名称と基原が同じ生薬のまとめ

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 このページでは、「名称」と「基原」とが同じ(ほぼ同じ)生薬をリストアップしたページ。ガチ暗記は無用で、眺めるだけで、そこそこ、選択肢の判別効果がある。生薬の出先での勉強や、細切れ時間の有効活用にうってつけである。

ガイダンス

 「生薬」ですが、「基原」まで問う問題が見られるようになっています。

 そこで、以下に、「名称」と「基原」とが同じか、ほぼ同じの生薬を、一覧化してまとめました。

 ざっと、何回も目にするだけで、そこそこ、「基原」が把握できるように思います。

 たとえば、「福岡県 R2 第71問‐生薬」といった問題は、即効で解けるようになるはずです。

 ガチ暗記は無用です。

 (あれ、○○の基原って、○○じゃなかったけ?)くらいになっておけば、十分です。

 通勤・通学時や細切れ時間、配偶者がリビングにいるときに、活用してください。

基原‐名称が同じの生薬‐五十音順

 全部で「60個」ほどあります。

ア行

アカメガシワ・・・トウダイグサ科のアカメガシワの樹皮を基原とする生薬

アロエ・・・ユリ科のAloe ferox Miller 又はこれと Aloe africana Miller 又はAloe Baker との種間雑種ケープアロエ等の葉から得た液汁を乾燥したものを基原とする生薬

 ※「アロエ」ですが、令和4年度の改正により、英語基原となりました。「Aloe」のところで、判断しましょう。

ウイキョウ・・・セリ科のウイキョウの果実を基原とする生薬

オウギ・・・マメ科のキバナオウギ又はAstragalus mongholicus Bunge ナイモウオウギの根を基原とする生薬

 ※「オウギ」ですが、令和4年度の改正により、英語基原が追加されています。「キバナオウギ」の方を押えましょう。

オウヒ(桜皮)・・・バラ科のヤマザクラ又はカスミザクラの樹皮を基原とする生薬

オウレン・・・キンポウゲ科のオウレン、Coptis chinensis Franchet、Coptis deltoidea C.Y. Cheng et Hsiao 又はteeta Wallich コプティス・キネンシス、コプティス・デルトイデア又はコプティス・テータの根をほとんど除いた根茎を基原とする生薬

 ※英語基原は、無視していいでしょう。

カ行

カノコソウ・・・オミナエシ科のカノコソウの根茎及び根を基原とする生薬

カミツレ・・・キク科のカミツレの頭花を基原とする生薬

カンゾウ・・・マメ科のGlycyrrhiza uralensisFischer 又はGlycyrrhiza glabra Linnéで、ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)を基原とする生薬

 ※「カンゾウ」ですが、令和4年度の改正により、英語基原となりました。英語基原は、到底覚えられないので、「皮去りカンゾウ」で、押えましょう。

キキョウ・・・キキョウ科のキキョウの根を基原とする生薬

キササゲ・・・ノウゼンカズラ科のキササゲ等の果実を基原とする生薬

キョウニン(杏仁)・・・バラ科のホンアンズ、アンズ等の種子を基原とする生薬

ケイガイ・・・シソ科のケイガイの花穂を基原とする生薬

ゲンノショウコ・・・フウロソウ科のゲンノショウコの地上部を基原とする生薬

コウカ(紅花)・・・キク科のベニバナの管状花をそのまま又は黄色色素の大部分を除いたもので、ときに圧縮して板状としたものを基原とする生薬

ゴミシ・・・マツブサ科のチョウセンゴミシの果実を基原とする生薬

サ行

サイコ・・・セリ科のミシマサイコの根を基原とする生薬

サイシン・・・ウマノスズクサ科のウスバサイシン又はケイリンサイシンの根及び根茎を基原とする生薬であるが、地上部には腎障害を引き起こすことが知られているアリストロキア酸が含まれている

