独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

傾向はやわかり‐こう出てるからこうする:令和3年度(2021年度)の第二種電気工事士:下期筆記(午前試験・午後試験)の総評

直近の令和3年度の下期筆記試験(午前筆記午後筆記)をもとに、今後の傾向と対策を述べます。

なお、このページは、試験勉強の序盤では無用です。

「お気に入り」にでも入れておいて、ある程度、テキストと過去問とを消化した中盤以降に、参考にしてください。

リングスリーブを憶えること

R3下期午前筆記 19問

技能試験的な問題の1つに、「リングスリーブ」の問題があります。

リングスリーブの種類と、その刻印とを当てる問題です。

技能試験で勉強することなので、これまでは、「捨て問」でもよいかと思っていました。

しかし、傾向からすると、ほぼ「定番化」しています。

憶えることは少しだし、技能で必須となる知識なので、筆記の段階で、リングスリーブの要領を、押さえてしまいましょう。

別称(別名)に注意すること

R3下期午前筆記 31問…選択肢ニ

上の問題では、「アウトレットボックス」が、その別名である「ジョイントボックス」で、選択肢に登場しています。

工具器具などで、括弧書きの別称がある場合、当該別称にて出題される可能性が出てきました。

たとえば、「リモコントランス」や「ベル用トランス」の別名は「小形変圧器」です。

どっちの名称で出てもいいように、両方を憶えましょう。

「資料読み取り問題」に注意すること

R3下期午前筆記 35問

「資料読み取り問題」が、出題されています。

「資料読み取り問題」とは、資料に記載されていることから、選択肢を判別する問題です。

以前の試験の「R3上期午後筆記 41問」でも、同様の出題がありました。

ほぼ「定番化」している出題形式です。

???となったときは、資料を目を皿にして、「ヒント・手がかり」の有無を、チェックしましょう。

テキストに載ってないものが出る

R3下期午前筆記 48問…選択肢ハ

熱線式自動スイッチの写真鑑別が出題されました。

「熱線式自動スイッチ」ですが、「RAS」が傍記されるスイッチです。

当該スイッチは、これまで、図記号でさえ問われることがなかったのに、今回は、ズバッと「写真」が問われました。

判別できた受験生は、ほとんどいなかっただろうと、推測されます。

このような、未知なる工具器具の出題は、前回の試験でも、出題されています。

たとえば、「R3上期午後筆記17問」です。わけわからないです。

今後も、傾向として、テキストに載ってない器具・工具が、真正面から問われる可能性が、実に“高い”です。

この種の問題は、対策が取り難いうえに、費用対効果も悪いです。

今後の試験でも、未知なる問題が出ると想定して、心構えを作っておきましょう。

本試験で遭遇した際は、選択肢を熟読して、何らかのヒントから、最終解答を導きましょう。

どうにもならないようなら、潔く「捨て問」として、他の問題で活路を開きましょう。

時間の無駄なので、深追いは厳禁です。

もしかしたらですが、こういう未知系の問題は、「受験生の足止め目的(時間浪費)」なのかもしれないです。

ガチ応用の写真鑑別の登場

R3下期午前筆記 50問

これまでの写真鑑別の問題は、実にシンプルで、言ってしまえば、知っているか否かを問うだけの「知識問題」でした。

