ブラインドタッチ:共通編1-「3つの固定化」

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 計算機(電卓)のブラインドタッチを習得するにあたり、右手のブラインドタッチ・左手のブラインドタッチで、共通して求められることを、以下4点(3つの固定化、練習・訓練、独自化、定型化)にわたって、述べます。当ページでは、「3つの固定化」について見ていきます。

 計算機(電卓)のブラインドタッチ事情は、「すぐにできるようになる人」と、「すぐにはできない人」に明白に分かれるように思います。

 ブラインドタッチの習得「差」が生じる要因は、「ブラインドタッチ的な経験」の有無です。前者の「すぐに、比較的容易に計算機(電卓)のブラインドタッチができるようになる人」というのは、パソコンのキーボードで既にブラインドタッチができている人をいいます。

 一方の、「そう容易に、計算機(電卓)のブラインドタッチができるようにならない人」というのは、パソコンのキーボードのタッチができない人・苦手な人を指します。

 一口で言うと、パソコンのキーボードでブラインドタッチができるなら、計算機(電卓)のブラインドタッチもすぐにできるようになる、って塩梅です。

 どうしてそう言えるかというと、パソコンのキーボードのブラインドタッチと計算機(電卓)のそれは、要領的にとてもよく似ているからです。

 タッチ対象は違いますが、見ないで指を動かすという身体的作業や脳と指とキーのつながり方は、ほぼ同じ感がします。ある程度の「ブラインドタッチ的な経験」があれば、「後は応用だ」ってな寸法になるように思います。

 もちろん、多少の計算機(電卓)の知識と慣れと練習は必要ですが、身体の基礎的な訓練はできているためか、ブラインドタッチでスムーズに打てるようになるでしょう。

 たとえ、計算機(電卓)のブラインドタッチで詰まっても、「かつての自分は、どのようにして、パソコンのキーボードタッチができるようになったのか」を思い浮かべれば、容易にスランプから脱却できるかと思います。それは既に解決した問題なので、後は、「思い出す」のが主たる作業となるでしょう。

 まあ、パソコン全盛期の昨今、キーボードの完全なブラインドタッチはできずとも、「ちょい見」程度で打てる人なら、計算機(電卓)の方でも、比較的容易に「ちょい見のブラインドタッチ」ができるようになると思います。

 さてもう一方の、キーボードのブラインドタッチができない人(上手でない人)でも、計算機(電卓)のタッチは、訓練と練習を経れば、まずできるようになります。

 というのも、後者の計算機の方が圧倒的にキーが少なくて、作業強度が実に低いからです。

 キーボードは、アルファベットに何だかんだで、80キー以上は最低でもありますが、計算機といえば、0~9の数字キーに4つの演算キー、その他のキーを勘定しても、40個もありません。それだけ、シンプルなつくりなわけです。

 また、「○○キーを押しながら××キーを押す」なんていうキーボードによくある複雑な操作もないので、キーボードがダメであっても、計算機(電卓)ならば、ブラインドタッチは習得できるかと思います。

計算機(電卓)のブラインドタッチのために-3つの固定化

 まず、計算機(電卓)のブラインドタッチを習得するためには、「固定化」なる過程を経なければいけません。

 当該「固定化」とは…

 計算機の位置を固定化する。

 打つ姿勢を固定化する。

 打つ指を固定化する。

 …上記3つです。

 以下、それぞれを見ていきましょう。


計算機の位置を固定

 ①の「計算機の位置を固定化する」とは、そのままの意味でして、ブラインドタッチにおいては、第一に『計算機の位置』を完全に決めておくこと、かっこよくパソコン的な用語で言えば、「絶対参照」化しておくことが必要です。

 具体的に言えば、まず、計算機の設置場所を完全に決めて、そこ以外には置かないようにします。つまり、第1に計算機の場所があって、その次に、テキストや問題集の場所が決まってくるという塩梅です。

