令和4年度(2022年度)の登録販売者試験を受験予定の人へのアドバイス。R3年度の各ブロックの本試験をもとに、今後の傾向を探る。チェックポイントを挙げている。令和4年度には、手引きの改正があった。各科目ごとに、要注意な改正事項や、OTC医薬品などの見ておくべき論点を列挙している。
登録販売者試験ですが、まずもって、「登録販売者の独学」でも述べているように、ちゃんと勉強すれば受かる試験です。
先のページで述べたように、「テキスト精読3回、過去問演習3回、PDF過去問3回分・3回」くらいの学習量を消化していれば、余裕をもって合格が可能です。
いろいろな情報がありますが、合格するための情報は、上記の「3回ずつ」に集約されると思います。
試験勉強の最初のうちは、全く読む必要はないですが、中盤以降、本格的な試験対策に役に立つページを挙げておきます。
・数字対策
・登録販売者試験の「ブラフ(はったり)」のまとめ‐保管期限・消費期限など
上記ページは、「お気に入り」に入れておいて、中盤以降、少しずつ消化してみてください。
R3の登録販売者試験ですが、合格率が41.5%から49.3%と、「+7.8」も、大幅増加しています。
その理由は、試験問題がごくごくオーソドックスだったからです。
難問や奇問の類も出てはいますが、それでも、大半の試験問題は、基礎・基本的ものでした。
よって、勉強した受験生なら、合格点を十分に確保できたと思われます。
しかし、それがゆえに、次年度たる令和4年度(2022年度)試験は、「試験問題の難化」を念頭に、試験勉強に臨むことになります。
資格試験の一般事情として、「合格者が増えたら、次は減らす」が“大いに”予想されるからです。
令和4年度(2022年度)試験は、前年度に比べてハイレベルな問題がそこそこ登場しても大丈夫なよう、腹を作っておく必要があります。
試験の「難化」の一環として見ておくべきは、「OTC医薬品」です。
当該OTC医薬品ですが、過去の試験では、ほとんど問われなかった論点です。
しかし、「福島県 R3 第98問」の選択肢1のように、問われるブロックも出てきています。
この傾向に、他県が追従しないと、言い切れません。
それに、です。
当該OTC医薬品は、「法規」や「適正使用」注記にしか出てきませんでしたが、令和4年度の改正により、「基本知識」にて、手引き本文にも登場するようになりました。
こうした背景から、「難化」の一環として、「OTC医薬品」が出題される可能性が高くなっており、新しく押さえておくべき論点の筆頭となっています。
ガチ暗記は無用ですが、数字やキーワードは、押えておきましょう。
参考:登録販売者 OTC医薬品(スイッチOTC医薬品・ダイレクトOTC医薬品)のまとめ
「基本知識」ですが、当該科目は、そう大きな変化のない科目です。
ただ、令和4年度の改正により、「薬害訴訟」に「(e) C型肝炎訴訟」が新しく追加されています。
そもそも、「薬害訴訟」の論点がド頻出なため、当該C型肝炎訴訟も、当然、出題されると考えられます。
細かいところまで、ガチで押えておきましょう。
また、「基本知識」は、改正でそこそこ新論点が追加されているので、どこが改正されたかは、把握しておきましょう。
「人体」ですが、あまり出題傾向は変わっていません。
相変わらず、「カタカナ語句」の出題が目立ちます。
トリプシノーゲンやトリプシンといったカタカナ語句は、シッカリと押えておきましょう。
次に、各器官の定義がそこそこ問われています。
「〇〇は、A,B,Cウンヌンで構成される」といった各器官の定義と構成は、遺漏なく、押えておきましょう。
最後に、「副作用」は、相変わらず、その“すべて”が出題対象です。
見落としがちな「その他」のところまで、テキストを精読しておきましょう。
さて、「人体」の改正ですが、そこそこ重要な論点に改正がありました。
「登録販売者 人体 改正一覧 順繰り」で、どこに改正があったかは、チェックしておく方が無難です。
まずもって、令和4年度の改正で、「生薬」の基原に「英語基原」が多数登場するようになりました。
たとえば、「Uncaria sinensis Haviland 又はUncariamacrophylla Wallich」などです。
参考: 令和4年度改正 医薬品 生薬
英検にすら出ない単語なんて、憶えられるわけがありません。「英語基原」は、「捨て問」でよいかと思います。
次に、相変わらず、マイナー成分が“ふつう”に、試験で問われています。
たとえば、「福島県 R3 第51問 抗真菌成分」、「東京都 R3 第90問 ヘパリン類似物質」、「愛知県 R3 第23問 ジアスターゼ・プロザイム」などです。
たとえば、「愛知県 R3 第30問」のように、ビタミン成分が横断的にガチで問われたりしています。
「医薬品」の勉強で、「こんなん出ないだろー」は、厳禁です。
マイナー成分は、ガチ暗記まではしなくていいですが、テキストを遺漏なく精読しておきましょう。
最後に、個人的に気になったのが「緑内障」の論点です。
全国的に、当該緑内障の副作用や禁忌のある成分が問われている“感じ”がします。
R3の過去問では、なーんか「緑内障」が問われているなーという雑感を得ています。
抗コリン成分や抗ヒスタミン成分等々で出てくる「緑内障」の副作用等については、テキストで目にする度に、チェックするよう述べ置きたいと思います。
最後に、「医薬品」の改正ですが、医薬品成分の削除がそこそこありました。
再受験生の人は、“試験に出ない成分・事項を憶えるような無駄をしないよう、注意してください。”
大上段から言えば、そう大きな変化はないです。
しかし、受験生泣かせの「医薬品的な問題」がまだまだ猛威を振るっているので、対策が必要です。
かつてのように、ぜんぶを「捨て問」にすると、格段に点数が厳しくなります。
「適正使用対策」などで、できる範囲で、勉強をしておきましょう。
さて、「適正使用」ですが、R3年度は、先の「医薬品的な問題」以外は、言うほどぶっ飛んだ問題がなかったです。
しかし、R4年度は、「難化」が予想されます。
R2の関西広域連合の…、
…は、これまでにない出題だったので、チェックしておきましょう。
最後に、「適正使用」の改正ですが、即、試験に出そうな改正がてんこ盛りです。
「適正使用 改正一覧 順繰り」で、チェックしておきましょう。
R3年の「法規」は、そう変化がなく、基礎・基本的な出題が多かったです。
しかし、翌R4年度は、楽観できません。改正が多々あったからです。
まずもって、“試験問題にしやすい各種薬局”の追加です。
改正により、「健康サポート薬局」、「地域連携薬局」や「専門医療機関連携連携薬局」といった論点が追加されています。
参考:法規 改正 インデックス
当該健康サポート薬局は、既に、「愛知県 R3 午後第29問」で出題されているので、他の新薬局も、出題される可能性があります。優先して押さえておくべきです。
また、改正ですが、上記薬局のほかにも、頻出論点への改正が多々あり、全く油断できません。
出題者が改正を避けて試験問題を作るなんてことは、想像できません。改正のあったところは、意識して押えておくべきかと思います。
次に、“個人的に”あやしく感じている論点を挙げておきます。
それは、「添加物」と「タール」です。
両論点も、R2・R3試験で確認されており…、
…といった感じに、徐々に選択肢に登場しています。
今後の出題に備えて、テキストを精読しておきましょう。
傾向変化については、ざっと斯くの如しです。
勉強方法や試験情報等については、「登録販売者の独学」をば、参考願います。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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