しかし、R3年度の試験では、かなり“応用の効いた問題”が出題されています。それが、先の「第50問」です。

個々の器具や工具の役割を踏まえて、かつ、資料もきちんと読み取っていないと、到底、解答できない問題となっています。

今後も、こうした応用問題が問われると思われます。

第2種電気工事士においても、テキストを精読しておくべきです。

難問は解いておくこと

R3下期午後筆記 27問

「難問」は、そのまんまで再出題されることがあります。

先のリンク先の問題は、文系や電気工事のド素人には厳しい問題です。

しかし、先のページでも述べていますが、直近の試験から、そのまんまが出題されているのです。

「難問」は、このように、繰り返し、出題されることが多々あります。

たとえ、その内容が全くわからなくても、問題文と選択肢の正誤は、押えておきましょう。

参考:難問・奇問・珍問・ひっかけ問題リスト

ざっくりまとめ

令和3年度の下期筆記試験ですが、なぜか、午前試験の方が難しかったです。

テキストには未掲載の器具が出たりで、苦戦したはずです。

対して、午後試験は、言うほど難しくなかったです。すらすらっと、解けたと思います。

このように、難易の差はありましたが、本質的には、「第2種電気工事士試験」です。

きちんとテキストを精読し、過去問を2~3回繰り返していれば、穏当に、合格点の6割(30点)は、確保できる内容です。

やることさえやれば受かる点には変わりがないので、シッカリ準備して臨んでください。

逆を言うと、「てきとー」では、もう受からないので、ちゃんと勉強してください。

以下、過去問関連のリンクの紹介です。活用してください。

難問・奇問・珍問・ひっかけ問題リスト…要注意の問題。「使い回し」の可能性が高く、必ずチェックレベル。

難問・やや難問リスト…「難」と「やや難」の問題をまとめて、リスト化。これらが解けるようなら、合格レベル。

「複線図」の過去問リスト…筆記の複線図問題だけを演習したい人向け。

2電工学科の難問・やや難問リスト

文系・ド素人を対象に、第2種電気工事士の学科試験の「難」と「やや難」の問題を、複線図の問題を除いて、リストアップしています。

「使い回される問題」もあるので、過去問演習の仕上げや、傾向把握の一環として、活用ください。

なお、過去問対策のリンクは、一番下の「過去問関連リンク」にあります。

R7(2025)上期

4問:負荷の力率

5問:Y(スター)結線の電流

7問:単相3線式回路の電圧降下

11問:ねじなしボックスコネクタ

25問:アナログ式絶縁抵抗計

32問:EM電線

R6(2024)上期

4問:電動機の力率

9問:過電流遮断機の定格電流

17問:器具写真鑑別

30問:電気設備に関する技術基準を定める省令

34問:図記号の名称

39問:器具図記号

46問:Eスリーブ・Pスリーブ

R6(2024)下期

4問:正弦波交流回路

5問:電動機の力率

29問:特定電気用品

30問:電圧区分

34問:電線図記号

50問:器具写真鑑別

R5(2023)上期午前

3問:電流計算

4問:消費電力計算

5問:三相 3 線式回路(Δ結線)

16問:ケーブル写真鑑別

21問:発電設備の漏電遮断器

30問:電路の保護対策

45問:配線当て

R5(2023)上期午後

3問:電圧計算

4問:消費電力計算

19問:リングスリーブ

27問:漏れ電流計(クランプ形)

