第2種電気工事士の学科試験の試験科目の「図記号」の勉強方法を述べたページ。文系ド素人の人向け。図記号のうち、スイッチ,コンセント,遮断器と開閉器,照明器具,電気機器・計器,その他系,配線,ケーブル,電線管などの図記号のポイント、注意事項、傾向を説述する。令和6年度(2024年度)試験対応済み。
学科試験(筆記方式・CBT方式)で、大きな得点源となるのが、これから見ていく「図記号」です。
「図記号」は、約10問の出題です。ちゃんと勉強すれば、ほぼ「9~10問」は取れます。
学科試験の試験科目の中で、最もラクに点が取れるところです。
「図記号」にはアルファベットの傍記があるため、その傍記が大きなヒントとなるためです。
多くの「図記号」は、何回も見ていくうちに、“自然”と憶えるので、勉強負担も少ないです。
文系ド素人の方は、いきなし電気理論や配線理論を勉強すると、吐き気がするほど面倒な思いをします。
しかし、当該図記号なら、苦しむことなく、“点の取れる勉強”ができます。
「図記号」は、試験勉強のスタート科目として最適なので、とりあえず、「図記号」から第2種電気工事士の学科試験の勉強を始めるといいでしょう。
「図記号」の試験問題ですが、正直、ほとんど頭を使いません。
過去問から「図記号」の問題をピックアップすると、「ケーブル」の図記号を問う…、
…とか、『外灯』の図記号を問う…、
…とか、『器具』の図記号を問う…、
…といったものが問われています。
要領的には、小学生で学んだ地図記号で、テキストを何回か見て、過去問を解けば、すぐに要領がつかめます。
まずもって、テキストに載っている図記号は、その全てを見ておく必要があります。
当該図記号では、他の科目のような「捨て問」ができないので、注意してください。
といいますか、カンタンな図記号を捨てて、小難しい配線設計等々で点を取ろうとする人は、ほとんどいないと思います。
先述したように、多くの図記号は、自然と憶えられるものが多いです。
しかし、憶えきれないものもあるはずです。
試験勉強の中盤以降になったら、傍記だけでは憶えられない図記号や、記憶のあやふやな図記号を、本腰を入れて暗記していってください。
くだらない憶え方もあります。
ブログの「2電工筆記・図記号」を、お目汚しください。
たとえば、「Hの位置、Lサイズかどうか確認ー位置表示灯(H)と確認表示灯(L)の図記号の憶え方」は、ほんのちょっとだけ、記憶の足しになるはずです。
また、図記号には、「第2種電気工事士 一問一答」もあるので、細切れ時間の有効利用に役立たせてください。
図記号のうち「スイッチ」ですが、当該スイッチには、独自の勉強が必要です。
テキストに載っている「接点の構成」も、憶えるようにしてください。
というのも、上の画像の「令和5年度 上期 午前 第49問‐未使用スイッチ」のような写真鑑別の問題で、当該「接点の構成」を憶えてないと判別できない問題があるためです。
当該「接点の構成」を憶えてないと、ギリギリのところで選択肢の判別ができなくなるので、注意してください。
とりわけ、3路スイッチ、4路スイッチ、位置表示灯内蔵スイッチ、確認表示灯内蔵スイッチの4つの「接点の構成」は、押えておきましょう。
次に、スイッチの憶え方のコツを述べておきます。
先述したように、傍記されているアルファベットをヒントにするとラクに頭に入ります。
たとえば…、
・A・・・Auto・・・自動・・・自動点滅器、
・WP・・・Water Proof・・・雨 耐えられる・・・防雨形、
・F・・・Float・・・フロート、
・LF・・・Less Float・・・フロートレス、
…といった感じに、アルファベットを元に憶えていくと楽ができます。
「H:位置表示灯」と「L:確認表示灯」については、先述したように、当方のブログの「位置表示灯(H)と確認表示灯(L)の図記号の憶え方」を、参考にして憶えてください。語呂合わせでラクできると思います。
最後に、要注意スイッチとして、「RAS:熱線式自動スイッチ」があります。
近年の試験では、いきなり、最頻出スイッチと化しました。