サフラン・・・アヤメ科のサフランの柱頭を基原とする生薬

サンザシ・・・バラ科のサンザシ又はオオミサンザシの偽果をそのまま、又は縦切若しくは横切したものを基原とする生薬

サンシュユ・・・ミズキ科のサンシュユの偽果の果肉を基原とする生薬

サンソウニン(酸棗仁)・・・クロウメモドキ科のサネブトナツメの種子を基原とする生薬

ジオウ・・・ゴマノハグサ科のアカヤジオウ等の根又はそれを蒸したものを基原とする生薬

シコン(紫根)・・・ムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬

シャクヤク・・・ボタン科のシャクヤクの根を基原とする生薬

ジャコウ・・・ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬

ショウキョウ(生姜)・・・ショウガ科のショウガの根茎を基原とする生薬

ショウマ・・・キンポウゲ科のCimicifuga dahurica Maximowicz、Cimicifuga heracleifolia Komarov、Cimicifuga foetida Linné 又はサラシナショウマサラシナショウマ、フブキショウマ、コライショウマ又はオオミツバショウマの根茎を基原とする生薬

 ※「ショウマ」ですが、令和4年度の改正により、英語基原が付与されています。英語基原は、到底覚えられないので、「サラシナショウマ」だけを押えておきましょう。

ジンコウ・・・ジンチョウゲ科のジンコウ、その他同属植物の材、特にその辺材の材質中に黒色の樹脂が沈着した部分を採取したものを基原とする生薬

シンジュ(真珠)・・・ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬

セイヨウトチノミ・・・トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子を基原とする生薬

セネガ・・・セネガはヒメハギ科のセネガ又はヒロハセネガの根を基原とする生薬。 糖尿病の注意事項あり。

センキュウ・・・セリ科のセンキュウの根茎を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬

センブリ・・・リンドウ科のセンブリの開花期の全草を基原とする生薬

タ行

タイソウ(大棗)・・・クロウメモドキ科のナツメの果実を基原とする生薬

チクセツニンジン・・・ウコギ科のトチバニンジンの根茎を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬

チャボトケイソウ・・・別名パッシフローラ。南米原産のトケイソウ科の植物で、その開花期における茎及び葉が薬用部位となる

チョウジ・・・フトモモ科のチョウジの蕾を基原とする生薬

トウガラシ・・・ナス科のトウガラシの果実を基原とする生薬

トウキ・・・セリ科のトウキ又はホッカイトウキの根を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬

ナ行

ナンテンジツ・・・メギ科のシロミナンテン(シロナンテン)又はナンテンの果実を基原とする生薬

ニンジン・・・ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根又はこれを軽く湯通ししたものを基原とする生薬で、オタネニンジンの根を蒸したものを基原とする生薬をコウジンということもある。

ハ行

ハッカ・・・シソ科のハッカの地上部を基原とする生薬

ヒノキチオール・・・ヒノキ科のタイワンヒノキ、ヒバ等から得られた精油成分。

ビャクジュツ・・・キク科のオケラの根茎(ワビャクジュツ)又はオオバナオケラの根茎(カラビャクジュツ)を基原とする生薬

ボタンピ・・・ボタン科のボタンの根皮を基原とする生薬

ホップ・・・ヨーロッパ南部から西アジアを原産とするアサ科のホップHumulus lupulusL.の成熟した球果状の果穂が薬用部位となる

ボレイ(牡蠣)・・・イボタガキ科のカキの貝殻を基原とする生薬

マ行

マオウ・・・マオウ科のEphedra sinica Stapf、Ephedra intermedia Schrenk et C. A. Meyer 又はEphedra equisetina Bunge

 ※「マオウ」ですが、令和4年度の改正により、英語基原となりました。英語基原は、到底覚えられないので、「マオウ科」で、判断しましょう。

マクリ・・・フジマツモ科のマクリの全藻を基原とする生薬

ミルラ・・・カンラン科のミルラノキ等の植物の皮部の傷口から流出して凝固した樹脂を基原とする生薬

ヤ行

ユーカリ・・・フトモモ科のユーカリノキ又はその近縁植物の葉を基原とする生薬

ラ行

レイヨウカク・・・ウシ科のサイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)等の角を基原とする生薬

レンギョウ・・・モクセイ科のレンギョウ又はシナレンギョウの果実を基原とする生薬

補足

 以下に、「手引き」に基原が記載されてないもので、「基原=名称」のものを挙げておきます。

リュウノウ・・・フタバガキ科リュウノウジュの樹幹に析出する精油の結晶を基原とする。ボルネオールを含み、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果が期待される。

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