28問:法令各種

41問:配線当て

R5(2023)下期午前

1問:直流回路

4問:リアクタンス

5問:Δ結線(デルタ)結線

16問:材料写真鑑別

24問:低圧検電器

27問:アナログ計器とディジタル計器

R5(2023)下期午後

4問:リアクタンス

7問:中性線断線

20問:低圧屋内配線工事

24問:アナログ式回路計

27問:クランプ形電流計

42問:器具写真鑑別

R4(2022)上期午前

4問:インピーダンス・電圧計算・・・「やや難」。

15問:蛍光灯と白熱電灯・・・「やや難」。

20問:簡易接触防護措置の最小高さ・・・「難」。

46問:配線当て・・・「難」。

R4(2022)上期午後

4問:交流電圧・・・「難」。

19問:絶縁処理・・・「やや難」。

47問:配線・・・「難」。

50問:未使用のもの・・・「やや難」。

R4(2022)下期午前

4問:交流回路のインピーダンス・・・「やや難」

5問:三相3線式回路・・・「やや難」。

6問:電圧降下・・・「難」。

15問:高周波点灯専用形の蛍光灯・・・「やや難」。

27問:クランプ形漏れ電流計・・・「難」。

28問:各種法令・・・「難」。

31問:図記号当て・・・「やや難」。

44問:接続写真鑑別・・・「難」。

R4(2022)下期午後

4問:交流回路の力率・・・「難」。

17問:器具写真鑑別・・・「やや難」。

21問:異時点滅・・・「難」。

45問:接続写真鑑別・・・「難」。

R3(2021)上期午前

4問:消費電力計算

9問:幹線許容電流

35問:コンセント刃受当て

39問:コード

R3(2021)上期午後

1問:抵抗計算

4問:回路の力率

11問:ねじなしボックスコネクタ

17問:器具写真鑑別

20問:電気工事総論

21問:スイッチボックス

24問:測定器の用途

27問:アナログ計器とデジタル計器

41問:機器写真鑑別

R3(2021)下期午前

4問:消費電力計算

27問:アナログ式回路計の抵抗測定

29問:電気用品安全法

41問:コンセント配線図

49問:未使用器具

R3(2021)下期午後

4問:力率と電力計算

15問:漏電遮断器

19問:絶縁処理

R2(2020)上期試験

R2(2020)の上期試験は、疫病ため中止されました。

R2(2020)下期午前

1問:直流回路電流

4問:交流回路の力率

5問:電動機の力率

20問:工事方法

R2(2020)下期午後

1問:直流回路電流

4問:交流回路の力率

5問:電動機の力率

20問:工事方法

R1(2019)上期

50問:FEP工具

R1(2019)下期

4問:正弦波交流回路

16問:材料写真

19問:リングスリーブ

23問:電磁的不平衡

25問:絶縁抵抗測定

H30(2018)上期

11問:遮断器遮断時間

12問:電線許容温度

25問:絶縁抵抗測定

48問:点滅器工事

H30(2018)下期

5問:スター(Y)結線

11問:漏電遮断器

24問:回路計操作

25問:対地電圧

27問:開閉器

35問:電線管図記号

39問:図記号目的

45問:図記号‐リモコンリレー

H29(2017)上期

26問:接地抵抗計

30問:電気用品安全法

34問:図記号

35問:図記号

43問:圧着工具

H29(2017)下期

第14問‐バスダクト工事

第19問‐厚鋼電線管

第23問:ネオン灯工事

第34問‐600Vゴム絶縁クロロプレンシースケーブル

過去問関連リンク

筆記試験に出た難問等のうち、「繰り返し」出題されたものを、「2電工筆記の要チェックの難問・奇問・珍問・ひっかけ問題リスト」にまとめています。

運がよければ、このページで1点取れます。チェックしておきましょう。

んで、難問・やや難問の全リストは、「2電工筆記の難問・やや難問リスト」です。

これらが解ければ合格レベルです。実力試しに活用ください。

複線図の問題は、「2電工筆記「複線図」の過去問リスト」に、まとめています。

筆記の複線図だけ問題演習したい人は、利用してください。

令和3年度(2021年度)の第二種電気工事士:上期筆記(午前試験・午後試験)の総評

以下に、総評を述べていきますが、過去問は、「R3上期 午前筆記」と、「R3上期 午後筆記」です。

【注意】午前と午後の違い

昨年度(令和2年度)の下期試験でも、午前と午後に分かれて、筆記試験が行われました。

んで、令和3年度の上期試験でも、午前と午後とで、試験が実施されました。

昨年度は、午前・午後の問題内容に、大きな「違い」がありませんでした。

しかし、当該令和3年度の上期筆記では、午前と午後とで、かなりの「違い」があります。午後の方が、明らかに手強いです。