図記号問題では「令和5年度 上期午前 第37問‐図記号当て‐スイッチ類」、写真鑑別では「令和4年度 下期午後 第17問‐器具写真鑑別」といった出題例があります。
おそらく、実際の電気工事でよく使われるようになったからかと思われます。ガチで押さえておきましょう。
最後に、一言だけ。
当該スイッチですが、「未使用問題:使われていないスイッチはどれか?」という出題形式があります。
配線図問題の第48問~50問あたりで出ます。
出題例としては、「令和5年度 上期午前 第49問‐未使用スイッチ」などがあります。
その独特の出題形式に、慣れておきましょう。
コンセントの図記号ですが、先のスイッチ同様に、傍記されるアルファベットをヒントにするとラクです。
たとえば…、
・ET・・・アース端子(Earth Tansi)、
・E・・・アース(Earth)、
・EET・・・アース(Earth)とアース端子(Earth Tansi)、
・LK・・・Lock・・・抜け止め形、
・T・・・Twist・・・ねじり形、
・EX・・・・・・Explosion・・・防爆経、
・H・・・Hospital・・・医療系、
…といった感じです。
基本的には、コンセントの勉強は、スイッチ等と同じです。
しかし、コンセント独自の出題に、備えなくてはいけません。
コンセントは、図記号ともに、実際のコンセントの『刃受けの形状』も、憶える必要があります。
というのも、上のような写真鑑別の「令和5年度 上期午後 第43問‐図記号写真鑑別‐コンセント写真」で、「20A 250V Eと傍記されるコンセントはどれ?」的な出題が有るからです。
図記号だけしか憶えてないと、この種の写真鑑別が解けません。
テキストに掲載されたコンセントの『刃受けの形状』も、ガチで押さえておきましょう。
また、当該コンセントも、「未使用問題:使われていないコンセントはどれか?」という出題があります。配線図問題の第48問~第50問あたりで出ます。
「令和5年度 上期午前 第48問‐未使用コンセント」などです。繰り返しますが、その出題形式に慣れておきましょう。
「遮断器と開閉器」の図記号は、主に配線図問題で出題され、とりわけ問題の舞台が「工場」のときによく出ます。以下の…、
B:配線用遮断器、
E:漏電遮断器、
BE:過負荷保護付き漏電遮断器、
BM:モーターブレーカ、
…は、ガチで押さえておきましょう。
まずもって、「B:配線用遮断器」と「BE:過負荷保護付き漏電遮断器」の写真鑑別がド定番です。
代表的な出題は…、
…のような、「令和5年度 下期午前 第45問‐機器写真鑑別」の問題です。
出題者側からすると、当該遮断器と開閉器の図記号には、アルファベットのBが多用されているので、受験生が混乱しやすいところのため、ことさらに出題してくるところです。
当方のブログの「配線用遮断器(B)・過負荷保護付き漏電遮断器(BE)・モーターブレーカ(MB)の図記号の憶え方‐第2種電気工事士・筆記」も、参考にして憶えきってください。
照明器具の図記号も、傍記されるアルファベットをヒントにするとラクできます。
しかし、敵も然る者で、試験では、見ただけではわからないものが出題される傾向にあります。
たとえば、「ペンダント」や…
「シーリング(天井直付)」といった…、
…ぱっと見でわからないものです。
こうした“ぱっと見ではわからない図記号”がよくよく出るので、意識して押さえていってください。
当方の「図記号 一問一答 DL ペンダント」も、参考にしてください。
電気機器・計器は、傍記されるアルファベットで即、判断できるものが多いので、ラクです。なんとなくわかるはずです。
ただ、ベルとブザーだけは、意識して憶えないと混同してしまうので、注意してください。
ちなみに、ベルは…、
…です。
んで、ブザーは、
…です。
図記号の形だけでは判断できないので、意識して押えましょう。
その他系の図記号には、アウトレットボックス(ジョイントボックス)、VVFジョイントボックス、プルボックス、配電盤、分電盤、制御盤があります。
当該その他系は、配線図問題でよく問われますが、「令和5年度 下期午後 第11問‐プルボックス」のように、一般問題で用途を問う出題がありました。
用途・図記号・写真鑑別とも、万全になっておきましょう。
