44問‐R3下期午前筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 「複線図」の問題で、複線図が書けないと解けない問題です。苦手な人は、「捨て問」にして、他の問題で失点をカバーしましょう。まあ、「複線図」の問題としては、基本レベルです。取ろうと思えば取れます。

44問‐リングスリーブ当て

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「難」です。

 問題の言う「部分」は、以下の画像のところです。

 

 配線図の資料(全体像)は、「こちら」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

前もって助言

 先述したように、本問は、複線図の問題であるため、複線図がわかってないと解けません。

 時間に余裕のある方は、ぜひとも複線図に挑戦してください。やった分だけ、技能の勉強が楽になります。

 しかし、時間のない人は、「捨て問」にします。

 複線図は、そこそこ練習量が必要なため、理解するのに、時間がかかります。

 複線図の問題は、例年「4問」なので、すべてを捨てても、他でカバーできます。ちなみに、わたしが受験生のときは、複線図は、捨てていました。

 んでは、以下に、「複線図が書ける人」用の解説を述べていきます。

解説

 

 本問の複線図を書くと、上記の画像のようになります。

電線断面積の基礎知識

 「リングスリーブ」の選び方ですが、接続する電線の断面積の合計から判断します。

 VVF1.6の断面積は、「2mm2」で計算します。

 VVF2.0の断面積は、「3.5mm2」で計算します。

 本問では、電源線が「VVF2.0」なので、注意してください。

リングスリーブ選び

 リングスリーブは、接続する電線の断面積の合計によって決まります。

 「8mm2以下」なら「小」で接続します。

 「8mm2超で、14mm2未満」なら「中」で接続します。

 「14mm2以上」なら「大」で接続します。

刻印選び

 「刻印」ですが、注意すべきは、1つの「例外」だけです。

 基本的に、小スリーブなら「小」で、中スリーブなら「中」で、大スリーブなら「大」で、刻印します。

 ただし、VVF1.6の電線が“2本”のときだけ、「極小(○)」で刻印します。

 これが、「リングスリーブ」の決まりことです。

接続場所

 上記複線図の画像から…、

 4本接続・・・2つ

 2本接続・・・1つ

 …なことがわかります。

4本接続

 「4本接続」から見ていきます。

 先述したように、本問では、電源線が「VVF2.0」です。

 よって、当該4本接続ですが、VVF2.0が1つで、VVF1.6が3つと相なります。

 VVF1.6の断面積は、「2mm2」で計算します。

 VVF2.0の断面積は、「3.5mm2」で計算します。

 んなもんで、「3.5+(2*3)」の「3.5+6」で「9.5mm2」となります。

 「8mm2超で、14mm2未満」に該当するので、「中」で接続します。

 刻印ですが、「中スリーブ」なので、ふつうに「中」で刻印します。

 これが、2箇所あるので、よって、「中」刻印の「中スリーブ」が2個、と相なります。

2本接続

 「2本接続」を見ていきます。

 VVF1.6の断面積は、「2mm2」で計算します。

 2本ですから、「2*2」の「4mm2」となります。

 先も見たように、リングスリーブは…、

 「8mm2以下」なら「小」です。

 よって、「小スリーブ」を使用します。

 刻印ですが、1.6と1.6の接続なので、「極小」である「〇」で刻印します。

 2本接続は、1箇所ですから、「〇」の刻印の「小スリーブ」が1個、と相なります。

集計

 「4本接続」は2箇所あり、「中」刻印の「中スリーブ」を「2個」使います。

 「2本接続」は1箇所あり、「〇」刻印の「小スリーブ」を「1個」使います。

 よって、答えは、「ニ」となります。

補足:リングスリーブ選びの『例外』

 以下に、復習事項を述べておきます。目を通しておいてください。

 本問では、以下の…、

 断面積が「8mm2以下」なら「小」

 断面積が「8mm2超で、14mm2未満」なら「中」

 …2規定を使いました。

 しかし、スリーブ選びには、もう1つ、規定があります。

 断面積が「14mm2以上」なら「大」で接続します。

 以上が、「リングスリーブ」の決まり事です。

 しかし、例外があります。

 「14mm2以上なら大」なのですが…、

 2.0mmが4本の場合は、「中」を使用するのです。

 先に見たように、2.0mmの断面積は、「3.5mm」でした。

 2.0mm線が「4本」の場合、「3.5*4」で「14mm2」となり、先の決まり事‐14mm2以上なら『大』‐からすると、「大スリーブ」にしないといけません。

 しかしながら、「2.0mm×4本」の場合は、“例外的に”、「中」を使用することになっているのです。

 『2.0mm×4本は、例外的に「中」』

 …と、意識して、憶えておいてください。

 出題実績あります。たとえば、「H30 下期筆記 第48問:リングスリーブ」などで問われているので、注意してください。

答え

 こうした次第で、答えは…、

 正解:ニ

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。

 2問:抵抗計算・・・「ふつう」。

 3問:熱量計算・・・「ふつう」。

 4問:消費電力計算・・・「やや難」

 5問:Y(スター)結線・・・「ふつう」。

 6問:単相2線式回路・・・「ふつう」。

 7問:単相3線式回路・・・「ふつう」。

 8問:許容電力計算・・・「ふつう」。

 9問:幹線許容電流・・・「ふつう」。

 10問:分岐回路・・・「ふつう」。

 11問:リングレジューサ・・・「ふつう」。

 12問:ゴムコード・・・「ふつう」。

 13問:電気工事と工具・・・「ふつう」。

 14問:三相誘導電動機・・・「ふつう」。

 15問:配線用遮断器・・・「ふつう」。

 16問:器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 17問:器具写真鑑別2・・・「ふつう」。

 18問:測定器写真鑑別・・・「ふつう」。

 19問:リングスリーブの種類と刻印・・・「ふつう」。

 20問:D種接地工事・・・「ふつう」。

 21問:電気工事・・・「ふつう」。

 22問:力率改善・・・「ふつう」。

 23問:金属管工事・・・「ふつう」。

 24問:測定器・・・「ふつう」。

 25問:絶縁抵抗測定・・・「やや難」。

 26問:接地抵抗計・・・「ふつう」。

 27問:アナログ式回路計の抵抗測定・・・「やや難」。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「やや難」。取る。

 30問:一般用電気工作物・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:図記号当て・・・「ふつう」。

 32問:器具図記号当て・・・「ふつう」。

 33問:最少電線本数・・・「難」。

 34問:工事種類当て・・・「ふつう」。

 35問:器具当て・・・「ふつう」。

 36問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 37問:ペンダント図記号・・・「ふつう」。

 38問:接地工事の種類・・・「ふつう」。

 39問:管当て・・・「ふつう」。

 40問:LK図記号・・・「ふつう」。

 41問:スイッチ配線図・・・「難」。

 42問:点滅器写真鑑別・・・「ふつう」。

 43問:図記号写真鑑別・・・「ふつう」。

 44問:リングスリーブ当て・・・「難」。

 45問:差込形コネクタ・・・「難」。

 46問:図記号写真鑑別・・・「ふつう」。

 47問:リングスリーブ当て・・・「難」。

 48問:スイッチ写真鑑別・・・「ふつう」。

 49問:未使用器具・・・「難」。

 50問:未使用工具・・・「ふつう」。

第2種電気工事士 合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものなので、参考にしてください。

 高評価だったのは、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の試験で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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