下期試験がどうなるかまだわかりませんが、難しい午後の筆記に当たってもいいように、基礎・基本的なものを、確実に押えておきましょう。

文系の人は、電気理論を捨てる人も多いでしょうが、前記の理由から、過去問を何回も解いて、電気理論で出ている問題のすべては、解き方を暗記しておきましょう。

参考:筆記試験の教材

結論

最初に結論から言うと、午前・午後とも、やはり、「第2種電気工事士」の試験です。

小難しい問題が増えてはいますが、キッチリと過去問演習をして、テキストを精読していれば、合格点の6割を確保できるようになっています。

ただ、以前は、生半可な勉強でも、受かる可能性がありましたが、今では、落ちる可能性が実に高いです。

油断せず、やるべきことをやって、試験に臨んでください。

なお、時間的に厳しい人は、4~5ヶ月前から、“早めに”テキストや過去問に当たってください。

んでは、直近試験での傾向やポイント、注意事項を述べていきます。

技能的な問題

技能試験で勉強する論点が、越境して、筆記に出題されています。

午前試験では、「午前:第21問」に…、

午後試験では、「2問」も出題され、「午後:第11問」と「午後:第21問」に、登場しています。

筆記の勉強しかしていない人は、まずもって、解けないはずです。

とりわけ、午後試験の21問のように、ガチの複線図が問われたら、お手上げです。

しかし、4月初旬から筆記の勉強を始めるとすると、筆記に並行して技能を勉強をするのは、かなり、時間的に厳しいです。

よって、「とりあえず捨て問」とします。

「技能的な問題」を「捨て問」にしても、失点は、他の問題でカバーはできるからです。

んで、全論点が済んで、時間に余裕があるなら、着手するようにしましょう。

勉強したい人は勉強すればいいですが、無理そうな人は、「捨て問」にして、電気理論など、他の問題で失点を取り返してください。

言い換えれば、「技能的な問題」を「捨て問」にするなら、電気理論や配線理論などを、ミッチリと勉強して、フルマークするくらいにならないといけない、といった寸法です。

奇問対策‐なんだこりゃ?対策

令和3年度(2021年度)の上期筆記の最たる特徴に、“奇問”があります。

“奇問”ですが、これは、テキストにて見たことのない事物が出題された問題で、(なんだこりゃ?)と、キツネにつままれるような感じを受ける問題です。

午前試験では、「午前:第41問…ニ」に…、

午後試験では、「午後:第17問」と「午後:第41問」に、登場しています。

しかし、それほど、神経質になる必要はありません。

リンク先の解説で述べられているように、なんらかの『突破口・ヒント』があるからです。

消去法で解けたり、資料や問題文・選択肢を、落ち着いてジックリと目を通せば、解答の糸口があります。

今後も、こうした、テキストに載ってない“奇問”が登場すると思います。

しかし、即、諦めるのではなく、(あ、来たな)という感じで、問題を解くテンポを変えて、落ち着いて対処してください。

1問2論点問題

従来の試験問題は、「1問に付き1つの論点」が問われるのが、ほとんどでした。

しかし、当該筆記試験では、「1問で、2つの論点が問われる」問題が散見されます。

午前試験では、「午前:第9問」に…、

午後試験では、「午後:第9問」と「午後:第26問」に、登場しています。

難しくはないですが、以前と比べると、格段に解答に手間取ります。

頻出論点は、シッカリ正確に暗記して、解答に時間を取られないようにしましょう。

組み合わせ問題

ついに、第2種電気工事士でも出たかと思ったのが、「組み合わせ問題」です。

正誤をストレートに問うのではなく、「正しいもの(誤っているもの)の組み合わせはどれか」といった、もう1作業させる問題です。

午前試験では、「午前:第19問」と「午前:第22問」に…、

午後試験では、「午後:第19問」に、登場しています。

大事なことは、「落ち着いて解答する」です。

焦って解答すると、選択肢の判別は合っているのにも関わらず、最終解答の選択を間違ってしまいます。

2電工では、あまり出ない出題形式なので、何回か解いて、解答の要領を掴んでおきましょう。

チェック論点

今後も出そうなので、チェックすべき論点の問題を、挙げておきます。

まず、「ケーブル・電線の耐熱性」です。

この数年で、毎回出るようになった論点です。

当該年度でも、出題されており、午前試験では、「午前:第12問」に…、

午後試験では、「午後:第12問」に、登場しています。

憶えてないと絶対に解けないので、チェックしておきましょう。再度、出題される可能性が大です。

次に、「弱電流電線」です。

午前試験にて、「2問」に渡って登場しています。

午前:第20問…ロ」と「午前:第22問」です。

こういう細かいものも、問われるようになっています。

過去問を解くだけでなく、テキストの精読も行ってください。

総評は、以上です。