計算機の偉大さを学んだのは、GT(グランドトータル)の機能を知ったときです。「集計はエクセルのSUMでなくてもできんの?!」と突っ込みました。当ページでは、計算機(電卓)の機能のうちで、ただ知っているだけで即断に役立つ「GT」キーの意味と用途と使い方例を見ていきます。
意外に、「GT」キーの用途を知らない人が、多いかと思います。わたしもその1人でしたが、「もったいなく生きていた」と思うこと仕切りです。以下に、(あーそういうことだったのー、道理で変だと思ってたよ)とか、(こういうこと、できて当たり前だよねー)と溜め息が出るような、GT機能について述べていきます。
GT(グランドトータル)とは、「G:グランド」と「T:トータル」とを略した、計算機(電卓)のキーです。
その機能を一口で言うと、「集計」するキーです。
言うなれば、計算機でも、エクセルのSUM関数のような集計ができるという寸法です。
当該「GT」の場所については、メーカーなり型式・型番によって、いろいろと異なってきます。たとえば、母のキャノンの計算機には右側に「GT」が、わたしのシャープのには左側に「GT」があります。
なお、表記については、どの計算機においても「GT」表記です。
ちなみに、シャープの計算機には、当該「GT」キーのオンオフが可能です。「GT」キーの集計機能を使いたいときは、スイッチをGT部分にセットしておきます。
これで準備が整いました。
1000+2000=?
1000+2500=?
1200+3000=?
3500+6000=?
さて、上記の足し算の集計を出してみてください。
恥ずかしながらわたくし、「GT」キーの存在を知らなかったので…
1000+2000を計算して、その隣の空白に、3000と小さくメモ。
1000+2500を計算して、その隣の空白に。3500と小さくメモ。
…といった感じでそれぞれの足し算をしては、それぞれの答えを小さくメモ、ほいで最後にまとめて集計を取る、ってことをしていました。
ホントに、こんな風に計算していたら、確率的に計算ミスをして、「当然」でありましょう。
軽く見積もっても…
1:メモを書くじゅうぶんな空白があるとは限らない。
2:メモした数字は読み間違えやすい。
3:計算回数が増えれば、計算ミスの発生率も上がる。
4:メモしながら、問題を見ながら、計算機を見ながらの複合作業。
ってなわけで、計算ミスがあって当然だなあ、とつくづく思うのであります。
「GT」キーは、上記の計算の手間を、即、解決するキーなのです。
「GT」キーの機能とは、先に言ったように「集計」するキーです。
さて、「GT」キーを語る上で、言及しておかねばならないキーは、「=」キーです。当該「=」キーが、「計算結果を集計用のメモリ領域に加えている」のであります。
実は、計算機(電卓)の「=」には、2つの機能があるのです。
1つは、単純に計算結果を液晶に表示するおなじみの機能です。そして、もう1つは、「GT」機能に絡んだ機能で、上記のように、計算機の内部のどこぞに設定されている「記憶領域」に、計算結果をどんどこ足していっているのであります。
個々の計算の際は、「=」 を押してメモリの中に保存する(付け足していく)のを忘れないで下さいね。
実際に計算機を打ってもらえばわかりますが、上記の足し算をしても、液晶部分には、当該計算の分しか表示されません。しかし、計算機の中の見えないところで、きちんと集計がなされているのです。
内部的に計算されている集計を、見せておくれよとお頼み申し上げるキーが、「GT」キーです。「GT」キーを押すと、諸計算の集計がメモリ部分から呼び出されて、液晶に表示されます。
なお、シャープの計算機(電卓)だと、「GT」キーを押して集計を出した後で、再度、「GT」キーを押すと、当該計算結果を元に、以降の計算ができます。ま、言い方が変ですが、集計結果にはメモリ云々で汚れているので、「綺麗にする」という感じです。「GT」の計算結果を「M+」等で計算したいときに、「GT」もう一度押しが有効になります。シャープというメーカー限定があるのでアレですが、シャープの人は「GT2度押し」を覚えておくと、意外に役立ちます。
簿記で必ず出題されるといっていいのが、減価償却費。損益計算上の減価償却費には、まず部分点が設定されているでしょう。
しかし、なぜ減価償却費に点数が付与されているのでしょうか。個々の減価償却費の計算は楽で、誰でも、できます。しかし、間違ってしまうのです。
間違える理由は、集計方法がまずいからだと考えます。
「GT」キーの存在を知らないと、1つ1つの計算をしては、どこぞにメモ書きをして、後でまとめて集計を取るってな塩梅となりますが、当然、こういうやり方だと、計算の数とその処理作業がたくさんになるために、どうしても「ミス」が生じやすくなります。出題者側は、「間違いやすい」からこそ減価償却費に点数を与えるのです。
減価償却費においては、まず、単純な掛け算で終わる「カンタン」な償却と、足したり引いたり掛けたりする「フクザツ」な償却とを、分けます。
先に、後者の難しい方に時間を割いて、計算結果を求めます。
そして、「カンタン」系の償却には、建物を掛け算→「=」キーを押してメモリ格納…備品なら累計額を引き算して掛け算→「=」キーを押してメモリ格納…といった感じで、簡単なものは「GT」機能を使って集計を出し、後でゆっくり、難しかった方の償却額を加えれば、「計算数」やら「メモ数」を増やさず、減価償却費の計算ができるかと思います。
A、B、C、Dのそれぞれを計算して集計する、こういう「計算過程」があるものなら、「GT」機能が使えないか、鼻を利かせておきましょう。
「GT」が使えるものの中で、有価証券の期末評価があります。これがまた、単純なくせに間違えやすいという、凄くキライな計算でした。
A株式:時価@300で、持ち株は500株。
B株式:時価@2300で、持ち株は90株。
C株式:時価@156で、持ち株は10,050株。
こういう場合、GT機能を使えば、「300*500=」「2300*90=」「156*10,050=」と計算機を叩いて、最後に「GT」キーを押せば、「1,924,800」という計算結果が求められます。
有価証券の期首残高が、もし「2,000,000」だったら、「1,924,800-2,000,000」と計算して、評価損が出せられます。
問題文では、単純に全体の「評価益」なり全体の「評価損」しか求めていないのら、ここのA~C株式の個々の値段など、計算して横に小さくメモする必要はないわけで、「問題が何を求めているか」+「GT」で、最も少ない計算で解答を求められるように思います。
先も言ったように、個々の要素を計算して、それらの集計を行う計算をする場合、「GT」でどうにかならないか、鼻をクンクンさせておきます。GTの使える1つが、商品有高の計算です。
期首に@100が400個で、仕入れその1が@105で200個、仕入れその2が@120で600個なんて、計算ですね。
これも、「GT」を知らなかったら、それぞれを計算してはメモして、最終的にそれぞれ3つの計算結果を足して求めていたわけですが、「GT」を使えば、「100*400=」「105*200=」「120*600=」「GT」で、「133,000」と簡単に集計ができるわけです。
「=」を忘れないでね。「=」がGT格納ボタンですわ。
まあ、こんな単純な問題はそうないでしょうし、計算機の上だけで最終解答を出せれるなんてことは、稀にしかありません。しかし、最終解答を出すための諸計算の過程は、「GT」でかなり省けるところがあるかと思います。
日々の練習問題の中で、「GT」が使えそうなところを見つけるたびに、「GT」などと併記しておけば、さらに正確かつ速く、解答が求められるでしょう。
次に述べる「M+」等のメモリ計算と一緒に使えば、さらに計算数を減らすことができます。
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