簿記の電卓‐検定試験で使える電卓・使えない電卓

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 簿記の検定試験で使える電卓(計算機)には、制限があります。しかし、その条件は、公式の文言を読んでも、いまいちピンと来ないもの。いざ、電卓を買う際や使う時に不安が残ります。そこで、簿記の試験で使える電卓と使えない電卓とを挙げていきます。ざっと読んでもらえば、簿記の電卓不安を払拭できるかと思います。

簿記の電卓は「ふつう」

 結論から言うと、簿記で使える電卓は、「ふつう」の電卓です。

 要は、普段「よく目にする電卓」ならば、簿記の検定試験に持ち込んで使ってもよい、という寸法です。

 下の画像のような電卓なら、簿記の検定試験で使えます。

 簿記試験で使える電卓 カシオの電卓「DF-120GT」

 上の画像にはない、手のひらサイズやカードサイズのミニ電卓でも使えますし、弁当箱のような業務用の電卓も使えます。

 非常に能率は落ちるので推奨しませんが、100円ショップで売ってるようなペラペラ電卓でも、本試験ではOKという寸法です。

 そのほか、MACのような洒落ている、デザイン電卓も使えます。

 参照:売れ筋の電卓は、結局なに?

 簿記検定試験で使えない電卓とは、関数電卓やプログラム電卓、金融電卓といった、特殊な電卓です。

 もし、お手持ちの電卓が、以下に述べるような電卓なら、ダメです。

関数電卓は、簿記試験で使えない。

 商工会議所の公式では、関数電卓は使えないと記されています。

 しかし、問題なのは、「関数電卓がどういうものか、ほとんどの人が知らない」という点です。

 百聞は一見に如かず。関数電卓は実物を見れば即、得心します。

 

 “得体の知れない記号”や“キー”がたくさんある電卓、それが「関数電卓」です。

 ぱっと見でも、異質さを感じます。「Sin」とか「Cos」とか「Tan」といった三角関数用のキーがあります。「Log」というキーがあります。「Replay」って。

 液晶部分も異質です。悪の古文書に出てきそうな記号でいっぱいです。

 このように、文系の人なら「頭が痛くなるような電卓」・・・それが、関数電卓なのです。

 自分の電卓が簿記試験で使えるかどうかは、もう、おわかりですね。

 一抹の不安は、秋空のように晴れ晴れとしたと思います。関数電卓のように、見て(イヤだな)って思わなければ、ふつうの電卓ですので、簿記で使用可能です。

 先に、「簿記の電卓はふつう」といった文言が、腑に落ちたのではないかと思います。

プログラム電卓(プログラム関数電卓)は、簿記試験で使えない。

 プログラム機能のある電卓は、「プログラム電卓」とか「プログラム関数電卓」と呼ばれています。

 商工会議所の公式では、簿記試験では、プログラム機能のある電卓を持ち込めないと記されています。

 当該プログラム電卓は、関数電卓と事情は同じで、限られた人しかそれがどういうものかを、知りません。

 そこで、プログラム電卓(プログラム関数電卓)がどういうものか見ていこう、という次第です。

 プログラム電卓の特徴は、まず、値が張るところです。

 ふつうの電卓は、1,500~2,000円前後が相場ですが、プログラム電卓となると、3,000~6,000円ほどします。1万円前後のものも珍しくありません。

 (あら、電卓って結構高くなったのね)と、おもわず思ってしまう電卓が、「プログラム電卓」なのです。

 次に、プログラム電卓には、すぐわかる特徴があります。見ればわかります。

 

 関数電卓と同じように、“得体の知れない記号”がたくさんあるからです。

 「Sin」とか「Cos」とか「Tan」といった三角関数用のキーはもとより、Fキー(ファンクションキー?)が追加されていたり、「θ」(しーた?)や「T」(てすら?)といった悪寒のするキーが追加されていたりします。

