9問‐R3上期午後筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第9問は、配線設計でおなじみの論点「分岐回路の太さと許容電流」の問題です。当該論点も、よく試験に出ます。字面だけ追うと面倒ですが、問題自体はカンタンな部類です。憶えることも少ないので、何回も類問を解いて、100%取れるようになっておきましょう。文系ド素人なら率先して取ります。

9問‐分岐回路の太さと許容電流

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

 なお、表の「B」の図記号は、おなじみ「ブレーカ(配線用遮断器)」です。

 技能試験で出ます。実物に触れておきましょう。

 

 定番教材:ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット

解説1:主要な決まり

 図のような分岐回路には、“原則として”幹線の分岐点から「3m以内」に「開閉器及び過電流遮断器」を設けなくてはなりません。

 しかしながら、原則では、試験問題にならないため、ほとんど出題されません。

 試験に出るのは、次に挙げる、2つの「例外」の方です。

試験に出る例外2つ

 

 「分岐回路の過電流遮断器の施設位置」が「8メートルを越える」ときは、「0.55×過電流遮断器の定格電流」を、分岐回路の電線の許容電力とします。

 対して、「分岐回路の過電流遮断器の施設位置」が「3メートルを越え8メートル以下」のときは、「0.35×過電流遮断器の定格電流」を、分岐回路の電線の許容電力とします。

 暗記ポイントは、「8m超なら0.55」で「3m超~8m以下なら0.35」といった次第です。

 2つの例外は、両方ともよく出るので、先の表を丸暗記しておきましょう。

解説:2

 数字を先に出しておきましょう。

 「8メートルを越える」ときは、「0.55×過電流遮断器の定格電流」なので、「100*0.55」で「55A」以上なら、8m超で施設できます。

 んで、「3メートルを越え8メートル以下」のときは、「0.35×過電流遮断器の定格電流」なので、「100*0.35」の「35A」以上なら、3m超8m以下にできます。

 んでは、個々の選択肢を見ていきます。

解説:イ

 「イ」ですが、分岐回路のBまでの距離(L)が「1m」となっています。

 んなもんで、原則の「3m以内」の施設なので、OKと相なります。

 んで、電線の太さと許容電流も、関係ありません。

解説:ロ

 「ロ」ですが、分岐回路のBまでの距離(L)が「2m」となっています。

 これまた、原則の「3m以内」の施設なので、OKと相なります。

 んで、電線の太さと許容電流も、関係ありません。

解説:ハ

 「ハ」ですが、分岐回路のBまでの距離(L)が「10m」となっています。

 8m超の例外規定に該当します。

 よって、分岐回路の電線の許容電流を、「55A」以上にしなくてはいけません。

 電線の太さAですが、選択肢のは、「8mm2」となっていて、表から許容電力が「42A」となっています。

 「55A」以上にしなくてはならないのに、「42A」までしか流せない電線にしているので、「不適当」と、相なります。

解説:ニ

 「ニ」ですが、分岐回路のBまでの距離(L)が「15m」となっています。

 8m超の例外規定に該当します。

 よって、分岐回路の電線の許容電流を、「55A」以上にしなくてはいけません。

 電線の太さAですが、選択肢のは、「14mm2」となっていて、表から許容電力が「61A」となっています。

数字の馬鹿馬鹿しい憶え方

 例外1は、「エイトマン(8m超)、GOGO(55)」くらいに、頭に放り込めばいいでしょう。

 例外2の数字の憶え方は、「8m以下」で「35%」です。「35%」のほうを「3」と「5」に分けて、「3+5の8」くらいに憶えます。

 我ながら本当にくだらないと思います。公言すると恥をかくので、こっそり憶えてください。

答え

 正解:ハ

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:抵抗計算・・・「やや難」。

 2問:銅線の抵抗・・・「ふつう」。

 3問:発熱量計算・・・「ふつう」。

 4問:回路の力率・・・「やや難」

 5問:Y(スター)結線・・・「難」。

 6問:単相2線式回路・・・「ふつう」。

 7問:三相3線式回路・・・「ふつう」。

 8問:許容電流計算・・・「ふつう」。

 9問:分岐回路の太さと許容電流・・・「ふつう」。

 10問:分岐回路の設計・・・「ふつう」。

 11問:ねじなしボックスコネクタ・・・「ふつう」。

 12問:電線許容温度・・・「やや難」。

 13問:コンクリートと金属管・・・「ふつう」。

 14問:三相誘導電動機・・・「ふつう」。

 15問:低圧進相コンデンサ・・・「ふつう」。

 16問:材料写真鑑別・・・「ふつう」。

 17問:器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 18問:工具写真鑑別・・・「ふつう」。

 19問:絶縁電線の接続・・・「ふつう」。

 20問:電気工事総論・・・「やや難」。

 21問:スイッチボックス・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。

 23問:電流減少係数・・・「ふつう」。

 24問:測定器の用途・・・「ふつう」。

 25問:絶縁抵抗測定・・・「ふつう」。

 26問:接地抵抗値と絶縁抵抗値・・・「ふつう」。

 27問:アナログ計器とデジタル計器・・・「ふつう」。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電圧区分・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:引込線取付点・・・「ふつう」。

 32問:電線図記号・・・「ふつう」。

 33問:器具図記号・・・「ふつう」。

 34問:図記号当て・・・「ふつう」。

 35問:配線用遮断器の定格電流・・・「ふつう」。

 36問:図記号当て・・・「ふつう」。

 37問:接地抵抗値・・・「ふつう」。

 38問:器具図記号当て・・・「ふつう」。

 39問:最少電線本数・・・「難」。

 40問:引掛形コンセントの図記号・・・「ふつう」。

 41問:機器写真鑑別・・・「難」。

 42問:スリーブ当て・・・「難」。

 43問:使用されていないもの・・・「難」。

 44問:ケーブル当て・・・「ふつう」。

 45問:未使用工具当て・・・「ふつう」。

 46問:未使用器具当て・・・「ふつう」。

 47問:差込形コネクタ当て・・・「ふつう」。

 48問:スリーブ当て・・・「難」。

 49問:使用コンセント・・・「ふつう」。

 50問:未使用スイッチ・・・「ふつう」。

合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

 で、進み具合や必要に応じて、独学の欠点を補う「ホーザン 合格クリップ」や、「ホーザン 合格ゲージ P-925」、「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」、「ホーザン-HOZAN-合格マルチツール」を追加投入してください。

 以上で揃えれば、独学の環境としては、鉄壁です。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の試験で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

みんなとシェアする