算できます。

中ほど、間違えやすい-計算ミスのメカニズム

 下の画像を見てください。

 

 いちばん最初の「234,897」とか、最後の「910,558」は、まず、打ち間違えることはないです。

 で、下1ケタの「7、9、6、5、5…」のところも、あんまり打ち間違えないです。

 同様に、上1~2ケタの「2、23、1、3、87…」も、打ち間違えることは少ないはず。

 なぜかというと、“見やすい”から。

 赤線で囲んだ、“中ほどの数字が固まっているところ”ほど、打ち間違え・見間違えが発生しやすいところです。

 なぜなら、周りを数字で囲まれているため、“見にくい”から。

 中ほど間違えやすいです。電卓への入力の際は、意識を(間違えるよ)とか(落ち着けよ)的に、切り替えてみてください。

 ちょっと意識するだけで、計算ミスはかなり減ります。

 なお、検算のコツ以上に、ミス率は、電卓の品質で大きく変わります。ぶっちゃけ、いちばん変わるところです。

 能率はお金で買えます。簿記(FPなど電卓を使う試験)の勉強を100円ショップのペラペラ計算機でしているなら、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」を読むことを勧めます。

 読むのがメンドウなら、「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考にして買い換えましょう。計算ミスが驚くほど少なくなります。

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