 θ(しーた?)なんて、天空の城ラピュタ以外、知りません。

 そして、液晶表示は、もはや、西洋の魔術師の呪文詠唱のような雰囲気で、身が細ります。モクモクと悪魔が召喚されそうですね。

 ま、このように、プログラム電卓は、“複雑怪奇さ”が関数電卓を大幅に上昇しており、文系の人だと「さらに頭が痛くなる電卓」となっています。

 自分の電卓が、簿記の試験で使えるかどうかは、即解されたかと思います。

 ま、結論から言えば、見慣れないボタンがたくさんある電卓は、簿記の電卓として使えない、と踏んでいいです。

 ちなみに、プログラム電卓(プログラム関数電卓)とは、『普通の関数電卓では毎回式を入力しなければなりませんが、プログラム関数電卓の場合は、よく使う計算式をあらかじめ打ち込んでおき、実験の場では変数だけを入力すれば欲しい値が得られます!(キリッ)』との文言が説明書にあります。

 読むだけで骨が折れますね。算数しかできねーんだからいいんだよそんなこたーつうのがホンネのところです。

金融電卓は、使わない方が無難

 金融電卓とは、「ローン計算」や預金の貯蓄の「金利計算」等、お金に絡んだ計算に特化した電卓のことです。

 商工会議所の公式には、こうあります。『プログラム機能(例:関数電卓等の多機能な電卓、売価計算・原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)は持ち込み不可』と。

 金融電卓は、『関数電卓“等”の“多機能”な電卓』の箇所の、“等”と“多機能”に抵触する可能性があります。

 また、注意書き部分・・・「(注)ただし、次のような機能は、プログラム機能に該当しないものとして、試験会場での使用を可とします。 ・日数計算・時間計算・換算・税計算・検算」・・・このところに、金融計算の機能に言及がありません。

 この2点から、簿記試験に、金融電卓は使えないと踏んでいていいでしょう。

 ちなみに、傍証です。

 FP技能士だと、金融電卓は使えません。

 FP技能士の公式見解では、以下の計算機は使えなくなっています。『使用不可・・・関数計算機能〔Σ(シグマ)、log等〕、複利計算・ローン計算機能、紙に記録する機能、音〔タッチ音、音階、音声等〕を発する機能、プログラム(計算式)の入力(登録)機能、計算過程をさかのぼって確認できる機能、等を有するもの』とあるからです。

 FPという、ローンや金利を扱う本職の試験で金融電卓が使えないのですから、簿記試験でも、穏当に使えない、または、現在使えていたとしても、将来的に使えなくなる公算は高いように思われます。

 まあ、ホント、「ふつうの電卓」は高くないので、わざわざ、値の張る金融電卓を使わなくてもよいかと思います。自分から地雷を踏む必要はありませんし、抜群に試験が有利に働くわけでもありません。

 もっというと、金融電卓を持っている人が、ふつうの電卓を持ってないというのも、あまり考えられないわけで、簿記の試験で、わざわざ金融電卓を使わなくてもいいでしょう。

まとめ的な結論。

 簿記の電卓は、「ふつうの電卓」で「文系が見て頭が痛くならない電卓」です。

 あと、簿記の電卓の「大きさ」についてです。公式には大きさについて言及がないので、どんな大きさの電卓でも構いません。

 わたしが簿記2級を受けたときは、相撲取りの弁当箱のような業務用電卓で打ち込んでいる女性の方がおられました。その鬼気迫るタイピングは今でも覚えています。

 ちなみに、そろばんでも簿記は受けられるんで、電卓の大きさ・形を気にしなくていい証左かと思います。

 要は、電卓の機能だけに気をつければいい、という塩梅です。

 蛇足事項です。高機能の使いやすい電卓には、「日数計算」「時間計算」「換算」「税計算」「検算」は、だいたいオマケで付いてきます。これらは、大丈夫ですのでご安心を。

 次に、簿記の電卓は、どういう点に注意して選べばいいか?ですが、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」の方に詳細に述べているので、一読くださればと思います。

 読むのがメンドクサイ人は、「売れ筋の電卓は、結局なに?」で選べば、間違いはありません。

簿記のこまごましたもの

 簿記に関するこまごましたことは、たとえば、「簿記3級を勉強する前に知っておきたい3つのこと」とかの記事を、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。

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