なお、要注意なのが「アウトレットボックス(ジョイントボックス)」です。
試験では、両方の名称が使われています。
あるときの試験では、「アウトレットボックス」だけで出ました。
別のときの試験では、「ジョイントボックス」の括弧書きの方で出ました。
当該アウトレットボックスは、括弧書きの「ジョイントボックス」の方も、押さえておきましょう。
ちなみに、「アウトレットボックス(ジョイントボックス)」は、技能でも使います。
「第2種電気工事士の独学」でも述べているのですが、学科の段階で技能の教材を買って、実物で押さえることを勧めます。
技能の教材は、「技能 教材レビュー」にまとめていますが、読むのが面倒な人は、定番メーカーの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」 と、 「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」で揃えればよいでしょう。これで支障ないです。
配線の図記号ですが、そう凝った出題がないので、おいしいです。
配線図問題では、ほぼ毎回問われる論点です。まあ、ときおり、一般問題でも出題されるので、これまた、おいしいです。
憶え方あります。当方のブログの…、
・床隠ぺい配線(破線)と床面露出配線・二重床内配線と天井ふところ配線の図記号の憶え方
…を参考に、頭に入れてください。
ケーブルの図記号ですが、配線図問題ではほぼ毎回、一般問題でも時折出ます。
ケーブルですが、その図記号が頭に入っても、ケーブルの名称が頭に入りにくいです。
ケーブルの名称には、アルファベットあり、カタカナあり、漢字多しで、憶えにくいところです。
わたしも、当時は、苦手でした。「CV‐600V架橋ポリエチレン絶縁ビニル外装ケーブル」や「EM-EEF‐600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレン外装ケーブル平形」などは、なにそれ?ふざけてんの?と思ってました。
憶えにくいのは、受験生に共通しています。面倒ですが、時間をかけて、少しずつ、憶えていきましょう。
なお、最近のケーブル問題では、一般問題にて、「最高許容温度」の出題が目立つようになっています。
これは、ガチ暗記論点なので、憶えてないと太刀打ちできません。
当方ブログの「電線・ケーブルの最高許容温度の憶え方」を参考に、数字を憶えていって下さい。
電線管の図記号ですが、ド頻出です。一般問題・配線図問題ともによくよく出ます。必ずマスターしないといけない図記号です。
ブログの「電線管の種類と図記号の憶え方‐薄鋼電線管・ねじなし電線管・2種金属製可とう電線管‐第2種電気工事士・筆記」と…、
「電線管の種類と図記号の憶え方2‐PF管とCD管・VE管・HIVE管・FEP管」
…を参考に、押さえていってください。個人的には、よくできている憶え方と思います。
なお、当該電線管ですが、図記号に付記される数字についても、押さえておかねばなりません。
最近は、試験も難化してここまで出るようになっています。
電線管につけられた数字は…、
・金属系→外径
・合成樹脂管→内径 …となっています。
「電線管の外径・内径の憶え方‐第2種電気工事士 筆記対策」などを参考にして、ガチで押さえましょう。
以上が、学科試験の「図記号」の勉強方法です。
当該図記号をシッカリ勉強すればするほど、電気理論などのメンドクサイ科目を“捨てることができます。”
クソ公式やクソ表を暗記するのに比べたら、圧倒的に「図記号」の方がラクです。
シッカリやっていきましょう!!
「電気理論」に続きます。
「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。
先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。
第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。
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