 昨日は左に置き、今日は右に置く、テキストのときは手前に置き、問題集のときは机上方に置く、というような「ランダムな設置」をしてはいけません。

 パソコンのキーボードのブラインドタッチを考えてみればわかりますが、キーボードの位置が少し変わっただけでも、例えば、机の上で常にタッチしている人が、膝の上にキーボードを置いてキーを打とうとすれば、やはり、キータッチのミスは続出するでしょうし、いつもどおりの速さでは打てないでしょう。

 計算機(電卓)の事情も同様でして、やはり、場所や位置が変われば、途端に打ちにくくなります。逆を言えば、ころころ場所を変えて、打ちにくくしているからこそ、ブラインドタッチができないという塩梅です。自分から「慣れないようにしている」わけです。ぬかるんだところを選んで縄跳びの練習をしても、上達はしないでしょう。

 計算機(電卓)のブラインドタッチには、『計算機の場所』が重要であること、『計算機を置く場所を固定化すること』が要領であることを、肝に銘じましょう。

 『道具』というものは、得てして、常に同じ場所にあった方が役に立ちます。探し回らなくてよい以上に、道具を内在化できるからです。即断にぱっと手に取れるというのは、脳が存在を疑ってない(余分なリソースを割いてない)安心状態ってことですから、作業にも集中できるわけです。

 実は「人」もそうで、重用される人というのは大概、キーマンのすぐ側に必ず居る人・在る人です。いないと困る人=役に立つ人になるには、用いられたい人の道具と化すこと=内在化されることで、これこそ、引き立てて貰える要諦だと思います。漢の陳平は、劉邦の馬車の同乗者でした。

打つ姿勢を固定

 先の固定化は、計算機(電卓)という「物」の固定化でした。当該固定化は、わたしたちの「身体」がその固定化の対象となります。

 一口で言うと、『計算機(電卓)を打つときは、常に同じ姿勢・体勢で打つ』ようにします。

 ある時は腕を伸ばし、ある時は肘を深く曲げ、ある時は上半身を前のめりにして…なんて風に打たないといった塩梅です。

 『道具』というのは、『機能』ですから、道具の利用者は、機能が発揮される環境を整えないといけません。逆を言えば、「環境を整える」から「機能が生まれる」って塩梅です。釘がないとトンカチは機能化できません。

 それと同じで、計算機(電卓)という計算の機能を発揮するためには、わたしたち自身の身体も「機能化」の条件としなければならないわけです。

 とりあえず、自分が正確に打てる姿勢・体勢を、模索してみてください。アレコレ計算機の場所を変えてみて、腕の位置を調節してみてください。(あ、こうだと打てる!)という実感があれば、その姿勢を維持するように「意識」をして、できるだけ、その姿勢を保ちつつ、キーを打つように努めます。

 まあ、いくら速く打てるようになっても、ひどく肩が凝る、首や背中が痛くなるなんて症例が出てると、勉強そのものが続きませんから、「速く打てる」の次に「速く打てて、疲れない姿勢・体勢」を模索しましょう。

打つ指を固定

 次ページ・次々ページにて、詳しく述べますが、ブラインドタッチにおいては、『数字キーを打つ指を固定化して、決めておく』必要があります。

 逆を言えば、それ以外の指で数字キーを打たないといった塩梅です。具体的に言えば、右手で打つ人は、「1」キーを人差し指で押すことになりますが、「1」キーを、ある時は人差し指で、ある時は中指、親指で打つ、なあんてことをしないわけです。常に、同じ指で同じキーを打つように、固定化します。

 パソコンのキーボードのブラインドタッチを思い起こしてもらえば、わかるかと思いますが、キーと指を「見えない糸」でつなげておかないと、スムーズに指が動かないのです。指のキー上の役割を決めずに、好き勝手にてんでバラバラに打つと、どうしても円滑にならず、遅延が発生します。

 恐らくその理由は、「脳が混乱しているから」だと思います。逆を言えば、指とキーを固定化してつなげておけば、「脳が混乱しない」ので、スムーズに「頭の中に浮かんでいる文字なり数字」を、指先の運動に反映できるという感じです。

 まあ、一口で言えば、0~9の数字キーを打つ指を「完全に決めておけ!」という寸法です。自由気ままに打つよりも、圧倒的に速く、タッチミスなく、打てることでしょう。

 次は、「練習・訓練」です。

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