第20問‐令和5年度(2023年度)下期午後学科の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 小難しい選択肢が2つあります。1つは、ごく稀に出る論点です。過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、チェックしておきましょう。消去法で選択肢を絞って解答してください。

第20問‐低圧屋内配線工事

 

 (クリックして拡大。)

 本問の難易度は、「やや難」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

選択肢イ

 イの「乾燥した場所にある乾燥したショウウィンドー内で,絶縁性のある造営 材に,断面積 0.75mm2のビニル平形コードを 1 m の間隔で,外部から 見えやすい箇所にその被覆を損傷しないように適当な留め具により取り 付けた。」ですが、正しい記述です。

 久々に出題された「ショウウィンドウ内工事」の問題です。

 電線の断面積は、「断面積 0.75mm2以上」です。

 支持点間は、「1m以下」です。

 「コード」が使えます。

 造営材にコードを接触させて取り付けることができます。

 選択肢の内容は、上記条件に合致しています。

 よって、選択肢は、「正」となります。

 過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、テキストで確認しておきましょう。

選択肢ロ

 ロの「展開した場所に施設するケーブル工事で,2 種キャブタイヤケーブルを 造営材の側面に沿って取り付け,このケーブルの支持点間の距離を 1.5 m とした。」ですが、誤った記述です。

 テキストには、ほとんど載っていない規定の出題です。

 間違っているのは、「 1.5 m」のところです。

 正しくは、「 1 m」です。

 電技解釈の第164条の第3項には…、

 「電線を造営材の下面又は側面に沿って取り付ける場合は、電線の支持点間の距離をケーブルにあっては2m(略)以下、」

 「キャブタイヤケーブルにあっては1m以下とし、」

 「かつ、その被覆を損傷しないように取り付けること」

 …とあります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 新手の出題です。過去問に出たことは、甘く見てはいけないです。

 このページを「お気に入り」に入れておいて、試験会場の行く道すがらに、押えましょう。

 ちなみに、ふつうの「ケーブル」の支持点間は、「2m以下」です。これは、ガチ暗記してください。

補足

 選択肢の言う「2種キャブタイヤケーブル」ですが、テキストには載ってないかもしれません。

 「2種キャブタイヤケーブル」は、検索してみると…、

 「汎用性が高い低圧用のケーブルで屋内、屋外ともに使われています。 導体、ゴム絶縁体、シースと基本的な構造でシースの補強層がないため、衝撃があるような場所には向きません。」とか…、

 「キャブタイヤケーブルの用途には、天井クレーン、工事用仮設電源、仮設エレベーター。」とか…、

 「主に移動用(給電したまま移動できる)に使用されるケーブル

 …とありました。

 憶える必要はないですが、参考までに。

選択肢ハ

 ハの「合成樹脂管工事で,合成樹脂管(合成樹脂製可とう電線管及び CD 管を 除く)を造営材の側面に沿って取り付け,この管の支持点間の距離を 1.5 m とした。」ですが、正しい記述です。

 「合成樹脂管工事」の正しい記述です。

 当該合成樹脂管工事の支持点間は、「1.5m以下」です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢ニ

 ニの「ライティングダクト工事で,造営材の下面に堅ろうに取り付け,この ダクトの支持点間の距離を 2 m とした」ですが、正しい記述です。

 「ライティングダクト工事」の正しい記述です。

 当該ライティングダクト工事の支持点間は、「2m以下」です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 本問は「不適切なものはどれか?」ですので…、

 正解:ロ

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:消費電力・・・「ふつう」。

 2問:導線の電気抵抗・・・「ふつう」。

 3問:熱量計算・・・「ふつう」。

 4問:リアクタンス・・・「難」

 5問:Y(スター)結線・・・「ふつう」。

 6問:電力損失・・・「ふつう」。

 7問:中性線断線・・・「やや難」。

 8問:許容電力計算・・・「ふつう」。

 9問:幹線許容電流・・・「ふつう」。

 10問:分岐回路・・・「ふつう」。

 11問:プルボックス・・・「ふつう」。

 12問:600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル・・・「ふつう」。

 13問:ノックアウトパンチャ・・・「ふつう」。

 14問:三相誘導電動機・・・「ふつう」。

 15問:漏電遮断器・・・「ふつう」。

 16問:材料写真鑑別・・・「ふつう」。

 17問:器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 18問:工具写真鑑別・・・「ふつう」。

 19問:絶縁処理・・・「ふつう」。

 20問:低圧屋内配線工事・・・「ふつう」。

 21問:ルームエアコン・・・「ふつう」。

 22問:特殊場所・・・「ふつう」。

 23問:合成樹脂管工事・・・「ふつう」。

 24問:アナログ式回路計・・・「やや難」。

 25問:アナログ形絶縁抵抗計・・・「ふつう」。

 26問:絶縁抵抗値と接地抵抗値・・・「ふつう」。

 27問:クランプ形電流計・・・「やや難」。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電圧の種別・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:図記号当て・・・「ふつう」。

 32問:ルームエアコンの屋内ユニット・・・「ふつう」。

 33問:最少電線本数・・・「難」。

 34問:ケーブル当て・・・「ふつう」。

 35問:絶縁抵抗値・・・「ふつう」。

 36問:接地抵抗値・・・「ふつう」。

 37問:図記号当て・・・「ふつう」。

 38問:図記号当て・・・「ふつう」。

 39問:コンセント図記号・・・「ふつう」。

 40問:耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル電線管・・・「ふつう」。

 41問:スリーブ当て・・・「難」。

 42問:器具写真鑑別・・・「やや難」。

 43問:スリーブ当て・・・「難」。

 44問:器具写真鑑別・・・「ふつう」。

 45問:工具写真鑑別・・・「ふつう」。

 46問:ケーブル当て・・・「難」。

 47問:差込形コネクタ当て・・・「難」。

 48問:配線写真鑑別・・・「ふつう」。

 49問:未使用器具・・・「ふつう」。

 50問:未使用コンセント・・・「ふつう」。

第2種電気工事士 合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものなので、参考にしてください。

 高評価だったのは、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の試験で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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